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第124話 海賊王は嗤う
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炎が消える。
派手に燃えた腕は炭となって、煙と香ばしい匂いを吐き出しながら床にくたりと横たわった。
復活は──しなかった。
そうか、火だ! 燃やして炭にしてしまえば、蘇らない!
僕は叫んだ。
「イオン、火だ! そいつらを燃やせ!」
「は、はい!」
「……ちっ!」
海賊王が舌打ちをするのが聞こえた。
それは、僕の考えが正しいということの何よりの証明であった。
僕の言葉を聞いたブランとナナイが、互いに顔を見合わせて頷く。
「そういうことなら──」
「援護するよ、イオンちゃん!」
イオンに拳銃の銃口を向けた海賊王の上半身に、ナナイが剣を突き立てる。
剣先が拳銃を弾き、海賊王の手から離れる。
そこに、ブランが渾身の一撃を見舞う!
海賊王の腕は切り飛ばされて、海賊王の上半身の斜め後ろに落ちた。
「ファイアウォール!」
イオンの声に応えて、海賊王の上半身を中心に、床に茜色の魔法陣が出現する。
慌てて海賊王の傍から飛び退くブランとナナイ。
魔法陣は灼熱の業火を生み、海賊王の体をまとめて飲み込んだ!
業火は一分ほど燃え続け、消えた。
後に残っているのは、完全に炭と化した海賊王の下半身と右腕。そして僅かに焼け残ってはいるがほぼ炭になったと言っても過言ではない上半身。
海賊王は仰向けにひっくり返った格好で天を仰ぎながら、焼け焦げた唇を開いた。
「まさか……破られるのか……我の秘術が」
海賊王を油断なく見つめる僕たち。
海賊王は肩を上下させた。
「しかし……ただでは我は滅びん。我が残した最後の術を、受け取るが良かろう……」
……最後の術?
それは、どういう──
訝る僕の目の前で。
それまで気丈に振る舞っていたナナイが、急に膝をついた。
「!?」
「……せいぜい楽しむが良い……」
海賊王は深く息を吐き。
それきり、何も言わなくなった。
「……ナナイ、どうした──」
「…………」
皆がナナイの元に集まる中。
ナナイは静かに左肩に手をやって、服の袖を掴むと、一気にそれを引きちぎった。
海賊王の触手に貫かれた傷と、腕が露わになる。
その傷は真っ黒に変色しており、周囲の皮膚は緑色のぶよぶよとしたものに変わっていた。
そう。まるでそれは、触手のような──
「……さっき攻撃を食らった時に、おかしな術を貰ったみたいだね……迂闊だったよ」
言って、ナナイはうっと顔を顰めた。
彼女の背を覆っていた鎧の部品が、マントと共に弾け飛ぶ。
その下から出てきたのは、緑色の触手だった。
「!」
「……シルカちゃん」
背中の触手を蠢かせながら、ナナイは静かな声を僕を呼んだ。
「ナナイは……多分、あの怪物と同じになる。そうなるまで、もう時間がない」
「…………」
手にした剣を僕へと差し出す。
力なく笑って、彼女は言った。
「そうなる前に……シルカちゃんの手で、ナナイを殺して」
派手に燃えた腕は炭となって、煙と香ばしい匂いを吐き出しながら床にくたりと横たわった。
復活は──しなかった。
そうか、火だ! 燃やして炭にしてしまえば、蘇らない!
僕は叫んだ。
「イオン、火だ! そいつらを燃やせ!」
「は、はい!」
「……ちっ!」
海賊王が舌打ちをするのが聞こえた。
それは、僕の考えが正しいということの何よりの証明であった。
僕の言葉を聞いたブランとナナイが、互いに顔を見合わせて頷く。
「そういうことなら──」
「援護するよ、イオンちゃん!」
イオンに拳銃の銃口を向けた海賊王の上半身に、ナナイが剣を突き立てる。
剣先が拳銃を弾き、海賊王の手から離れる。
そこに、ブランが渾身の一撃を見舞う!
海賊王の腕は切り飛ばされて、海賊王の上半身の斜め後ろに落ちた。
「ファイアウォール!」
イオンの声に応えて、海賊王の上半身を中心に、床に茜色の魔法陣が出現する。
慌てて海賊王の傍から飛び退くブランとナナイ。
魔法陣は灼熱の業火を生み、海賊王の体をまとめて飲み込んだ!
業火は一分ほど燃え続け、消えた。
後に残っているのは、完全に炭と化した海賊王の下半身と右腕。そして僅かに焼け残ってはいるがほぼ炭になったと言っても過言ではない上半身。
海賊王は仰向けにひっくり返った格好で天を仰ぎながら、焼け焦げた唇を開いた。
「まさか……破られるのか……我の秘術が」
海賊王を油断なく見つめる僕たち。
海賊王は肩を上下させた。
「しかし……ただでは我は滅びん。我が残した最後の術を、受け取るが良かろう……」
……最後の術?
それは、どういう──
訝る僕の目の前で。
それまで気丈に振る舞っていたナナイが、急に膝をついた。
「!?」
「……せいぜい楽しむが良い……」
海賊王は深く息を吐き。
それきり、何も言わなくなった。
「……ナナイ、どうした──」
「…………」
皆がナナイの元に集まる中。
ナナイは静かに左肩に手をやって、服の袖を掴むと、一気にそれを引きちぎった。
海賊王の触手に貫かれた傷と、腕が露わになる。
その傷は真っ黒に変色しており、周囲の皮膚は緑色のぶよぶよとしたものに変わっていた。
そう。まるでそれは、触手のような──
「……さっき攻撃を食らった時に、おかしな術を貰ったみたいだね……迂闊だったよ」
言って、ナナイはうっと顔を顰めた。
彼女の背を覆っていた鎧の部品が、マントと共に弾け飛ぶ。
その下から出てきたのは、緑色の触手だった。
「!」
「……シルカちゃん」
背中の触手を蠢かせながら、ナナイは静かな声を僕を呼んだ。
「ナナイは……多分、あの怪物と同じになる。そうなるまで、もう時間がない」
「…………」
手にした剣を僕へと差し出す。
力なく笑って、彼女は言った。
「そうなる前に……シルカちゃんの手で、ナナイを殺して」
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