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第162話 店主、奮闘する
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破裂した魔術の光がマンイーターの胴体を深く抉る。
マンイーターは衝撃で吹き飛び、壁にぶつかった。
しかし、仕留めるまでには至らない。のろのろとした動きで体勢を直し、脚の何本かを鎌のように振り上げてこちらへと迫ってくる!
その姿の何と気持ち悪いことか。
僕は必死に首を振って叫び声を上げた。
「無理無理無理! こんなの一撃で仕留められるわけないって!」
「フレアランス」
僕の叫びを無視して冷静に魔術を撃つシャーリーンさん。
彼女が放った魔術はマンイーターの残っている胴体を撃ち抜き、床に着弾して小さな穴を空けた。
胴体を失ってばらけたマンイーターの脚がばらばらと辺りに散らばる。
それは胴体を失ってもまだ生命力が消えていないのか、先端がひくひくと痙攣するように動いていた。
うう、気持ち悪い。夢に出そうだよ。
シャーリーンさんは僕に目を向けると、言った。
「だから大丈夫だと言ったじゃないですか」
「一般人をさも当然のように戦わせるなよ! 泣くぞ!」
僕はシャーリーンさんに訴えた。
しかし彼女はしれっとした様子で僕の言葉を聞き流し、先に進もうと言ってさっさと歩き始めた。
駄目だ、この人マイペースすぎる!
僕は頭を抱えたくなるのを堪えて、マンイーターの脚を踏み越えてシャーリーンさんの後を追った。
マンイーターは遺跡のそこかしこにいた。
通路の果ての部屋にも数匹が密集していて、それを見た時は悲鳴を上げそうになったよ。
しかも、マンイーター同士に仲間意識はないのか共食いしてる奴もいたし。
あの巨体が重なってむしゃむしゃと同族を貪り食っている光景は醜悪の一言に尽きる。
さっさと視界内から排除したくて、僕は懸命に魔術を撃った。
仕留め損ねたマンイーターはシャーリーンさんが葬ってくれた。
彼女の魔術の威力は凄まじい。僕が操る魔術の何倍も威力がある。
これ、最初から彼女が攻撃した方が早く片付くんじゃないかって思えるくらいだ。
彼女自身には全然その自覚はないみたいだけど。
そんな感じでマンイーターを排除していき、部屋に設置されていた転移装置を使ってどんどん先へと進んでいった。
遺跡の探索を始めて二時間が過ぎた。
最深部にはまだ到着しない。
此処に来るまでに一体何十匹のマンイーターを倒したんだか、多すぎて数える気にもならなかった。
「もうすぐです」
シャーリーンさんは前を見据えたまま言う。
彼女はこの遺跡の内部事情にやたらと詳しいが、その情報は一体何処で仕入れたのだろう。
まあ、詳しいのは悪いことじゃないし、迷うよりはそっちの方がいいからその辺りのことを突っ込むつもりはないけれど。
「やっぱり……いるんだろうか。宝を守る番人みたいなのが」
「います」
当然、と言うように彼女は答えた。
いるか……そりゃそうだよな。この遺跡は宝を守るためのものなんだし。
「ですが、私たちの敵ではありません。安心して下さい」
「何処の世界に敵がいるって分かってて安心する奴がいるんだよ……」
僕は半眼になって呻いた。
シャーリーンさんの思考回路は理解し難い。
それともこれが冒険者の普通の思考回路で、僕は冒険者じゃないから理解できないだけなのか?
まあ何にせよ、その番人とやらと御対面したら戦わなくちゃいけないことは確かだ。
気が重くて溜め息が出るよ。
はあ、と溜め息を漏らす。
と。
シャーリーンさんが立ち止まった。
僕は彼女の背中にぶつかって止まった。
「何?」
「着きました」
ああ、ようやく遺跡の最深部に着いたのか。
僕は顔を上げて前を見て──
「……げ」
視界に入ったものを理解すると同時に、表情が歪む。
僕たちの目の前にあったもの。
それは、通路を目一杯塞ぐように立っている巨大なマンイーターだった。
マンイーターは衝撃で吹き飛び、壁にぶつかった。
しかし、仕留めるまでには至らない。のろのろとした動きで体勢を直し、脚の何本かを鎌のように振り上げてこちらへと迫ってくる!
