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第2章 ポーショントラブル
35.対策を取るようです
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4人はその後話し合いを行った。
エヴァとベスパの商人ギルドはエルフの国の調査を行うこととし、ハジメはコウとリナリーに話をし注意を喚起し、暫く落ち着くまでは一緒の部屋で寝ることとした。ウォールは何かあればいつでも役場で匿えるよう手続きを取ってくれた。24時間営業の役場であるから可能な処置であった。また昼間であると元冒険者であるアーヴィンとアベルのドワーフコンビが目を光らせてくれるよう商人ギルドから話をしてくれることとなった。ある程度の強さなら撃退することが出来るとエヴァは言った。彼らは冒険者としても一流であったとのことで武器と防具、広い場所があればワイバーンにも負けない実力があることをハジメはその時に知った。
日用品や調剤に必要な物品の購入は商人ギルドが昼に御用聞きに来てくれることになり、荷馬車で運んでくれることになった。ハジメは町役場から扉を開けて外に出ると、少し曇天の空を見ながら
「また暫く冒険者ギルドの依頼は受けられないなぁ。今までもそんなに受けてはないけど」
と呟くと家路を急いで歩いて行った。
家に帰るとコウとリナリーが待ち構えていた。ハジメが家に帰ると駆け寄ってきた。
「ご主人様大丈夫でしたか?お怪我などはありませんか?」
コウがハジメの体を触りながら心配をしてくれていた。リナリーもお茶を入れてくれながらハジメの体を確認していて、何もないと確認出来たとき安堵の表情になっていた。2人にこんなに心配されて本当に幸せだと思った。
ハジメは2人に今日の出来事を話し、暫く一緒の部屋で寝て欲しいことを伝えると
「「勿論です」」
と答えた。2人はハジメの部屋にベッドを運び込び、武器も枕元におけるようにした。ハジメを真ん中にして窓際にリナリーが、廊下側にコウが位置することになった。
「面倒なことになってごめんな」
と2人に言うと
「それだけご主人様が凄いってことです。私は鼻が高いです」
とコウは話し、笑顔を見せた。暫く夜の準備をしていると、下からリナリーの声がした。
「ご主人様。アーヴィンさんとアベルさんが来られています」
ハジメはコウに片付けを頼み、1階へ降りて行った。
「よう、ハジメ。商人ギルドのエヴァから話は聞いたぜ。今は2人とも大きな依頼がないから昼間は俺かアベルがここでまったりさせてもらうようにするからな。公認されたさぼりって訳だ。しかも給金もでるんだぜ」
と言いアーヴィンは笑った。
「しっかり守ってやりなよ。お得意様なんだから」
とアーヴィンの妻のシラトが旦那の頭を小突いて笑った。
「大変な事になったねぇ。いつでも頼ってくれていいんだからね。頑張り過ぎないようにしないとね。コウちゃんやリナリーちゃんに心配かけ過ぎないように」
とシラトはハジメを抱きしめて言ってくれた。
「・・・ありがとうございます・・・」
とハジメはそう言うのが精一杯だった。そんな少し感動的な場面の時、店の扉が開き、アーヴィンの弟子たちがテーブルと椅子を持って入ってきた。
「こんにちはハジメさん。親方が昼間こちらにお邪魔することになったって聞いたんでテーブルセットお持ちしました。ここに座らせておいてください」
とどっしりとした頑丈そうな作りの4人掛けのテーブルと椅子のセットが店の右隅に置かれた。そこに皆で座るとリナリーがお茶と茶菓子を持ってきてそれぞれ3人の前に置かれた。
鍛冶師のアベルはお茶をすすると
「俺はもう少し依頼があるから今日はこれで帰るぜ。明日は俺が来るからな。その時ハジメの注文したもの一式を持ってくるからな」
と一気にお茶をのみ茶菓子を1口で食べ、
「また明日な」
と言い帰って行った。
「相変わらず豪快ですねぇ。だから強いのかなぁ」
とハジメは思わず呟いていた。
「まぁ、鍛冶屋にとって魔物は材料だからねぇ、強くなるのはいいことさ。家具屋もワイバーンの革なんて引っ張りだこの素材だからねー。依頼すると家具代に上乗せになるし自分で狩ったほうが早いっていうのもあるんだよ」
とアーヴィンの妻のシラトが言う。それでワイバーンを狩るのかのは人としてどうかと思うのだけど・・・。
その日はアーヴィンとシラトが残り、ハジメはシラトにコウとリナリー、自分の新しい服2着ずつ欲しいことを伝えると喜んで引き受けてくれた。それぞれの採寸を済ませるとメモ用紙に書留めていた。それが終わると夕飯の時間になっていたので、呼びに来た弟子の2人も一緒に皆で食べることにした。シラトはコウとリナリーを台所で手伝ってくれている。ハジメは酒がないことに気づいたが、アーヴィンは家にある酒を弟子たちに持ってこさせるからと言って弟子たちが取りに帰った。
その日の夕食はとても賑やかだった。沢山笑ったし食べた。アーヴィンは少し酔っていたが、シラトに引っ張られて帰って行った。リナリーとコウが後片付けをしている間にお風呂を沸かし、ハジメは風呂に入り、続いてリナリー、コウの順番で風呂に入る。
最後のコウが入っているとき、リナリーがお茶を出してくれながら
「ご主人様。エルフ国の事ですが、少し私も探ってみようと思うのですが許可いただけますか?」
と聞いてきた。
「リナリー、知り合いでも居るの?」
と聞くと
「蛇の道は・・・と言う感じです。実際に潜入したこともあるんですよ。そっちに親を殺した奴が潜んでいるという噂があったので」
