オレ、母になる

フロイライン

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それぞれの愛

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「今日ね

祐希に会ってきたの。」


その日も瑛太の家に泊まりに来ていた真希は、
ご飯を作りながらそう言った。



「えっ

何か言ってた?」



瑛太は、真希に気持ちが移ったとはいえ、一度は真剣に愛した祐希の事を、気にならないわけがない。


「出産を控えてるし、今はその事で頭がいっぱいみたいね。

ただ、うちの両親にちゃんと話をしなきゃやらないだろうから、私にも大きな責任があるし、一緒に話しに行くって言ったの。
晃と別れて、瑛太と結婚するってことも言わなきゃなんないしね。」


「そうだね…

俺も一緒に行こうか。」



「ううん。

話がややこしくなるし、私と祐希の二人で話した方がいいかなってね。


その後でいいよ、瑛太は。」



「うん。

もちろん俺にも責任がある話だし、いつでも言ってね。」



「ありがとう。」


真希は、夕食をテーブルに置くと、瑛太に食べるように促し、自分はその向かい側に腰掛けて、話を続けた。


「ねえ、瑛太」



「ん?」


瑛太は、料理に口をつけようとしていたのをやめて、顔を上げて真希の方に視線を向けた。



「本当にいいの?

私で。」



「えっ、そんなの当たり前じゃないか。」



「子供ができない体でも?」



「キミさえいてくれたら、他に何も求めるものはないよ。

愛してるよ。」


瑛太がそう答えると、真希は、感極まった表情となり、体を前に伸ばし、瑛太にキスをした。
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