ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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闇堕ち編

lost

何が起きたのか、薫は頭が真っ白になり、その場で茫然とするだけだった。

しかし、しばらくすると、ようやく我を取り戻した。

体に重みを感じながら…


重み?


視界が開けないのはそのせいだ。


薫は、多喜に覆い被され、下敷きになったような形で床に倒れているのだ。


「えっ…」

少し状況が飲み込めてきた薫は、多喜を抱きしめながら、起き上がろうとした。


だが、多喜の体が重く起き上がれない。


そして

薫は手に生温かいものを感じ、その手を自分の目の前に持ってきた。

それは血であった。

自分はどこも痛くない


血を出しているのは…


「あなた!」

薫は、ようやく起き上がり、多喜に呼びかけた。

しかし、多喜は何も反応せず、目を瞑ったままであった。


「誰か…」

助けを求めようと、薫は顔を上げたが、あちらこちらで悲鳴と、自分と同じように助けを求め、救急車を要請する声が飛び交っていた。


未来もまた、純白のウエディングドレスを血で真っ赤にしながら、誰かに縋りつき泣き叫んでいた。

倒れているのは?

薫の方からは足だけしか見えなかった。





現場には救急車が何台も到着し、次々と生死不明の被害者を運び出していった。


事件から数時間後、警察からの発表があり、この銃乱射事件による死亡者と重軽傷車の氏名が明らかになった。

マスコミはこぞってこのセンセーショナルな事件を報道した。


死亡が確認されたのは、新郎の優磨、多喜、沢木組組長の庄山、沢木組組員の赤石、大西組組長の大西の五名。

重傷者は、大西組幹部の松山亮輔ほか三名。

軽傷者は二名だった。


犯人は、そのターゲットをほぼ仕留め、首謀者である多村達を歓喜させた。

一日にして、多くの人達が送っていた日常が、いとも簡単に奪われてしまったのだ。
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