58 / 138
不退転
しおりを挟む
「三浦先生が女性に性転換されている事を知っているのはごく僅かな人達だけでしょう?
この状況を、ご両親や友人にどう説明されますか?
考えただけでもうんざりなされるんじゃないですか。」
高山の言葉に、皧流は力なく頷いた。
「それは、たしかに…
ワタシが女性になったのを知っているのは、竹脇さんを含めて五人といません。
他の人たちにこの状況を理解してもらうのは、とても骨が折れるでしょう。」
「あなたは、人気作家で、社会的な地位も高い。
もし、性転換した事が明るみに出ると、ある事ない事言われて、大変なことになるに違いありません。
これからの長い人生の事を考えるなら、選択肢は一つしかありません。
今すぐ男に戻る事です。」
「…」
「すぐに準備にとりかかりましょう。」
高山は、注射の準備をしようとしたが…
「あの、待ってください。」
再び、皧流が止めた。
「?」
「高山先生
ワタシ…
男には戻りません。」
「何故ですか?
ここで決断しないと、取り返しのつかない事になりますよ。
これは脅しでもなんでもありません。」
「いいんです…
取り返しがつかなくなっても…」
「何故なんです?
何があなたを女性のままでいさせようとするんですか?」
「ワタシ、好きな人が出来てしまったんです…」
「性交渉したって相手ですか?」
「はい…」
「そんな感情は、男に戻れば霧散してしまいますよ。
今の自分の気持ちをあまり信用なさらないように。」
「いえ、大丈夫です…
今男に戻る方が、後々、後悔してしまうと思えるんです。」
皧流は、力強い言葉で高山に言ったが、その瞳はどこまでも真っ直ぐだった。
この状況を、ご両親や友人にどう説明されますか?
考えただけでもうんざりなされるんじゃないですか。」
高山の言葉に、皧流は力なく頷いた。
「それは、たしかに…
ワタシが女性になったのを知っているのは、竹脇さんを含めて五人といません。
他の人たちにこの状況を理解してもらうのは、とても骨が折れるでしょう。」
「あなたは、人気作家で、社会的な地位も高い。
もし、性転換した事が明るみに出ると、ある事ない事言われて、大変なことになるに違いありません。
これからの長い人生の事を考えるなら、選択肢は一つしかありません。
今すぐ男に戻る事です。」
「…」
「すぐに準備にとりかかりましょう。」
高山は、注射の準備をしようとしたが…
「あの、待ってください。」
再び、皧流が止めた。
「?」
「高山先生
ワタシ…
男には戻りません。」
「何故ですか?
ここで決断しないと、取り返しのつかない事になりますよ。
これは脅しでもなんでもありません。」
「いいんです…
取り返しがつかなくなっても…」
「何故なんです?
何があなたを女性のままでいさせようとするんですか?」
「ワタシ、好きな人が出来てしまったんです…」
「性交渉したって相手ですか?」
「はい…」
「そんな感情は、男に戻れば霧散してしまいますよ。
今の自分の気持ちをあまり信用なさらないように。」
「いえ、大丈夫です…
今男に戻る方が、後々、後悔してしまうと思えるんです。」
皧流は、力強い言葉で高山に言ったが、その瞳はどこまでも真っ直ぐだった。
13
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる