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九話 新たな繋がり

●切実な抱き方

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「……っ……ア……ッ!」

 腰の深部が熱く抉られる。
 思わずのけ反った俺を、英正は腰を強く掴んだまま快感を容赦なく打ち込み、追い詰めていく。

 いつもなら俺を労わりながらゆっくりと体を拓き、快楽の高みへと導くような抱き方をするのに。今日はあまりの激しさに圧倒されてしまう。

 ずっと我慢していたことをやめたというより、切羽詰まって俺という糧を腹に収めているような、そんな余裕のない切実な抱き方。

 何があったんだ英正?
 本当は今すぐ行為を中断させて事情を聞きたい。しかし俺を抱く英正の顔つきがあまりに苦しげで、こうでもしないと生きられないような危うさを感じてしまい、俺は英正の激情に喘ぎなら付き合い続ける。

 グッ、と英正に身を乗り出され、最奥を何度も執拗に押されていく。

 体の底から込み上げてくる快楽の波から、逃げることも身構えるもできなかった。

「あっ、ぁあっ、英、正……っ……ぁああああッッ!」

 内側からバチンッと激しく打ち付けられたように、俺の中が大きく弾ける。
 一瞬、視界も頭の中も真っ白になり、英正を咥え込んだ肉壁が激しく脈討つ。

「……ハ……ッ……ぅぅ……っ」

 俺の絶頂が英正の昂りを締め上げ、火照った精を放出させる。それを欲しがるように俺の体は脈動を繰り返し、悦んで取り込んでいく。

 もう何度か迎えた絶頂と放精。さすがに俺の中で英正の硬度は落ちるが、それでもまだ硬さを残し、俺との繋がりを解こうとはしない。

「誠人様……あぁ……」

 俺を見下ろしながら英正は物憂げな息をつくと、汗ばんだ俺の太腿を愛しげに撫でてくる。

 快楽の頂きから飛び降りたばかりの体にはささやかな愛撫すら凶悪で、思わず俺は頭を振り乱してしまった。

「はぁ……ッ、ま、待ってくれ……っ、少し、間を――」

「こんなに無防備で、何をしても私を覚えてくれる体を……愛さずにはいられないんです」

 手を止めるどころか、未だ小さく脈打つ肉壁を煽るように英正は俺の腰を撫で、濃厚に舌を絡めるキスで俺の訴えを封じてくる。

 絶頂で敏感になった口内は性器のように英正の舌に感じ、後孔は勝手にヒクヒクと脈動して快感を集めていく。

 このままいけばキスと愛撫だけで達する。その間際――グチュッ。英正は逃げ場のない俺を大きく貫き、トドメを刺した。

「ンン――……ッッ! んっ……んむ……っ……ン――……ッ」

 口を封じられたままの絶頂に視界が点滅する。あまりに甘くなり過ぎた快楽に呑まれて、口が緩んでだらしなくなっていく。

 俺が達したことなど手に取るように分かるはずなのに、英正は何もやめてくれない。
 埋まりながら休んで硬度を取り戻した英正の昂りは俺の奥を甘く狂わし、唇のまぐわいもねっとりと繰り返し、俺の口端からよだれを零れ落としていく。
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