オレ、母になる

フロイライン

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あの時のこと

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「それにしても、ホントよく似てるなあ。

キミと真希は。」   


晃は、祐希の顔をまじまじと見つめながら、感心して言った。


「そうかなあ…」


「なるほどな。」


「なるほどって…


何が?」



「真希も祐希クンも一卵性の双子だから、男女であっても似てるってわけだろ?

でも、それだけじゃないんだよなあ。


で、わかったんだよ、俺」


「どういうこと?」


「キミが女っぽい顔してるんだよ。

だから、より一層真希と似ているんだ。

男女の双子であってもね。」



晃は、また、大いに感心したような口調で言った。



「晃さん

もし、俺が布団から顔だけ出してたら、間違って抱いちゃうんじゃない?」

祐希は、敢えて茶化した言い方で晃に言った。


だが、晃は、表情一つ変えず


「余裕だな」


と、言った。

勿論、祐希は驚き、思わず顔を上げ、晃を見て固まった。

そんな祐希の様子をジッと見ていた晃だったが、少し沈黙した後


「祐希クン

誰にも言わないって約束出来る?」

と、祐希に顔を近づけて言った。


「えっ…

うん…」


祐希がぎこちなく返事すると、晃は、さらに声を顰め

「俺、実はバイなんだよ。」

と、言った。


「バイ…」



「どっちかっていうと、女性の方を好きな割合がデカいバイなんだけどね。」



「えっ!

そうなの?」



「内緒だぞ。

マジで」

晃は、顔を少し紅潮させて言った。

だが、祐希は、そんな晃の真意を計りかねており、思わず

「なんで、俺にそんな秘密を?」

と、聞き直した。


晃は


「なんでだろうな…」


と、祐希の顔を見ながら、ぽつりと言った。
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