【R18】万聖節前夜~悪魔が人間の男の子を拾ったと思ったら、実は天使でした

てへぺろ

文字の大きさ
2 / 17

02.ルカの拾いもの

しおりを挟む
「一年ぶりのハロウィン~!いぇい!」

 赤みがかかったまんまるな満月を背景に、ぱたぱたとコウモリのような羽根でのんびり飛びながらルカは深呼吸する。片手には大きな茶色い紙袋。

「天使に出会う心配もないし、いっぱいお菓子ももらえるし、ハロウィンだーいすき!」

 ちらっと茶色い紙袋の中を見てはうきうきと細長く、三角に尖った尻尾を左右にピコピコ動かす。

 上機嫌でパタついていたルカは、ふと手前の茂みに奇妙なものを見つけた。白くて、なんだか細長くて、まるで人型のような。

 興味をそそられて、すいっと茂みに近づいてみる。

「む!肌色!?って、裸の男の子!?」

 きゃーとばかりに、両手で顔を覆いつつ、指の隙間からしっかり見る。

「おとこのこだ、にんげんだ、めのやりばがない」

 おそるおそる近づいて、様子を伺う。
 細かい擦り傷だらけだけど、死んでいるわけではなさそう。ルカの声に反応しないところをみると、気を失っているのだろう。

 彼の意識が無いことに強気になったルカは、顔を覆うのをやめてまじまじと男の子を見る。

 年の頃は十代半ばくらいだろうか。見た目の年齢は、ルカとあまり変わらないようにみえる。
 月光に照らされた男の子は、今までルカが見てきた誰よりも綺麗で、そしてルカの好みドストライクだった。身体つきもまるで彫刻がそのまま生身の人間になったようだ。
 しかも、魂の美しさがまたすごい。
 こんなに輝きを放つ魂をもつ人間がいるなんて。

 ただ見ているだけなのに、心臓は早鐘をうち、顔が熱くて仕方ない。

「おおおおともだちになりたい。どうすれば」

 ルカは男の子から視線を逸らさず、しかし落ち着き無くうろうろする。尻尾が所在なげにゆらゆら揺れた。

「こういうときこそ、悪魔学校で学んだことを活かすときね!?」

 ぽんっと手をうち、ばさりと羽根をはためかせる。名案だ。
 ルカは懐から手のひらほどの大きさの、黒く分厚い本をとりだす。本はだいぶ年季が入っていて、ところどころ色が薄い。悪魔学校の教本である。
 慣れた手つきでぺらぺらめくりながら、文字を追う。

「えっと、人間とともだちになる方法は、と。なるほど、恩を売るのね!助けて介抱して、いい感じになれば、おともだちになれるはず!悪魔なんだからやれる、やれる」

 最後は、自分自身を鼓舞するように言い聞かせるのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

【完結】異世界転移した私、なぜか全員に溺愛されています!?

きゅちゃん
恋愛
残業続きのOL・佐藤美月(22歳)が突然異世界アルカディア王国に転移。彼女が持つ稀少な「癒しの魔力」により「聖女」として迎えられる。優しく知的な宮廷魔術師アルト、粗野だが誠実な護衛騎士カイル、クールな王子レオン、最初は敵視する女騎士エリアらが、美月の純粋さと癒しの力に次々と心を奪われていく。王国の危機を救いながら、美月は想像を絶する溺愛を受けることに。果たして美月は元の世界に帰るのか、それとも新たな愛を見つけるのか――。

処理中です...