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いろいろ情報を整理してみました。
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六賢者の1人だとかいうアウローネと騎士に連行され、俺は城の一室に案内されていた。
「お。アハト!」
部屋にはアハトがいた。どういう流れでここにアハトがいるのかがわからん……。
「しばらくここで待つといい。ああ、もしなにか要望などがあれば、外で待機している騎士に声をかけるといい」
そう言うとアウローネはさっさと部屋を出ていく。
あらためて部屋に俺とアハト、リュインにリリアベルだけになったことを確認し、俺たちは互いの情報を共有していった。
「つまりアハトは、うまいこと飯テロを防いだということね!」
「飯テロて」
なんだか意味がちがう気がする……。
「そちらもなかなか面白いイベントが起こっていたようですね」
「イベントて」
「機動鎧以上の大きさを誇る巨大な騎士人形ですか。直接見たかったものです」
『画像自体はシグニールのデータベースに保存してある。あとで同期して確認してみるといいだろう』
「いつのまに……」
どうやらリリアベルはあの短い時間でばっちり記録していたらしい。便利だねぇ……。
「ねぇねぇ! あの大きな剣! あれ、四聖剣じゃない!?」
「どうやって〈フェルン〉が持つんだよ!?」
「きっとすっごい魔術を使って操っていたのよ!」
「いや、どう見てもあの巨大騎士人形のもんだろ……」
ここまで言って、自分の発言に違和感を覚える。
「…………なぁ。あの騎士人形……だたの飾りだと思うか? もしかしてだけど……」
『まず間違いなく動かせる類のものだろう』
「まじで!?」
あの騎士人形がただの飾りであれば、あの場所に作られた意味がわからない。ああいう象徴的なオブジェは、大衆が見られる場所に建てるものだろう。
そしてわざわざ騎士人形用に剣まで用意していた。ここまで考えると、まさかと思ってしまうのだ。
あの騎士人形、動かせる上に剣を振り回せるんじゃね? ……と。
『機器がなかったから、あくまで画像から得られる情報のみになるが……関節部に駆動できそうな仕かけがいくつか確認できた。それにあの場で作られたものとは考えにくい。おそらくもともとどこか他の地で作ったものを、自ら動いてあの地下空間まで移動したのだろう』
やっべぇ……! 謎の超古代ロマンの一端に触れてしまった……! すっげぇわくわくすんじゃねぇかよ……!
「機動鎧と同じく、だれかが中に乗って動かせるのか……!?」
『さぁな。この星には魔力があるし、動かし方が機動鎧と同一とは考えられんがな』
「そう?」
『ああ。だいいち、動力源はなんだという話になる。機動鎧に搭載されているプラズマリアクターを、この星の文明レベルで作成できるはずがないからな』
文明のリセット疑惑などはあるが、たしかにその点を考慮しても考えにくい。
なにせオーパーツの特性といい、技術の方向性が俺たちの常識とはまったく別ベクトルだからだ。
これはやはり魔力による影響が大きいだろう。この便利な謎パワーがあるからこそ、よりそれを活かす方向で文明と技術が発展してきたんだ。
そしてこの方向性では、およそプラズマリアクターなんてものは生まれてこない。
『十中八九、魔力を動力源にできる仕かけがあるのだろう。魔獣大陸で見た陸上船みたいなものではないか?』
「ああ……なるほど……」
たしか陸上船や魔力船は、複数の魔力持ちが動かす魔道具だって話だった。形はちがうが、あの巨大騎士人形も複数の魔力持ちが動かすものなのかもしれない。
「そういやアハト。学会の方はどうなんだ? メルナキアの助手を務める予定だったんだろ?」
「ええ。そちらに参加はできませんでしたが、彼女であれば問題なく講演を終わらせているでしょう」
「そうか……。残念だったな。せっかく〈学士〉としてデビューできるところだったのに」
天才キャラで無双しようとしていたからな……と思っていたが、アハトはどことなく満足げにうなずきを見せた。
「フ……すでにこの名は轟いています。ただの〈学士〉以上のデビューができたと言えましょう」
「…………ん? どういう意味?」
「メルナキアの発表準備をする天才学士としてもともと認知されていたのです。そこに今回の事件で、エンブレストのテロを未然に防いだ功績までついてきました。アカデミーでは非常にインテリジェンスが高く、またエンブレストのたくらみすら看破する美女として広まっているでしょう」
そ……そうなるのか……。
エンブレストが有能な研究者として知られていたぶん、その計画を阻止したアハトは「エンブレストより上かも……!?」と、間接的に思わせることができたのだ。
