オレ、母になる

フロイライン

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誘惑

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晃の告白は、祐希に少なからぬ影響と勇気を与えた。

祐希は、晃に惹かれてしまっている事に対し、双子の姉の想いに影響を受けてしまっていると考え、致し方ない事だと開き直っている部分があった。
それ故に、自分で行動を起こすまでもなく、ただ、時が過ぎるのを待ち、真希の思念の呪縛から解放される日を待とうと思っていた。

いくら、自分が晃のことが好きでも、男と男ではどうしようもない事くらい、当然わかっていた…


だが、晃はバイセクシャルであった。

今、本人がそう告白したのである。

何故に、晃は祐希に自身のセクシュアリティをさらけ出したのだろう?


こうなったら、晃の真意を確かめるしかない。


祐希は、思い切った賭けに出た。



「じゃあさあ、晃さん」


「ん?」


「俺と今、キスできる?」


言ってしまった…


祐希は、この言葉を発した後、思いっきり後悔してしまった。

よりによって、双子の姉の婚約者になんて事を…
それも、同じ屋根の下にその姉がいるのに…


すぐに我に返った祐希は、大笑いして、今言った事を冗談にしてしまおうと考えた。


「な、わけないって。

マジになった?」

祐希は、大袈裟に笑い、晃にそう言ったのだが、すぐに黙ってしまった。


何故なら、そんな祐希の口を塞ぐように、晃がキスをしてきたのである。

祐希は、目を見開いて…


石のように固まってしまった。
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