オレ、母になる

一家団欒

「ねえ、祐希

今日、急遽泊まる事になったのよ、晃。」


「えっ、そうなんだ」


「アンタのパジャマ貸してあげて。」



「いいけど。

晃さん、俺よりデカいから、合うかなあ。」



「大丈夫

着痩せするタイプなんだよ、俺」


晃は、そう言って笑った。


高村晃は、年齢は二十五歳
建設機械の会社に勤めている。

身長180センチ　体重75キロで細身な感じだが筋肉質

学生の頃は野球をやっていたらしく、色黒で短髪、薄い顔をした爽やかな男前だった。


真希とは、共通の友人がいた関係で知り合い、出会ってから程なくして付き合う事となった。

真希の方が完全に一目惚れで、グイグイ積極的に行き、付き合って数ヶ月で婚約する運びとなったのだった。

まだ学生である事から、周囲は卒業するまで待つように説得したが、本人が全く聞き入れず、大学も休学してしまった。
多分、このまま中退し、主婦業に専念するのだろうと、皆が思っていた。



「さて、私はお母さんがご飯作るの手伝ってくるわ。

晃、下来てテレビでも見とく？」



真希が尋ねると、晃は首を横に振り


「いや、祐希クンとトークしとくし。
ここにいていいよね？」

と、答えた。


「別にいいけど。

祐希もいい？」



「うん。」


祐希は、あまり人見知りする性格ではなかったが、晃に好意を寄せているため、若干、ぎこちない返事になってしまった。