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第148話 遺跡を目指す旅
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入口が封印されている遺跡──ゼルニウス遺跡は、アメミヤから馬車で南に三日ほど行った場所にあるクチョクという町から徒歩で一日程度東に行ったところにあるという。
それを馬車に乗る直前に聞かされた僕は、そんなに大量の食糧なんて用意してないとクレハに訴えた。
せいぜい一日とか、その程度の移動距離だと思ってたんだよ。
僕が準備不足だったんじゃない。クレハがきちんと前情報として教えてくれなかったのが悪いんだ。
クレハは笑いながら、食糧なら自分の分を分けるからと言った。
全く……先行き不安だ。
僕たちを乗せた馬車は、一路クチョクの町を目指してアメミヤを発った。
移動中は、クレハと色々な話をした。彼らが天空神殿を追いかけるきっかけになった話や、彼らの普段の生活についてなど。
彼らが天空神殿を追いかけるようになったのは、ある街で旅の吟遊詩人が歌っていた天空神殿にまつわる歌を聞いて興味を抱いたのがきっかけらしい。
冒険者が冒険を始める理由なんてそんなもんだ、とクレハは笑っていた。
それを聞きながら、僕は自分が冒険者になったきっかけって何だったっけ、とふと思った。
確か何か人生の転機になるようなことがあったのがきっかけだったと思うのだが、いかんせん十年前のことだからか、ちゃんとした記憶は残っていない。
まあ、僕の過去の話なんてそんなに面白いものでもないから、今更聞きたい奴なんていないだろうけどね。
僕が話したのは、冒険者を引退してからの話が主だった。冒険者を引退したきっかけについては話さなかったが、錬金術で作った商品を売って暮らしてきたことや、最近は錬金術師の弟子の面倒を見ていることなんかを話した。
僕の話を、クレハは楽しそうに聞いていた。始終にこにこしながら「へぇ」とか「そうなん?」とか相槌を打っていた。
キクの話にもなった。
何でもキクは最近冒険者になったらしく、故郷を出てまだ間もないらしい。たまたま里帰りをしていたクレハを追いかけるように故郷を飛び出して、そのまま魔術師になったのだそうだ。
魔術師としての腕前は、何とか魔物を相手に物怖じしないで魔術を唱えられる程度。使える魔術は基礎的なものが多く、現在は魔術の腕を磨くために修行をしているらしい。
まだまだシルカの足下には及ばんよ、とクレハは笑っていた。
魔物に怯むことなく戦えるってだけで僕よりも凄い魔術師だと思うんだけどね、僕は。
そんな感じで会話を楽しみつつ、道中出てきた魔物をクレハとキクに蹴散らしてもらって、僕たちはひとまずの目的地であるクチョクの町に到着した。
クチョクは村に毛が生えたような、町として見るには随分と田舎っぽい発展具合の町だった。
通りを牛や馬が歩いてるし。牧歌的というか、のどかな集落だ。
町に着いた時には既に日が暮れかけていたので、その日は宿に泊まり、翌日に遺跡に向かうことになった。
長いこと馬車の揺れる座席に座っていた疲れを癒すように、僕は部屋に入りすぐに寝てしまった。
翌日。
曇った空の下、雨が降る心配をしながら僕たちは遺跡を目指して町を出発した。
現れる魔物を倒しながら、平原を歩くこと一日。
空が随分と暗くなった頃に、ようやく目的地であるゼルニウス遺跡に到着した。
遺跡の探索は翌日に持ち越しということになり、僕たちは遺跡の前で夜営をした。
焚き火を熾して、その周囲で食事を摂りながら遺跡調査の手筈についてを話し合う。
手筈といっても、特に確認し合うことはない。今まで通りに出てきた魔物を対処するのはクレハとキクの二人で、僕の担当は遺跡の仕掛けや罠を解除することだ。