実際にはアムランの情報があってのことなのだが。
もともとその見た目とメルナキアの推薦という時点で十分に目立っていたし、今のアカデミーはアハトに対するうわさが広まりやすい環境が整っているのだろう。
「しかしここでも玖聖会が出てくるとはな……」
『厳密にはエンブレストとメイフォンという女が、玖聖会とはっきりつながっている証拠や証言を得られたわけではないが。まぁ状況からみて玖聖会がかかわっているだろうな』
今回のことでまたあいつらの目的が見えにくくなった。あの騎士人形が魔人王の封印に関係しているってんなら、まぁまだわかるのだが。
むずかしい顔をしていたリュインが、はっと顔を上げる。
「も、もしかして……! あいつらも四聖剣を……!?」
「えぇ……そうなるか……?」
「だって! 魔人王の封印にもかかわっているし! 四聖剣を探すわたしたちの行く先々に現れるんだもの、同じく四聖剣を探しているにちがいないわっ!」
「フ……名推理ですね」
「でしょ!」
アハトがいかにも適当な調子で手を叩きながらリュインをほめる。うん、ぜったい思ってないだろうな……。
『騎士人形も気になるが、その上の階にあった球体も気になるな』
「ああ……あれもなんだったんだろうな? あと落ちてた腕と眼球も」
地下二階までしかないと言われていた大図書館。しかし実際は地下四階まであり、結構な深さがあった。
今の建築技術ではそこまで地下空間を掘削することもできない。いつだれがどういった目的でこの地に作ったのか。謎は多いな……。
それからも4人で状況を整理していく。だがそうして時間を過ごすうちに、外はすっかり暗くなっていた。
「なぁ……もうけっこうな時間が経ってね?」
「お腹すいたぁ~! 肉! あとお酒っ!」
「要求の多い妖精さんだな……」
だがこのまま放置していると、リュインが暴れかねない。そう考えていたタイミングで扉にノックが鳴る。
「うん?」
開いた扉から現れたのは、えらそうな人たちとメルナキアだった。
「あ!」
「メルナキア!」
「み、みなさん……! よ、よかった……無事で……。その……わた、わたし。六賢者の方々から、みなさんの話を聞いて……」
「ああ……」
どうやら六賢者は今まで、講演を終えたメルナキアと話をしていたようだ。ここで前に出てきたのはアウローネだった。
「待たせたな。腹も減っているだろう。せっかくだ、ここからは食事をしながら話をしようじゃないか」
どうやらあやしい奴は処す……という感じでもないようだ。それにこちらも聞きたいことが多い。六賢者との時間は望むところである。
こうして俺たちは城の上階層にある部屋へと案内されたのだった。
「お。アハト!」
部屋にはアハトがいた。どういう流れでここにアハトがいるのかがわからん……。
「しばらくここで待つといい。ああ、もしなにか要望などがあれば、外で待機している騎士に声をかけるといい」
そう言うとアウローネはさっさと部屋を出ていく。
あらためて部屋に俺とアハト、リュインにリリアベルだけになったことを確認し、俺たちは互いの情報を共有していった。
「つまりアハトは、うまいこと飯テロを防いだということね!」
「飯テロて」
なんだか意味がちがう気がする……。
「そちらもなかなか面白いイベントが起こっていたようですね」
「イベントて」
「機動鎧以上の大きさを誇る巨大な騎士人形ですか。直接見たかったものです」
『画像自体はシグニールのデータベースに保存してある。あとで同期して確認してみるといいだろう』
「いつのまに……」
どうやらリリアベルはあの短い時間でばっちり記録していたらしい。便利だねぇ……。
「ねぇねぇ! あの大きな剣! あれ、四聖剣じゃない!?」
「どうやって〈フェルン〉が持つんだよ!?」
「きっとすっごい魔術を使って操っていたのよ!」
「いや、どう見てもあの巨大騎士人形のもんだろ……」
ここまで言って、自分の発言に違和感を覚える。
「…………なぁ。あの騎士人形……だたの飾りだと思うか? もしかしてだけど……」
『まず間違いなく動かせる類のものだろう』
「まじで!?」
あの騎士人形がただの飾りであれば、あの場所に作られた意味がわからない。ああいう象徴的なオブジェは、大衆が見られる場所に建てるものだろう。
そしてわざわざ騎士人形用に剣まで用意していた。ここまで考えると、まさかと思ってしまうのだ。
あの騎士人形、動かせる上に剣を振り回せるんじゃね? ……と。
『機器がなかったから、あくまで画像から得られる情報のみになるが……関節部に駆動できそうな仕かけがいくつか確認できた。それにあの場で作られたものとは考えにくい。おそらくもともとどこか他の地で作ったものを、自ら動いてあの地下空間まで移動したのだろう』
やっべぇ……! 謎の超古代ロマンの一端に触れてしまった……! すっげぇわくわくすんじゃねぇかよ……!
