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「ねぇ、晴、捺と何かあった?」
朝、一番に教室に来て、俺は黙々と勉強をしていた。
程なくしてクラスメイトがちらほらと教室に入ってくる。
その中には捺もいた。
しかし、捺は昨日の事を気にしているのかいつもだったら教室に入ってすぐに話し掛けてくれるのに、今日は何も言わず、近付こうともせず、俺の席から離れている自分の席に座って、ノートを開いて勉強し出した。
俺も気まずいのは一緒で、話しかけられずにいた。
そんな時、爽も教室に来て、俺達が話していないのを不思議に思ったらしく、心配そうに俺達の事を聞いた。
俺はそれに対し素直に事実を話す気になれず、ちょっとね、と言葉を濁した。
爽はそっか、と言った。
「喧嘩でもしたのかと思ったんだけど、違う?」
「……喧嘩ではないと思う……」
言い淀む俺に、爽も煮え切らない返事をする。
しかし、爽の次の言葉に俺はめちゃくちゃ驚く。
「もしかして、捺に告白でもされた?」
「な!」
顔を上げて爽を見つめると、爽はやっぱり、とわかりきっていたような口振りで言った。
口をはくはくとさせて、顔を赤くする俺。
もしかして捺に聞いていたのだろうか。
いや、そうとしか考えられない!
「言っとくけど俺の勘だからね」
……爽って超能力者なのかもしれない。
「……にしても捺が拮抗を破るなんてね」
「え?」
爽はボソッと何かを呟いた。
俺には内容が分からず首を傾げていると、爽はなんでもない、と爽やかな笑顔を浮かべた。
「きっと捺の事だから答えはいらない、とか言ったんじゃない?」
「う、うん……」
爽には何もかもお見通しなようで、俺は苦笑いをする。
爽って、本当の王子様みたいだ。
さりげなく気遣ってくれるし、話しかけやすいオーラみたいなのがある。
共学だったら絶対モテモテだろう。
いや、この学園でもモテモテなんだけどね。
「ねぇ、晴」
なに?と聞こうとした。
その瞬間。
不意打ちだった。
「え……」
ドアップの爽の顔。
目が伏せられていて、爽の長いまつげが映える。
唇の柔らかくて暖かい感触。
それが離れた時、爽は真剣な顔をしていた。
「分かってるよ」
不意に爽が言う。
「分かってる。困らせるだけだって。
……でもさ、結局捺は抜け駆けして、晴に意識されてるんだよね?
そんなの許せない。
俺だって、晴が好きなのに」
「………」
俺は体が強ばって動けなかった。
爽をただ見つめて何も言葉が出てこない。
周りがこっちを見て頬を赤らめて何か話しているけれど、そんなのどうでもよかった。
「晴……?」
固まった俺を心配して爽は俺に手を伸ばしてきた。
それを俺は咄嗟に払った。
「俺、保健室行ってくる」
無意識のうちにそう言って、椅子から立ち上がる。
爽は引き止めるような言葉を言ったが手出しはしなかった。
俺は走って教室を出て、その勢いのまま廊下を行く。
顔が熱い。
でもそれ以上に目頭が熱かった。
なんで。
なんで。
好きって、なんで___。
side腐男子
佐野君が出ていったドアを俺達はただ見つめていた。
突然の赤坂君と佐野君のキスに俺を含め教室中の腐男子はときめいていた。
しかし、泣きそうな顔をして突然教室を出ていってしまった佐野君をみて固まる。
と、そんな時、キャア!と小さな悲鳴が響いた。
念のため言っておくが男子生徒の声である。
俺は驚いて振り返ると、赤坂君の胸ぐらを青野君が掴んで睨みあっていた。
あのいつも冷静な青野君が随分と野蛮な行動を取っている。
しかもあの温厚な赤坂君が青野君を鋭い目で睨んでいる。
ダブルの驚きが俺に押し寄せた。
「お前、晴に何してんだ」
「何って、捺も見てたんじゃないの?野暮な事聞かないでよ」
「喧嘩売ってんのか」
ギリッと青野君の赤坂君の胸ぐらを掴む手に力が入り、ワイシャツに皺が更に濃く刻まれる。
「というかさ、捺に咎められる覚えはないんだけど」
温度を感じない冷たい声だ。
それに対し、青野君が眉間の皺を濃くした。
「俺達には晴に手を出さないっていう暗黙の了解があるよね?俺もお前もそれをちゃんと守ってきた。お互い相当理性はもつはずだ。
お前が感情を抑えられないなんて余程の事がない限り有り得ない。
だから、晴の今朝の反応見て、正直びっくりした」
「……何が言いたい」
「感情を抑えられない程余裕がなかった捺が、晴に手を出さない訳がない」
真っ直ぐとお互いを見つめて話し合う2人をドキドキしながら見守る。
「晴は無意識なんだろうけど、昨日の事を聞く度、唇を触ってた。
捺だって、昨日晴にキスしたんでしょ?」
「っ!」
図星だったのか青野君は言葉に詰まった。
て、ていうか、青野君も佐野君にキスしたのか!!
俺の最推し佐野君総受けじゃないか!!!!
やばすぎる!!!!
つうか、この言い争いって基佐野君の奪い合いだよな!?
俺得じゃねぇか!!!!
