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VSゴブリン
▼ゴブリンの根城へ
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「うわぁぁあぁあぁぁっ!」
体のあちこちが岩盤にぶつかり、痛みでグリオスは顔をしかめる。
普通の落とし穴なら垂直で、その下に鋭く尖ったものを立てて絶命を狙ってくるもの。
しかしこのワナには、まるで勢いが出たら困るかのように勾配に緩急がついており、勢いよく滑り過ぎない工夫がされていた。
ただ殺すつもりではないらしい。だが逃がすつもりもないのか、スライムの体液でも垂らしたような滑り気があった。
力を入れて動きを止めることができず、グリオスは擦り傷をこさえ、新調したばかりの服をボロボロにし、妙な滑りを体にまとわせながら落ちていく。
――バフッ。
不意に虚空へ放りだされたかと思えば、柔らかな布地がグリオスを受け止めた。
「うぅ……こ、ここは……?」
めまいを覚えながらグリオスは仰向けのまま、瞳だけを動かして辺りを見回す。
横も上も岩盤で囲まれ、未だ洞窟内だということは分かる。
しかし全貌がまだ見えずとも中は大きく開けており、壁はゴツゴツした所と石切したようにつるりとした所がある。何者かによって手が加えられ広げられた場所なのは一目瞭然だった。
そんな詳細な状況が分かるほど辺りが明るい。
次第にグリオスのめまいが落ち着き、周囲の音が耳へ入ってくるようになる。
低く濁ったざわめき。ゲゲゲッ、というくぐもった蛙の鳴き声にも似た笑いも混じっている。
嫌な予感がしてグリオスは肘を立てて上体を起こす。
大きく尖った耳。鋭く真っ黒な目。耳近くまで避けた口。全身は茶色く胴体は肉付きは良いが、手足は細く、その腹は丸々としている――典型的なゴブリンだ。
それが大小様々な個体が集まり、一斉にグリオスを見ていた。
「ゴブリンの根城だったか……っ!」
剣を抜こうとした矢先、ゴブリンたちが次々と跳躍してグリオスに襲いかかる。
一匹が右手を、もう一匹が左手を――役割が決まっているかのようにゴブリンたちはグリオスの四肢を抑え、身動きを取れなくしていく。
「離せ! ……うわっ!」
どうにか身をよじってグリオスがゴブリンの拘束から逃れようと足掻いていると、不意にバシャッと液体をかけられる。
あっという間に全身がネバネバの液に塗れ、かすかに甘い匂いがグリオスを包む。
息をする度に匂いは濃さを増し、次第に頭が朦朧とするほどの強く甘ったるい匂いへと変わっていく。
力が抜けていく。体が熱い。
ぐったりして抗えなくなった頃、ゴブリンたちはゲヘゲヘと笑いながらグリオスを解放する。
そして一様に嬉々とした顔でグリオスを見下ろした。
「コイツ、頑丈ソウ」
「アア。イッパイヤレル。ミンナ、タノシメル」
「チャント飼ッテ、育テル。イッパイヤッテ、カワイクスル」
会話の内容が思うように理解できず、グリオスは小首を傾げる。
だがゴブリンたちの手がグリオスの服を剥ぎ、露わになった肌をざらついた手で撫で回してきた瞬間に理解してしまう。
このままではゴブリンたちの慰み者になることを――。
「アッ……や、やめろ……ふ、くぅ……ッ……」
おぞましいという嫌悪感はあるのに、グリオスの体はゴブリンたちの無遠慮な愛撫に快感を覚え、甘く喘ぎ出す。
胸の左右でピンと尖った肉芽を摘ままれ、こすれるように引っ張られるだけでも目の前がチカチカと点滅する。
どの個体も生殖器を勃たせ、根本から上へ向かうほどに太い。人のものより長さもある。そんなものを体に擦り付けられると、その感触だけでもグリオスの体が疼いて頭の芯が壊れていく。
鼻にツンとした刺激臭が届くが、濃厚な甘い香りと合わさると極上の果実のような匂いに変わり、口の中へ含みたくてたまらなくなってしまう。
醜悪で凶悪なゴブリンの性器を、口内でたっぷりと堪能したい。
思いっきりしゃぶりつきながら下半身を抉られ、快楽の頂へ何度も昇り、果てて、肉欲のままに生きてしまいたい。
