上 下
3 / 8
春の章

第2話 夫婦の寝室

しおりを挟む
その日の夜。夕食の後片付けが終わったキッチンとダイニングテーブル。明かりが落とされたリビング。

寝室には読書灯だけが輝いていた。静かな金曜日の夜。

「ねぇ、あなた・・・今日は・・しないの・・・?」

ベッドの中で夫の手を両手で握って甘えてみる。

「ん?珍しいね。真理子から誘うなんて。」

「そうじゃないけどぉ・・・。」

「違うの?」

「違わないけどぉ・・・。」

くねくねしてみせてパジャマ越しに胸を夫の腕に押し付けた。

「わかったよ。」

夫が真理子を抱き寄せた。ぎゅっと抱きしめてキスをする。

「んっ・・・。」

気持ちいい。もっと欲しい・・・。真理子のメスの部分が目を醒ましはじめる。

「ベロ出して。」

んぁー

びちゅ、ぶちゅうぅ

夫が真理子の舌先を吸う。

(あぁ、もっとしてぇ。)

ディープキスを続けながら夫は真理子の胸に手を置いた。パジャマ越しに真理子の胸を揉みしだく夫の手。快感がゆっくりこみ上げる。乳房がセックスモードになると、乳首に触れてほしくなる。

(もっと、もっと・・・)

興奮した息遣いでパジャマのボタンを外し、真理子のナイトブラをずり下げる夫。真理子の美しいDカップが露わになった。乳首の大きさといい、乳輪の大きさといい、美しいバストが晒された。

「きれいだよ」

カップがずり下げられたDカップはまるで乱暴されている女性のようで、夫を興奮させた。乳首を含み吸い、下で転がす。

「ぁ、ああっ」

「真理子っ!真理子っ!」

妻の名前を呼びながら夫は真理子のバストにむしゃぶりつく。胸の快感に浸りつつも、真理子には小さな欲望が芽生えていた。

(触りたい・・・。お口に含みたい・・・。)

しかし結婚以来、自分から触りに行ったことなどない。淫乱な女だと思われたくない。そうやって今まで小さな欲望を抑えてきた。しかし、昨夜のこともあり、今夜の真理子は少し違った。そっと気づかれないように腕を動かす。自分に覆いかぶさっている夫との隙間に。そしてパジャマ越しに夫の股間に触れてみる。彼は驚いたようだったが、何の抵抗もなかった。何か言ってほしかったが、真理子はそのまま夫のパジャマのズボンを下した。

夫のボクサーパンツが大きくなった男性器を隠している。グレーの下着越しに、夫の男性そのものを白い手のひらでさすってみた。びくびくしている。かわいい。もっと触っていたかったのに、ボクサーを脱いで仁王立ちになる夫。跪く真理子。勃起したあれをゆっくり口に含む。この味。夫の味。真理子の中のメスが完全に目を醒ました。

「んぐっ、んぐっ、ぐん、んっ、っん・・・」

美しいロングヘアを乱しながら、男性そのものを口に含み、欲望を満たしてゆく。

(もっとお口いっぱいに欲しい・・・。)

舌で裏筋を擦りながらのフェラチオ。唇でカリを刺激するフェラチオ。真理子は昼間の清純そうな奥様とは打って変わって、お口で男に奉仕する情婦のような目をしてなめ続けた。

「出ちゃうよ。」

「え?」

もっと舐めたいのに・・・。強制的にストップさせられ、仰向けにさせられている間も真理子の眉は少し歪んでいた。かわいい下着を身に着けているのに、夫は興味が無い様だった。おろしたての紐パンを乱暴に脱がせると、真理子の足を広げた。

「いやぁ・・。」

真理子が小さくそういうと、夫の指が真理子の女性を開いた。小陰唇を広げられているのがわかる。

「見ないで。」

真理子の甘い訴えは夫の耳には届かず、濡れた唇は夫の指に蹂躙された。

「あっ、あ、ああぁっ」

「ここだろ?真理子?」

「そ、そこぉ。」

夫の指が真理子の女性の核を責め立てる。指の腹がクリトリスを擦り上げる。

「い、いぃぃぃっ」

刺すような快感が真理子の脳天に押し寄せる。

(もっと、もっとして!気持ち・・・イイィ・・)