と悲しそうな顔をした。
「無理をしないようにね」
と言うと頷いた。
その日は特に何事も起こらず夜が明けた。
エヴァとベスパの商人ギルドはエルフの国の調査を行うこととし、ハジメはコウとリナリーに話をし注意を喚起し、暫く落ち着くまでは一緒の部屋で寝ることとした。ウォールは何かあればいつでも役場で匿えるよう手続きを取ってくれた。24時間営業の役場であるから可能な処置であった。また昼間であると元冒険者であるアーヴィンとアベルのドワーフコンビが目を光らせてくれるよう商人ギルドから話をしてくれることとなった。ある程度の強さなら撃退することが出来るとエヴァは言った。彼らは冒険者としても一流であったとのことで武器と防具、広い場所があればワイバーンにも負けない実力があることをハジメはその時に知った。
日用品や調剤に必要な物品の購入は商人ギルドが昼に御用聞きに来てくれることになり、荷馬車で運んでくれることになった。ハジメは町役場から扉を開けて外に出ると、少し曇天の空を見ながら
「また暫く冒険者ギルドの依頼は受けられないなぁ。今までもそんなに受けてはないけど」
と呟くと家路を急いで歩いて行った。
家に帰るとコウとリナリーが待ち構えていた。ハジメが家に帰ると駆け寄ってきた。
「ご主人様大丈夫でしたか?お怪我などはありませんか?」
コウがハジメの体を触りながら心配をしてくれていた。リナリーもお茶を入れてくれながらハジメの体を確認していて、何もないと確認出来たとき安堵の表情になっていた。2人にこんなに心配されて本当に幸せだと思った。
ハジメは2人に今日の出来事を話し、暫く一緒の部屋で寝て欲しいことを伝えると
「「勿論です」」
と答えた。2人はハジメの部屋にベッドを運び込び、武器も枕元におけるようにした。ハジメを真ん中にして窓際にリナリーが、廊下側にコウが位置することになった。
「面倒なことになってごめんな」
と2人に言うと
「それだけご主人様が凄いってことです。私は鼻が高いです」
とコウは話し、笑顔を見せた。暫く夜の準備をしていると、下からリナリーの声がした。
「ご主人様。アーヴィンさんとアベルさんが来られています」
ハジメはコウに片付けを頼み、1階へ降りて行った。
「よう、ハジメ。商人ギルドのエヴァから話は聞いたぜ。今は2人とも大きな依頼がないから昼間は俺かアベルがここでまったりさせてもらうようにするからな。公認されたさぼりって訳だ。しかも給金もでるんだぜ」
と言いアーヴィンは笑った。
「しっかり守ってやりなよ。お得意様なんだから」
とアーヴィンの妻のシラトが旦那の頭を小突いて笑った。
「大変な事になったねぇ。いつでも頼ってくれていいんだからね。頑張り過ぎないようにしないとね。コウちゃんやリナリーちゃんに心配かけ過ぎないように」
とシラトはハジメを抱きしめて言ってくれた。
「・・・ありがとうございます・・・」
とハジメはそう言うのが精一杯だった。そんな少し感動的な場面の時、店の扉が開き、アーヴィンの弟子たちがテーブルと椅子を持って入ってきた。
「こんにちはハジメさん。親方が昼間こちらにお邪魔することになったって聞いたんでテーブルセットお持ちしました。ここに座らせておいてください」
とどっしりとした頑丈そうな作りの4人掛けのテーブルと椅子のセットが店の右隅に置かれた。そこに皆で座るとリナリーがお茶と茶菓子を持ってきてそれぞれ3人の前に置かれた。
鍛冶師のアベルはお茶をすすると
「俺はもう少し依頼があるから今日はこれで帰るぜ。明日は俺が来るからな。その時ハジメの注文したもの一式を持ってくるからな」
と一気にお茶をのみ茶菓子を1口で食べ、
「また明日な」
と言い帰って行った。
「相変わらず豪快ですねぇ。だから強いのかなぁ」
とハジメは思わず呟いていた。
「まぁ、鍛冶屋にとって魔物は材料だからねぇ、強くなるのはいいことさ。家具屋もワイバーンの革なんて引っ張りだこの素材だからねー。依頼すると家具代に上乗せになるし自分で狩ったほうが早いっていうのもあるんだよ」
とアーヴィンの妻のシラトが言う。それでワイバーンを狩るのかのは人としてどうかと思うのだけど・・・。
その日はアーヴィンとシラトが残り、ハジメはシラトにコウとリナリー、自分の新しい服2着ずつ欲しいことを伝えると喜んで引き受けてくれた。それぞれの採寸を済ませるとメモ用紙に書留めていた。それが終わると夕飯の時間になっていたので、呼びに来た弟子の2人も一緒に皆で食べることにした。シラトはコウとリナリーを台所で手伝ってくれている。ハジメは酒がないことに気づいたが、アーヴィンは家にある酒を弟子たちに持ってこさせるからと言って弟子たちが取りに帰った。
その日の夕食はとても賑やかだった。沢山笑ったし食べた。アーヴィンは少し酔っていたが、シラトに引っ張られて帰って行った。リナリーとコウが後片付けをしている間にお風呂を沸かし、ハジメは風呂に入り、続いてリナリー、コウの順番で風呂に入る。
最後のコウが入っているとき、リナリーがお茶を出してくれながら
「ご主人様。エルフ国の事ですが、少し私も探ってみようと思うのですが許可いただけますか?」
と聞いてきた。
「リナリー、知り合いでも居るの?」
と聞くと
「蛇の道は・・・と言う感じです。実際に潜入したこともあるんですよ。そっちに親を殺した奴が潜んでいるという噂があったので」
と悲しそうな顔をした。
「無理をしないようにね」
と言うと頷いた。
その日は特に何事も起こらず夜が明けた。
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