Two seam

フロイライン

文字の大きさ
上 下
18 / 99

連帯

しおりを挟む
「どういうことですか?
もう一度説明して下さい。」

監督の園山は少しイラついたような焦ったような、どちらとも取れる表情を浮かべ、校長の斎賀に詰め寄った。

「だから暴力事件だよ。暴力事件

昨日の夜、野球部の峰山君と元野球部の西原君が
他校の生徒ニ名と喧嘩になり、相手の生徒にケガをさせたんだ。」

「峰山は野球部といっても、もう練習には顔を出していないし、西原に至っては4月に退部してるんですよ。」

「西原君はなんとか逃げ仰るかもしれんが、峰山君は現役の野球部員じゃないか。」

「それは、いつか戻ってくるかもしれないので、門戸は開いているって事をアイツに示したくて…」

「だが、その優しさが仇となってしまったんでは…

詳細がわかり次第、高野連には報告するが、いいね?」

「ええ。変に隠蔽めいたことをすると、後で発覚した場合、取り返しがつかなくなりますから。」

「わかった。
では、キミは野球部の生徒達に話しておきなさい。」

「…わかりました。

失礼します。」

園山は肩を落として校長室を出ていった。


峰山瑛太と西原剛志
この二人がそれぞれ野球部を離れた原因は、優里と大輔にあった。

二人はこの春三年となり、不動のレギュラーとして
この大会に臨む予定だった。

しかし、彗星の如く現れた一年生の優里と大輔によって、控えに回らざるを得なくなってしまったのだ。

この事は二人の矜持を大いに傷つけ、西原剛志は退部し、峰山瑛太は野球部の練習に来なくなってしまった。

弱小校の甘さなのか、園山は峰山を退部扱いにせず、帰ってくるのを待つことにした。

しかし、そんな彼の温情に、峰山と西原は仇で返すような事をしたのだ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

婚約破棄されましたが、幼馴染の彼は諦めませんでした。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,421pt お気に入り:281

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:1,079pt お気に入り:67

ようこそ、悲劇のヒロインへ

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:6

僕は今日から狐の女の子になった

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:4

グラティールの公爵令嬢

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14,378pt お気に入り:3,342

言いたいことはそれだけですか。では始めましょう

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,564pt お気に入り:3,568

処理中です...