夫の中指が膣口をなぞり始めた。

(あぁ、入ってきちゃう・・)

ゆっくりと夫の指が真理子の女性器に侵入してゆく。

「あぁぁぁぁ」

夫の指はいつもGスポットを探ってから愛撫を強くする。

(あぁ、探られてる・・感じるところを、探られている・・・)

「んん、くっ、あぁ・・・」

「気持ちいい?」

「はぁ、はぁ、う、うん」

真理子の声が上ずっている。心ではもっとしてを連呼する真理子。夫の腕をつかんで感じていることを伝えたい真理子。気持ちいい、だけど、もっと・・・!

「入れていい?」

「え!?」

驚いて頭を上げると、いつの間にか夫はコンドームをつけていた。

「う、うん。」

消化不良な感じは否めないまま、真理子は足を広げた。夫は股間を近づけると、自分の男性器で真理子の濡れた割れ目にこすりつけた。

「ひうっ」

予告のない刺激に声が出た。そんなことお構いなしに、夫の男性器が真理子の女性器に埋もれていく。

「・・!!・・あ・・っあ・・!!」

声にならない快感が真理子を貫く。あぁ、これが欲しかったの!大きな声で言えたらどんなに嬉しいだろう。
挿入したとたん、すぐにピストンが始まる。本当はもっとゆっくりから始めてほしいのに、男はできる限り速くピストンしようとする。

「・・く、・・ぁ・・・」

真理子の中に快感が広がり、そして溜まってゆく。これが零れてしまう時が絶頂である。夫の男性自身が真理子の奥に一瞬届きそうになった時、真理子のメスの部分が、真理子に声を出す許可を出した。

「あ、あなた!気持ちいい!気持ちいいのぉ!」

「もっと、して、ねぇ、もっと奥までぇ・・」

「そこそこ! そこがいいの! あぁ、あなたぁ!」

「気持ちいいぃ、あなたぁ、愛してる?私のこと、愛してるぅ??」

「わ、私もよぉ、そこ、もっとして!」

「あぁぁぁ、イイ、あなたぁ」

このままならイケる。真理子は歓喜した。これが続けば今日はイケそうだ。だからそれを続けて!真理子は心の中で懇願した。しかし、夫の様子がおかしい。

「イクよ?」

(えっ?もうちょっと頑張って!)

「ああ、イク、イク!」

(あなた待って!)

「んんんっ!んあ、あああ!」

(ああ、イってるぅ。止めないで、もうちょっとでイキそうだから!)

「はぁはぁ・・・・・。ふぅ・・・、真理子、イケた?」

「う・・うん。」

真理子は今夜も嘘をついた。いや、夫が真理子に嘘をつかせたといったほうがいいだろう。動けない真理子とは対照的に、夫はシャワーを浴びに行った。真理子はこんな状態で放っておかれてしまったことに、目一杯の切なさを全身で感じていた。そんな時、真理子に何かのアプリの通知が来た。ベッドの隣のローテーブルには二人のスマホが置いてあったのだ。

(マッチングキャンペーン ご近所さんと秘密の交際)

真理子の眼の色が変わったのは、薄暗い部屋で画面の光を浴びていたからだけでは無かったようだ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

王子に転生したので悪役令嬢と正統派ヒロインと共に無双する

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:177pt お気に入り:276

【完結】捨てられ正妃は思い出す。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,116pt お気に入り:5,592

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,804pt お気に入り:1,161

転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:9,536pt お気に入り:7,501

【完結】契約妻の小さな復讐

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,498pt お気に入り:5,874

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:31,781pt お気に入り:35,205

婚約破棄した姉の代わりに俺が王子に嫁ぐわけですか?

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:78pt お気に入り:175

メイドから母になりました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:525pt お気に入り:5,892

処理中です...