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連帯
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「どういうことですか?
もう一度説明して下さい。」
監督の園山は少しイラついたような焦ったような、どちらとも取れる表情を浮かべ、校長の斎賀に詰め寄った。
「だから暴力事件だよ。暴力事件
昨日の夜、野球部の峰山君と元野球部の西原君が
他校の生徒ニ名と喧嘩になり、相手の生徒にケガをさせたんだ。」
「峰山は野球部といっても、もう練習には顔を出していないし、西原に至っては4月に退部してるんですよ。」
「西原君はなんとか逃げ仰るかもしれんが、峰山君は現役の野球部員じゃないか。」
「それは、いつか戻ってくるかもしれないので、門戸は開いているって事をアイツに示したくて…」
「だが、その優しさが仇となってしまったんでは…
詳細がわかり次第、高野連には報告するが、いいね?」
「ええ。変に隠蔽めいたことをすると、後で発覚した場合、取り返しがつかなくなりますから。」
「わかった。
では、キミは野球部の生徒達に話しておきなさい。」
「…わかりました。
失礼します。」
園山は肩を落として校長室を出ていった。
峰山瑛太と西原剛志
この二人がそれぞれ野球部を離れた原因は、優里と大輔にあった。
二人はこの春三年となり、不動のレギュラーとして
この大会に臨む予定だった。
しかし、彗星の如く現れた一年生の優里と大輔によって、控えに回らざるを得なくなってしまったのだ。
この事は二人の矜持を大いに傷つけ、西原剛志は退部し、峰山瑛太は野球部の練習に来なくなってしまった。
弱小校の甘さなのか、園山は峰山を退部扱いにせず、帰ってくるのを待つことにした。
しかし、そんな彼の温情に、峰山と西原は仇で返すような事をしたのだ。
もう一度説明して下さい。」
監督の園山は少しイラついたような焦ったような、どちらとも取れる表情を浮かべ、校長の斎賀に詰め寄った。
「だから暴力事件だよ。暴力事件
昨日の夜、野球部の峰山君と元野球部の西原君が
他校の生徒ニ名と喧嘩になり、相手の生徒にケガをさせたんだ。」
「峰山は野球部といっても、もう練習には顔を出していないし、西原に至っては4月に退部してるんですよ。」
「西原君はなんとか逃げ仰るかもしれんが、峰山君は現役の野球部員じゃないか。」
「それは、いつか戻ってくるかもしれないので、門戸は開いているって事をアイツに示したくて…」
「だが、その優しさが仇となってしまったんでは…
詳細がわかり次第、高野連には報告するが、いいね?」
「ええ。変に隠蔽めいたことをすると、後で発覚した場合、取り返しがつかなくなりますから。」
「わかった。
では、キミは野球部の生徒達に話しておきなさい。」
「…わかりました。
失礼します。」
園山は肩を落として校長室を出ていった。
峰山瑛太と西原剛志
この二人がそれぞれ野球部を離れた原因は、優里と大輔にあった。
二人はこの春三年となり、不動のレギュラーとして
この大会に臨む予定だった。
しかし、彗星の如く現れた一年生の優里と大輔によって、控えに回らざるを得なくなってしまったのだ。
この事は二人の矜持を大いに傷つけ、西原剛志は退部し、峰山瑛太は野球部の練習に来なくなってしまった。
弱小校の甘さなのか、園山は峰山を退部扱いにせず、帰ってくるのを待つことにした。
しかし、そんな彼の温情に、峰山と西原は仇で返すような事をしたのだ。
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