遺跡の中では油断しないようにしよう、と互いに頷き合って、僕たちは眠りに就いた。
無事に何事もなく探索が終えられますように。
柔らかい草の絨毯を寝床にしながら、僕はそう願った。
それを馬車に乗る直前に聞かされた僕は、そんなに大量の食糧なんて用意してないとクレハに訴えた。
せいぜい一日とか、その程度の移動距離だと思ってたんだよ。
僕が準備不足だったんじゃない。クレハがきちんと前情報として教えてくれなかったのが悪いんだ。
クレハは笑いながら、食糧なら自分の分を分けるからと言った。
全く……先行き不安だ。
僕たちを乗せた馬車は、一路クチョクの町を目指してアメミヤを発った。
移動中は、クレハと色々な話をした。彼らが天空神殿を追いかけるきっかけになった話や、彼らの普段の生活についてなど。
彼らが天空神殿を追いかけるようになったのは、ある街で旅の吟遊詩人が歌っていた天空神殿にまつわる歌を聞いて興味を抱いたのがきっかけらしい。
冒険者が冒険を始める理由なんてそんなもんだ、とクレハは笑っていた。
それを聞きながら、僕は自分が冒険者になったきっかけって何だったっけ、とふと思った。
確か何か人生の転機になるようなことがあったのがきっかけだったと思うのだが、いかんせん十年前のことだからか、ちゃんとした記憶は残っていない。
まあ、僕の過去の話なんてそんなに面白いものでもないから、今更聞きたい奴なんていないだろうけどね。
僕が話したのは、冒険者を引退してからの話が主だった。冒険者を引退したきっかけについては話さなかったが、錬金術で作った商品を売って暮らしてきたことや、最近は錬金術師の弟子の面倒を見ていることなんかを話した。
僕の話を、クレハは楽しそうに聞いていた。始終にこにこしながら「へぇ」とか「そうなん?」とか相槌を打っていた。
キクの話にもなった。
何でもキクは最近冒険者になったらしく、故郷を出てまだ間もないらしい。たまたま里帰りをしていたクレハを追いかけるように故郷を飛び出して、そのまま魔術師になったのだそうだ。
魔術師としての腕前は、何とか魔物を相手に物怖じしないで魔術を唱えられる程度。使える魔術は基礎的なものが多く、現在は魔術の腕を磨くために修行をしているらしい。
まだまだシルカの足下には及ばんよ、とクレハは笑っていた。
魔物に怯むことなく戦えるってだけで僕よりも凄い魔術師だと思うんだけどね、僕は。
そんな感じで会話を楽しみつつ、道中出てきた魔物をクレハとキクに蹴散らしてもらって、僕たちはひとまずの目的地であるクチョクの町に到着した。
クチョクは村に毛が生えたような、町として見るには随分と田舎っぽい発展具合の町だった。
通りを牛や馬が歩いてるし。牧歌的というか、のどかな集落だ。
町に着いた時には既に日が暮れかけていたので、その日は宿に泊まり、翌日に遺跡に向かうことになった。
長いこと馬車の揺れる座席に座っていた疲れを癒すように、僕は部屋に入りすぐに寝てしまった。
翌日。
曇った空の下、雨が降る心配をしながら僕たちは遺跡を目指して町を出発した。
現れる魔物を倒しながら、平原を歩くこと一日。
空が随分と暗くなった頃に、ようやく目的地であるゼルニウス遺跡に到着した。
遺跡の探索は翌日に持ち越しということになり、僕たちは遺跡の前で夜営をした。
焚き火を熾して、その周囲で食事を摂りながら遺跡調査の手筈についてを話し合う。
手筈といっても、特に確認し合うことはない。今まで通りに出てきた魔物を対処するのはクレハとキクの二人で、僕の担当は遺跡の仕掛けや罠を解除することだ。
遺跡の中では油断しないようにしよう、と互いに頷き合って、僕たちは眠りに就いた。
無事に何事もなく探索が終えられますように。
柔らかい草の絨毯を寝床にしながら、僕はそう願った。
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