ずいっ、と。
一本のたくましい肉棒がグリオスの前に差し出された。
体のあちこちが岩盤にぶつかり、痛みでグリオスは顔をしかめる。
普通の落とし穴なら垂直で、その下に鋭く尖ったものを立てて絶命を狙ってくるもの。
しかしこのワナには、まるで勢いが出たら困るかのように勾配に緩急がついており、勢いよく滑り過ぎない工夫がされていた。
ただ殺すつもりではないらしい。だが逃がすつもりもないのか、スライムの体液でも垂らしたような滑り気があった。
力を入れて動きを止めることができず、グリオスは擦り傷をこさえ、新調したばかりの服をボロボロにし、妙な滑りを体にまとわせながら落ちていく。
――バフッ。
不意に虚空へ放りだされたかと思えば、柔らかな布地がグリオスを受け止めた。
「うぅ……こ、ここは……?」
めまいを覚えながらグリオスは仰向けのまま、瞳だけを動かして辺りを見回す。
横も上も岩盤で囲まれ、未だ洞窟内だということは分かる。
しかし全貌がまだ見えずとも中は大きく開けており、壁はゴツゴツした所と石切したようにつるりとした所がある。何者かによって手が加えられ広げられた場所なのは一目瞭然だった。
そんな詳細な状況が分かるほど辺りが明るい。
次第にグリオスのめまいが落ち着き、周囲の音が耳へ入ってくるようになる。
低く濁ったざわめき。ゲゲゲッ、というくぐもった蛙の鳴き声にも似た笑いも混じっている。
嫌な予感がしてグリオスは肘を立てて上体を起こす。
大きく尖った耳。鋭く真っ黒な目。耳近くまで避けた口。全身は茶色く胴体は肉付きは良いが、手足は細く、その腹は丸々としている――典型的なゴブリンだ。
それが大小様々な個体が集まり、一斉にグリオスを見ていた。
「ゴブリンの根城だったか……っ!」
剣を抜こうとした矢先、ゴブリンたちが次々と跳躍してグリオスに襲いかかる。
一匹が右手を、もう一匹が左手を――役割が決まっているかのようにゴブリンたちはグリオスの四肢を抑え、身動きを取れなくしていく。
「離せ! ……うわっ!」
どうにか身をよじってグリオスがゴブリンの拘束から逃れようと足掻いていると、不意にバシャッと液体をかけられる。
あっという間に全身がネバネバの液に塗れ、かすかに甘い匂いがグリオスを包む。
息をする度に匂いは濃さを増し、次第に頭が朦朧とするほどの強く甘ったるい匂いへと変わっていく。
力が抜けていく。体が熱い。
ぐったりして抗えなくなった頃、ゴブリンたちはゲヘゲヘと笑いながらグリオスを解放する。
そして一様に嬉々とした顔でグリオスを見下ろした。
「コイツ、頑丈ソウ」
「アア。イッパイヤレル。ミンナ、タノシメル」
「チャント飼ッテ、育テル。イッパイヤッテ、カワイクスル」
会話の内容が思うように理解できず、グリオスは小首を傾げる。
だがゴブリンたちの手がグリオスの服を剥ぎ、露わになった肌をざらついた手で撫で回してきた瞬間に理解してしまう。
このままではゴブリンたちの慰み者になることを――。
「アッ……や、やめろ……ふ、くぅ……ッ……」
おぞましいという嫌悪感はあるのに、グリオスの体はゴブリンたちの無遠慮な愛撫に快感を覚え、甘く喘ぎ出す。
胸の左右でピンと尖った肉芽を摘ままれ、こすれるように引っ張られるだけでも目の前がチカチカと点滅する。
どの個体も生殖器を勃たせ、根本から上へ向かうほどに太い。人のものより長さもある。そんなものを体に擦り付けられると、その感触だけでもグリオスの体が疼いて頭の芯が壊れていく。
鼻にツンとした刺激臭が届くが、濃厚な甘い香りと合わさると極上の果実のような匂いに変わり、口の中へ含みたくてたまらなくなってしまう。
醜悪で凶悪なゴブリンの性器を、口内でたっぷりと堪能したい。
思いっきりしゃぶりつきながら下半身を抉られ、快楽の頂へ何度も昇り、果てて、肉欲のままに生きてしまいたい。
ずいっ、と。
一本のたくましい肉棒がグリオスの前に差し出された。
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