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自我
しおりを挟む「社長、有紀ちゃんは?」
一人で控え室に戻ってきた槇村に、ヒロミが不思議そうな顔で尋ねた。
「部屋でまだグッタリしてるよ。
アイツはすげーよ。
初めてなのに何回もイッちゃってさ。
ドライでイクことを自然にマスターしやがった。
どえらい逸材を手に入れたもんだぜ。
明日から店に出せそうだ。」
槇村はタバコに火をつけながら達成感に満ち溢れた表情で何度も頷いた。
「社長、あんまり無理させちゃ可哀想よ。
あの子、最近まで普通の男の子だったんでしょ?
強制的に性転換させられてさ
まだ精神と体のバランスが取れてないハズよ。
もっとゆっくり育ててあげないと。」
「まあ、たしかにな。
だが、多村組長は気が短くてな、俺がアイツを甘やかせてる事がわかれば、こっちが危なくなる。
有紀も少し前までは武闘派のイケイケだったらしいぜ。
それが多村さんの逆鱗に触れたおかげであのザマだからな。」
「怖いわね。」
「去勢されたらあんなにおとなしく従順になるんだからなあ。
まさに読んで字の如くだよ。」
「もう元には戻せないしね。」
「ああ。俺たちはアイツに対して同情も差別もしちゃいけねえ。
きっちり働かせて借金完済させる。
それ以上でも以下でもない。」
「そうね。」
「当分はプレイルームで寝泊まりさせるから、必要なもん買うの手伝ってやれ。」
「言われなくても、ワタシが面倒見てあげるわ。
ちゃんと優しくね。」
「あ、それと、アナル拡張を怠らせるなよ。」
槇村はそう言い残して控え室を出て行った。
ヒロミは帰り支度を済ませると、亮輔を迎えにCルームに入っていった。
部屋を覗くと、亮輔がまだ裸のままで
グッタリと横になっている。
「有紀ちゃん、大丈夫??」
亮輔はトロンとした目で
「あ、ヒロミさん…」
と呟いた。
「有紀ちゃん、初めてにしてはなかなか良いノリしてたみたいね。」
ヒロミが笑って言うと、亮輔も照れたような笑みを浮かべ
「どうなんですかねえ」
と、呟いた。
「有紀ちゃん、私も今日はもう帰るし、ご飯でも食べに行こうよ。奢るからさ。」
「あ、はい、すぐに用意します。」
亮輔はやっと我に返り、飛び起きた。
外に出ると、辺りはすっかり暗くなり、通勤帰りのサラリーマンやOLで街が賑やかになっていた。
「有紀ちゃん、何食べたい?」
ヒロミが尋ねると
「ラーメンが食べたいです。
3ヶ月も入院してたんで、しばらく食べてないんですよ。」
と、亮輔は笑って答えた。
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