オレ、母になる

感動

瑛太は感動していた。

祐希の唇が、男のものとは思えないほど柔らかくて繊細で、フツーの女子とのキスと、何ら変わらなかったからである。

そして、匂いもまた瑛太の五感を刺激した。

化粧品の匂い？

口紅の匂い？

香水？


祐希と密着してわかったのは、彼女が女性の匂いを纏っていた事だ。

これは、何なんだ…


瑛太は、暫し、考え込んでしまった。


少し前まで、目の前にいるのは、自分と同じ、フツーの男だった。
多少女性的ではあったが…


それが、今は、こんなにも美しい女性となって、自分とキスをしている。


いや、違う


この匂いは、香水や化粧品によるものではなくて、祐希自身から発せられているものだ！


瑛太は、ここで気づいたのだった。


本来、自分と同じ男であるのだから、男子特有の脂ぎった匂いってものがしてもおかしくはない。
さすがに、オッサンが纏う加齢臭まではないとは思うが。


祐希は、若い女性しか纏わない、甘い香り、芳香をその体から発しているのだ。


この匂いは、瑛太の判断力と冷静さを奪い、抑えがきかなくなってしまった。


瑛太は、キスを終えると、祐希をその場に押し倒し、上から覆い被さった。


そして、また、激しいキスを始めた。



舌を絡め合い、唾液も追っかけ、絡みついてくる。


「ん、んんっ、んふっ」

祐希も感じているのか、キスをしながら、喉で喘ぎ声を出し始めた。