その姿の何と気持ち悪いことか。
僕は必死に首を振って叫び声を上げた。
「無理無理無理! こんなの一撃で仕留められるわけないって!」
「フレアランス」
僕の叫びを無視して冷静に魔術を撃つシャーリーンさん。
彼女が放った魔術はマンイーターの残っている胴体を撃ち抜き、床に着弾して小さな穴を空けた。
胴体を失ってばらけたマンイーターの脚がばらばらと辺りに散らばる。
それは胴体を失ってもまだ生命力が消えていないのか、先端がひくひくと痙攣するように動いていた。
うう、気持ち悪い。夢に出そうだよ。
シャーリーンさんは僕に目を向けると、言った。
「だから大丈夫だと言ったじゃないですか」
「一般人をさも当然のように戦わせるなよ! 泣くぞ!」
僕はシャーリーンさんに訴えた。
しかし彼女はしれっとした様子で僕の言葉を聞き流し、先に進もうと言ってさっさと歩き始めた。
駄目だ、この人マイペースすぎる!
僕は頭を抱えたくなるのを堪えて、マンイーターの脚を踏み越えてシャーリーンさんの後を追った。
マンイーターは遺跡のそこかしこにいた。
通路の果ての部屋にも数匹が密集していて、それを見た時は悲鳴を上げそうになったよ。
しかも、マンイーター同士に仲間意識はないのか共食いしてる奴もいたし。
あの巨体が重なってむしゃむしゃと同族を貪り食っている光景は醜悪の一言に尽きる。
さっさと視界内から排除したくて、僕は懸命に魔術を撃った。
仕留め損ねたマンイーターはシャーリーンさんが葬ってくれた。
彼女の魔術の威力は凄まじい。僕が操る魔術の何倍も威力がある。
これ、最初から彼女が攻撃した方が早く片付くんじゃないかって思えるくらいだ。
彼女自身には全然その自覚はないみたいだけど。
そんな感じでマンイーターを排除していき、部屋に設置されていた転移装置を使ってどんどん先へと進んでいった。
遺跡の探索を始めて二時間が過ぎた。
最深部にはまだ到着しない。
此処に来るまでに一体何十匹のマンイーターを倒したんだか、多すぎて数える気にもならなかった。
「もうすぐです」
シャーリーンさんは前を見据えたまま言う。
彼女はこの遺跡の内部事情にやたらと詳しいが、その情報は一体何処で仕入れたのだろう。
まあ、詳しいのは悪いことじゃないし、迷うよりはそっちの方がいいからその辺りのことを突っ込むつもりはないけれど。
「やっぱり……いるんだろうか。宝を守る番人みたいなのが」
「います」
当然、と言うように彼女は答えた。
いるか……そりゃそうだよな。この遺跡は宝を守るためのものなんだし。
「ですが、私たちの敵ではありません。安心して下さい」
「何処の世界に敵がいるって分かってて安心する奴がいるんだよ……」
僕は半眼になって呻いた。
シャーリーンさんの思考回路は理解し難い。
それともこれが冒険者の普通の思考回路で、僕は冒険者じゃないから理解できないだけなのか?
まあ何にせよ、その番人とやらと御対面したら戦わなくちゃいけないことは確かだ。
気が重くて溜め息が出るよ。
はあ、と溜め息を漏らす。
と。
シャーリーンさんが立ち止まった。
僕は彼女の背中にぶつかって止まった。
「何?」
「着きました」
ああ、ようやく遺跡の最深部に着いたのか。
僕は顔を上げて前を見て──
「……げ」
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僕たちの目の前にあったもの。
それは、通路を目一杯塞ぐように立っている巨大なマンイーターだった。
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