オレ、母になる

今会いに行きます

「晃さん」


「えっ？」


祐希は、晃に自分の思いを話し始めた。


「ワタシと真希はね、一卵性の双子として、これまでずっと生きてきたのね。

そんなに仲良しではなかったけど、やっぱり双子だから…わかるの。

たとえば、ワタシが頭痛に襲われたら、真希も同じような症状になったり。

だから、最近、ずっとワタシのカラダの中で何かが変で。

きっと、真希に何かあったと思ったの。

それも、かなり良くない状況にあるって。」


「そうか。

たしかに、今の真希は、本当にマズイ状況にある。

祐希

どうか、会ってやってくれないだろうか。」



「もちろん、そのつもりだったけど…

真希が実家にいるのは誤算だったわ。

親にカミングアウトしなきゃなんない状況なんだよ。

真希に会う前に…」



「外野が無責任なって思うかもしれないけど、祐希が女になった事をいつまでも隠しとくわけにはいかないわけだし、いつか言わなきゃならないわけじゃん。

だったら、今がいい機会じゃないかな。

ご両親にカミングアウトする…」



「…

そうね。


わかったわ、晃さん。

なによりも真希が心配だし、カミングアウトもして、真希にも会いに行く。」



「ありがとう、祐希

真希もきっと喜ぶよ。」


晃は、ホッとした表情になり、頭を下げた。