「機動鎧と同じく、だれかが中に乗って動かせるのか……!?」
『さぁな。この星には魔力があるし、動かし方が機動鎧と同一とは考えられんがな』
「そう?」
『ああ。だいいち、動力源はなんだという話になる。機動鎧に搭載されているプラズマリアクターを、この星の文明レベルで作成できるはずがないからな』
文明のリセット疑惑などはあるが、たしかにその点を考慮しても考えにくい。
なにせオーパーツの特性といい、技術の方向性が俺たちの常識とはまったく別ベクトルだからだ。
これはやはり魔力による影響が大きいだろう。この便利な謎パワーがあるからこそ、よりそれを活かす方向で文明と技術が発展してきたんだ。
そしてこの方向性では、およそプラズマリアクターなんてものは生まれてこない。
『十中八九、魔力を動力源にできる仕かけがあるのだろう。魔獣大陸で見た陸上船みたいなものではないか?』
「ああ……なるほど……」
たしか陸上船や魔力船は、複数の魔力持ちが動かす魔道具だって話だった。形はちがうが、あの巨大騎士人形も複数の魔力持ちが動かすものなのかもしれない。
「そういやアハト。学会の方はどうなんだ? メルナキアの助手を務める予定だったんだろ?」
「ええ。そちらに参加はできませんでしたが、彼女であれば問題なく講演を終わらせているでしょう」
「そうか……。残念だったな。せっかく〈学士〉としてデビューできるところだったのに」
天才キャラで無双しようとしていたからな……と思っていたが、アハトはどことなく満足げにうなずきを見せた。
「フ……すでにこの名は轟いています。ただの〈学士〉以上のデビューができたと言えましょう」
「…………ん? どういう意味?」
「メルナキアの発表準備をする天才学士としてもともと認知されていたのです。そこに今回の事件で、エンブレストのテロを未然に防いだ功績までついてきました。アカデミーでは非常にインテリジェンスが高く、またエンブレストのたくらみすら看破する美女として広まっているでしょう」
そ……そうなるのか……。
エンブレストが有能な研究者として知られていたぶん、その計画を阻止したアハトは「エンブレストより上かも……!?」と、間接的に思わせることができたのだ。
実際にはアムランの情報があってのことなのだが。
もともとその見た目とメルナキアの推薦という時点で十分に目立っていたし、今のアカデミーはアハトに対するうわさが広まりやすい環境が整っているのだろう。
「しかしここでも玖聖会が出てくるとはな……」
『厳密にはエンブレストとメイフォンという女が、玖聖会とはっきりつながっている証拠や証言を得られたわけではないが。まぁ状況からみて玖聖会がかかわっているだろうな』
今回のことでまたあいつらの目的が見えにくくなった。あの騎士人形が魔人王の封印に関係しているってんなら、まぁまだわかるのだが。
むずかしい顔をしていたリュインが、はっと顔を上げる。
「も、もしかして……! あいつらも四聖剣を……!?」
「えぇ……そうなるか……?」
「だって! 魔人王の封印にもかかわっているし! 四聖剣を探すわたしたちの行く先々に現れるんだもの、同じく四聖剣を探しているにちがいないわっ!」
「フ……名推理ですね」
「でしょ!」
アハトがいかにも適当な調子で手を叩きながらリュインをほめる。うん、ぜったい思ってないだろうな……。
『騎士人形も気になるが、その上の階にあった球体も気になるな』
「ああ……あれもなんだったんだろうな? あと落ちてた腕と眼球も」
地下二階までしかないと言われていた大図書館。しかし実際は地下四階まであり、結構な深さがあった。
今の建築技術ではそこまで地下空間を掘削することもできない。いつだれがどういった目的でこの地に作ったのか。謎は多いな……。
それからも4人で状況を整理していく。だがそうして時間を過ごすうちに、外はすっかり暗くなっていた。
「なぁ……もうけっこうな時間が経ってね?」
「お腹すいたぁ~! 肉! あとお酒っ!」
「要求の多い妖精さんだな……」
だがこのまま放置していると、リュインが暴れかねない。そう考えていたタイミングで扉にノックが鳴る。
「うん?」
開いた扉から現れたのは、えらそうな人たちとメルナキアだった。
「あ!」
「メルナキア!」
「み、みなさん……! よ、よかった……無事で……。その……わた、わたし。六賢者の方々から、みなさんの話を聞いて……」
「ああ……」
どうやら六賢者は今まで、講演を終えたメルナキアと話をしていたようだ。ここで前に出てきたのはアウローネだった。
「待たせたな。腹も減っているだろう。せっかくだ、ここからは食事をしながら話をしようじゃないか」
どうやらあやしい奴は処す……という感じでもないようだ。それにこちらも聞きたいことが多い。六賢者との時間は望むところである。
こうして俺たちは城の上階層にある部屋へと案内されたのだった。
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