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第6章 灰の反逆
第101話 勝利の揺らぎ①
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『マツル君、勝てる。勝てるわよ!』
瞬きをするとそこに崩れかけの世界は無く、代わりにいつもの真っ白で何も無い世界が広がっていた。
ここは......俺の精神世界だよな......?
「――――って! なんで今コッチに来てんだ!? 俺が気を失ったりしてないと向こうの俺の肉体はどうなってるんだ!? まさかこの隙の間に攻撃をくらって死――」
「落ち着きなさいな! ゆっくり話をしようと思って意識だけこっちに飛んで貰ってるだけだから!」
「だからそれが大問題なんだってナマコ神様!」
「大丈夫なの! こっちの世界は言うなればセーブデータが違う様な物! この世界での時間の流れは現実時間の一億分の一位なの!」
そういう物なのか......? あれ? よく見るとナマコ神様腕が生えた......?
いや、今そこはどうでもいいか。
「――それでナマコ神様、あのニシュラブを倒す方法が見つかったって!?」
「そう。彼は闇の欠片を取り込んでほぼ完全な”魔神“になった。でも完全じゃないの。確かに世界の再構築とか人間の記憶改竄とか能力的にはモノホンの創世神と遜色は無いけどまだ完全じゃない」
あれでまだ完全じゃないのかよ......とんでもないな。
「――この世界で神が神足り得る理由はただ一つ。心......精神の圧倒的な強度なのよ。どれだけ圧倒的な力を持っていても心に揺らぎがあれば負けてしまう。だから――――」
「だから一瞬俺とレオノラの攻撃は通ったって訳か......」
「その通りだよ。ニシュラブは君達二人を恐れている。だから心に揺らぎが生じ、本来なら完全に無効化出来るような攻撃も当たってしまう」
ナマコ神様やけに詳しいな......まぁありがたすぎる情報だからいいんだけど。
「ざっくり言うなら『ニシュラブが俺達二人に怖気付いている間に殺せ』って事だよな?」
「そう!......あたしはここから君の戦う様を見ている事しか出来ないけど、君に死なれちゃ困るからね。頑張って来なさい!」
「おう! いつもありがとうな! ナマコ神様!」
俺の意識は肉体へと戻された。
――――
「......あんたも隠れて無いで出てくれば良かったでしょ? あんなに会いたい会いたい言ってたのに......」
「んっ......んうっ......!」
「首を横に振るだけじゃ分かんないでしょ? ちゃんと言葉で伝えなさいよ」
「私...マツル...会えない......てき...まだ弱い......マツル...まだ弱い......マツル...私...使う...だめ......」
「人の事言えないけど、あんたも中々の変人ね。第一、初めてあたしと会った時そんなじゃなかったでしょ!?」
「う......」
「あんたせっかく可愛い顔してるんだから、もっとシャキッとしときなさい! 次マツルが来る時......彼がもっとピンチになった時はちゃんとあんたの使い方を教えてあげる事! わかった?」
「うん......」
「よろしい!」
瞬きをするとそこに崩れかけの世界は無く、代わりにいつもの真っ白で何も無い世界が広がっていた。
ここは......俺の精神世界だよな......?
「――――って! なんで今コッチに来てんだ!? 俺が気を失ったりしてないと向こうの俺の肉体はどうなってるんだ!? まさかこの隙の間に攻撃をくらって死――」
「落ち着きなさいな! ゆっくり話をしようと思って意識だけこっちに飛んで貰ってるだけだから!」
「だからそれが大問題なんだってナマコ神様!」
「大丈夫なの! こっちの世界は言うなればセーブデータが違う様な物! この世界での時間の流れは現実時間の一億分の一位なの!」
そういう物なのか......? あれ? よく見るとナマコ神様腕が生えた......?
いや、今そこはどうでもいいか。
「――それでナマコ神様、あのニシュラブを倒す方法が見つかったって!?」
「そう。彼は闇の欠片を取り込んでほぼ完全な”魔神“になった。でも完全じゃないの。確かに世界の再構築とか人間の記憶改竄とか能力的にはモノホンの創世神と遜色は無いけどまだ完全じゃない」
あれでまだ完全じゃないのかよ......とんでもないな。
「――この世界で神が神足り得る理由はただ一つ。心......精神の圧倒的な強度なのよ。どれだけ圧倒的な力を持っていても心に揺らぎがあれば負けてしまう。だから――――」
「だから一瞬俺とレオノラの攻撃は通ったって訳か......」
「その通りだよ。ニシュラブは君達二人を恐れている。だから心に揺らぎが生じ、本来なら完全に無効化出来るような攻撃も当たってしまう」
ナマコ神様やけに詳しいな......まぁありがたすぎる情報だからいいんだけど。
「ざっくり言うなら『ニシュラブが俺達二人に怖気付いている間に殺せ』って事だよな?」
「そう!......あたしはここから君の戦う様を見ている事しか出来ないけど、君に死なれちゃ困るからね。頑張って来なさい!」
「おう! いつもありがとうな! ナマコ神様!」
俺の意識は肉体へと戻された。
――――
「......あんたも隠れて無いで出てくれば良かったでしょ? あんなに会いたい会いたい言ってたのに......」
「んっ......んうっ......!」
「首を横に振るだけじゃ分かんないでしょ? ちゃんと言葉で伝えなさいよ」
「私...マツル...会えない......てき...まだ弱い......マツル...まだ弱い......マツル...私...使う...だめ......」
「人の事言えないけど、あんたも中々の変人ね。第一、初めてあたしと会った時そんなじゃなかったでしょ!?」
「う......」
「あんたせっかく可愛い顔してるんだから、もっとシャキッとしときなさい! 次マツルが来る時......彼がもっとピンチになった時はちゃんとあんたの使い方を教えてあげる事! わかった?」
「うん......」
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