オレ、母になる

フロイライン

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理由

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近くの喫茶店に入った祐希と田子浦は、それぞれがコーヒーを注文した。

田子浦は、祐希のあまりの変身ぶりに、あらためて驚きの色をみせた。


「本当に驚いたよ。
真希君に似てるというレベルではなく、そのものじゃないか。
その体はどうしたんだ?」

田子浦の視線が自身の胸に集中しているのがわかった祐希は

「一年間、女性ホルモンの投与を行っています。
その甲斐あってか、胸が膨らんだり、体がかなり女性化しました。」



「なるほどな。

やはり、キミの中に湧き起こる、その彼への想いは、今も変わらないか?」


「はい。

全く変わりません。」

祐希は、赤面するも、ハッキリと言い切った。


「一年前に、キミの想いというものを聞いて、私なりに色々と調べてみたんだ。

そしたら、実に興味深い事実が判明したんだ。」


「えっ…」


「私は長年双子についての研究を行なってきたんだが、君たち双子の事を知り、研究に協力を頂くことになった。

祐希君と真希君は世にも珍しい、一卵性でありながら、男女の双子だった。

しかし、一卵性双生児で男女になることは理論上不可能だ。

一卵性双生児は、受精卵が一つ分裂して2つになることで発生する。そのため、遺伝子が完全に同じであり、故に性別も必ず同じになるのだ。

つまり、キミら双子は、理論上は、全くもってあり得ない存在だ。」


田子浦教授は、今さらながらに、この奇跡の双子の価値について、説いた。


「じゃあ、ワタシは一体…」



「そうなんだ。

長年、研究を重ねてきたわけだが、最近、私は、ある仮説に辿り着いたんだ。」
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