先生が入って来た事によりその場は収束したが、気まずい空気はまだ残っていた。
朝、一番に教室に来て、俺は黙々と勉強をしていた。
程なくしてクラスメイトがちらほらと教室に入ってくる。
その中には捺もいた。
しかし、捺は昨日の事を気にしているのかいつもだったら教室に入ってすぐに話し掛けてくれるのに、今日は何も言わず、近付こうともせず、俺の席から離れている自分の席に座って、ノートを開いて勉強し出した。
俺も気まずいのは一緒で、話しかけられずにいた。
そんな時、爽も教室に来て、俺達が話していないのを不思議に思ったらしく、心配そうに俺達の事を聞いた。
俺はそれに対し素直に事実を話す気になれず、ちょっとね、と言葉を濁した。
爽はそっか、と言った。
「喧嘩でもしたのかと思ったんだけど、違う?」
「……喧嘩ではないと思う……」
言い淀む俺に、爽も煮え切らない返事をする。
しかし、爽の次の言葉に俺はめちゃくちゃ驚く。
「もしかして、捺に告白でもされた?」
「な!」
顔を上げて爽を見つめると、爽はやっぱり、とわかりきっていたような口振りで言った。
口をはくはくとさせて、顔を赤くする俺。
もしかして捺に聞いていたのだろうか。
いや、そうとしか考えられない!
「言っとくけど俺の勘だからね」
……爽って超能力者なのかもしれない。
「……にしても捺が拮抗を破るなんてね」
「え?」
爽はボソッと何かを呟いた。
俺には内容が分からず首を傾げていると、爽はなんでもない、と爽やかな笑顔を浮かべた。
「きっと捺の事だから答えはいらない、とか言ったんじゃない?」
「う、うん……」
爽には何もかもお見通しなようで、俺は苦笑いをする。
爽って、本当の王子様みたいだ。
さりげなく気遣ってくれるし、話しかけやすいオーラみたいなのがある。
共学だったら絶対モテモテだろう。
いや、この学園でもモテモテなんだけどね。
「ねぇ、晴」
なに?と聞こうとした。
その瞬間。
不意打ちだった。
「え……」
ドアップの爽の顔。
目が伏せられていて、爽の長いまつげが映える。
唇の柔らかくて暖かい感触。
それが離れた時、爽は真剣な顔をしていた。
「分かってるよ」
不意に爽が言う。
「分かってる。困らせるだけだって。
……でもさ、結局捺は抜け駆けして、晴に意識されてるんだよね?
そんなの許せない。
俺だって、晴が好きなのに」
「………」
俺は体が強ばって動けなかった。
爽をただ見つめて何も言葉が出てこない。
周りがこっちを見て頬を赤らめて何か話しているけれど、そんなのどうでもよかった。
「晴……?」
固まった俺を心配して爽は俺に手を伸ばしてきた。
それを俺は咄嗟に払った。
「俺、保健室行ってくる」
無意識のうちにそう言って、椅子から立ち上がる。
爽は引き止めるような言葉を言ったが手出しはしなかった。
俺は走って教室を出て、その勢いのまま廊下を行く。
顔が熱い。
でもそれ以上に目頭が熱かった。
なんで。
なんで。
好きって、なんで___。
side腐男子
佐野君が出ていったドアを俺達はただ見つめていた。
突然の赤坂君と佐野君のキスに俺を含め教室中の腐男子はときめいていた。
しかし、泣きそうな顔をして突然教室を出ていってしまった佐野君をみて固まる。
と、そんな時、キャア!と小さな悲鳴が響いた。
念のため言っておくが男子生徒の声である。
俺は驚いて振り返ると、赤坂君の胸ぐらを青野君が掴んで睨みあっていた。
あのいつも冷静な青野君が随分と野蛮な行動を取っている。
しかもあの温厚な赤坂君が青野君を鋭い目で睨んでいる。
ダブルの驚きが俺に押し寄せた。
「お前、晴に何してんだ」
「何って、捺も見てたんじゃないの?野暮な事聞かないでよ」
「喧嘩売ってんのか」
ギリッと青野君の赤坂君の胸ぐらを掴む手に力が入り、ワイシャツに皺が更に濃く刻まれる。
「というかさ、捺に咎められる覚えはないんだけど」
温度を感じない冷たい声だ。
それに対し、青野君が眉間の皺を濃くした。
「俺達には晴に手を出さないっていう暗黙の了解があるよね?俺もお前もそれをちゃんと守ってきた。お互い相当理性はもつはずだ。
お前が感情を抑えられないなんて余程の事がない限り有り得ない。
だから、晴の今朝の反応見て、正直びっくりした」
「……何が言いたい」
「感情を抑えられない程余裕がなかった捺が、晴に手を出さない訳がない」
真っ直ぐとお互いを見つめて話し合う2人をドキドキしながら見守る。
「晴は無意識なんだろうけど、昨日の事を聞く度、唇を触ってた。
捺だって、昨日晴にキスしたんでしょ?」
「っ!」
図星だったのか青野君は言葉に詰まった。
て、ていうか、青野君も佐野君にキスしたのか!!
俺の最推し佐野君総受けじゃないか!!!!
やばすぎる!!!!
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先生が入って来た事によりその場は収束したが、気まずい空気はまだ残っていた。
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