4 / 17
契約のリング
しおりを挟む
「双夜様が?何で!?」
「だって紗那ってあの子だろ……」
「静粛にっ。二人は早く前に出てきなさい」
出来るだけ平然を保って歩き出す。先生の前に並んだところで、ちらりと相手の顔を見た。
この子が星宮紗那、かあ。
「これが契約のリングです」
「ありがとうございます」
「…ありがとうございます」
契約の後に渡されるこの契約のリングは卒業までの契約の印で、世界でたった一つのもの。このリングには魔力を強くする力があり、また契約を交わした相手と交換すると相手の位置や状況、言えば体力やけがの具合まで分かってしまう。一時的に相手の魔法を使うことだって出来るこのリングは、魔法学院きっての最大の魔法アイテムであった。交換するかどうかは本人たち次第であり、それが今後の試験に大きく影響する。
席に戻ると雷羅がニヤニヤしながら俺を見ている。
「面白いことになりそうだな」
「……そっちこそ」
そう言うと雷羅は「まあ」と言って芽衣を見た。
「これでもさあいつのことは分かってるつもりだし、魔法の相性も合うからね。同じ天候の使い手である以上、何が出来て何が出来ないかも把握済み。まあ、いいパートナーだと思うんだよね。さすが契約魔法だよ」
そう言えば星宮紗那は何の魔法を使うのだろう。ふと貰ったリングを見てみると、さっきまでのリングの形はどこにもなく、紫の光の粒がリング状になっている。雷羅のリングを見ると、透明で……あれは水か?
そういうことか。このリングは持ち主の魔法、魔力に合わせて形を変えるのか。
「これで全パートナーの契約式を終了する。初めの試験は二週間後の昼に行う。各自退散」
◇◇◇
部屋に戻ってリングを眺める。
俺だけの魔法のリングかぁ。これがあればもう少し簡単に合格出来るだろう。
「でも、なぁ」
問題は星宮紗那のほうだ。星宮さんの分もカバーしてやるか。
契約式後、何人ものお嬢様方に囲まれて質問攻めにあった。
どうして紗那さんなのですの?ってこっちが聞きたいわっ!
大魔法使い家系でこの月の国ではおそらく、じいちゃん、父さんのあとを継ぐくらいの影の使い手であるはず俺が星宮紗那とパートナーであるとなれば俺の力が疑われる。契約魔法は真実により決めるのだから。
まさか俺は思っていた以上に出来ない子なのか……。まだまだ修行が足りてないのかもしれない。
でも決まったことはしょうがない。
俺が何とかしなければ。
「だって紗那ってあの子だろ……」
「静粛にっ。二人は早く前に出てきなさい」
出来るだけ平然を保って歩き出す。先生の前に並んだところで、ちらりと相手の顔を見た。
この子が星宮紗那、かあ。
「これが契約のリングです」
「ありがとうございます」
「…ありがとうございます」
契約の後に渡されるこの契約のリングは卒業までの契約の印で、世界でたった一つのもの。このリングには魔力を強くする力があり、また契約を交わした相手と交換すると相手の位置や状況、言えば体力やけがの具合まで分かってしまう。一時的に相手の魔法を使うことだって出来るこのリングは、魔法学院きっての最大の魔法アイテムであった。交換するかどうかは本人たち次第であり、それが今後の試験に大きく影響する。
席に戻ると雷羅がニヤニヤしながら俺を見ている。
「面白いことになりそうだな」
「……そっちこそ」
そう言うと雷羅は「まあ」と言って芽衣を見た。
「これでもさあいつのことは分かってるつもりだし、魔法の相性も合うからね。同じ天候の使い手である以上、何が出来て何が出来ないかも把握済み。まあ、いいパートナーだと思うんだよね。さすが契約魔法だよ」
そう言えば星宮紗那は何の魔法を使うのだろう。ふと貰ったリングを見てみると、さっきまでのリングの形はどこにもなく、紫の光の粒がリング状になっている。雷羅のリングを見ると、透明で……あれは水か?
そういうことか。このリングは持ち主の魔法、魔力に合わせて形を変えるのか。
「これで全パートナーの契約式を終了する。初めの試験は二週間後の昼に行う。各自退散」
◇◇◇
部屋に戻ってリングを眺める。
俺だけの魔法のリングかぁ。これがあればもう少し簡単に合格出来るだろう。
「でも、なぁ」
問題は星宮紗那のほうだ。星宮さんの分もカバーしてやるか。
契約式後、何人ものお嬢様方に囲まれて質問攻めにあった。
どうして紗那さんなのですの?ってこっちが聞きたいわっ!
大魔法使い家系でこの月の国ではおそらく、じいちゃん、父さんのあとを継ぐくらいの影の使い手であるはず俺が星宮紗那とパートナーであるとなれば俺の力が疑われる。契約魔法は真実により決めるのだから。
まさか俺は思っていた以上に出来ない子なのか……。まだまだ修行が足りてないのかもしれない。
でも決まったことはしょうがない。
俺が何とかしなければ。
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
【完結】ルースの祈り ~笑顔も涙もすべて~
ねるねわかば
恋愛
悪路に閉ざされた貧しい辺境ルースライン領。
兄を支えたい子爵令嬢リゼは、視察に来た調査官のずさんな仕事に思わず異議を唱える。
異議を唱えた相手は、侯爵家の子息で冷静沈着な官吏ギルベルト。
最悪の出会いだった二人だが、領の問題に向き合う中で互いの誠実さを知り、次第に理解し合っていく。
やがてリゼが王都で働き始めたことを機に距離を縮める二人。しかし立ちはだかるのは身分差と政略結婚という現実。自分では彼の未来を縛れないと、リゼは想いを押し込めようとする。
そんな中、故郷の川で拾われる“名もなき石”が思わぬ縁を呼び、リゼの選択と領の未来を動かしていく――。
想いと責務の狭間で揺れる青年と、自分を後回しにしがちな少女。
すれ違いと葛藤の先で、二人は互いを選び取れるのか。
辺境令嬢の小さな勇気が恋と運命を変えていく。
※作中の仕事や災害、病、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。
※8万字前後になる予定です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる