異世界ハードモード!〜持ってるチートスキルが使えなくても強くなれる剣士として努力を続けようと思います!〜

ちょっと黒い筆箱

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第6章 灰の反逆

第102話 勝利の揺らぎ②

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「――――マツル? どうした。ほんの一瞬意識が無かったように見えるぞ」

 瞬きをすると、元の惨劇広がる世界に戻って来ていた。
 横で不思議そうに俺の顔を見つめるレオノラが立っている。目の前に現代アートのオブジェクトになったニシュラブが光線を放ち、世界を崩している。良かった(いや良くはないんだけど)まだ大丈夫なようだ。

「レオノラ! あの化け物の殺し方が分かった!」

「何!? それは本当か!?」

「ああ。一言で言うなら、あの神サマは俺達にビビってる。だからその内に殺す!」

「なるほど。心のバランスが崩れている状態だと俺の攻撃は通るのか......つまりあの一撃は不意をついた事に加えて俺とマツルの記憶を改竄し勝ちを確信したことによる平常心の欠如から当たった。こういう事だな?」

 一言で済ませた事を完璧な解釈しちゃったよ!

「そういう事!――それでお兄ちゃん? 俺に相談があるんだが......」

「? なんだ?」

「俺達、“連携”して“共闘”しないか?」

「ふっ......俺もちょうど、そう言おうと思っていた所だ!」

 レオノラが魔力を全開にして戦闘態勢を取る。

 俺も大きな深呼吸を繰り返し、“切り札”を使う。

「ホノラの次に頼もしい相棒だな! ハァァァァアッ!!【闘気変換】!!!!」

 全身に力が沸きあがる......これならいける!!

 ニシュラブが俺達の方を向いた気がする。顔がどこか分かんないけどビビってるのは分かる!

「!? なんだこの異常なオーラの高まりは!? マツルの紅い謎のオーラ.......レオノラの放出した金の魔力......人間の癖にどちらのオーラも魔王に匹敵するだと!? 貴様等、何をしたんだ!?」

「本気を出したんだよ......勝ち方が分かってから本気を出すのは普通の事だろ......?」

「完全な世界の再構築まで残された時間はあと僅か。あまり悠長にやるなよ?」

「わぁーってるよ......ここからは俺達二人で、圧倒的にブチ勝つ!!」
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