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真愛

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美智香の温もりを頬に感じて、真弥は目を覚ました。

「んんっ

おはよう…みっちゃん」

真弥は美智香に言うと

「おはよう…真弥君」

と、目を潤ませながら言った。


「どうしたの?」


「ううん。
何でもないの…

変な夢見ちゃって、ちょっと昔のイヤな事を思い出したの。」


「大丈夫だよ、みっちゃん
僕が付いてるから」

真弥は美智香を包み込むように抱きしめて、優しげな口調で言った。


「真弥

愛してる…

心から愛している」

美智香は真弥の胸に顔を埋めて言った。


「美智香、キミを一生愛し、絶対に幸せにするから。

過去に辛い事があったかもしれないけど
これからの人生は夫の僕がキミを守っていく。
この命をかけてもね。」


「大げさよ。

でも、嬉しい
すごく嬉しいよ」



「みっちゃん、同棲の話だけど、なるべく早くにこっちに来ていい?」


「勿論、いいけど、どうして?」


「みっちゃんの話を聞いてて、前のご主人が今になって現れたり、何かをしてくる事はないとは思うんだけど、なんかイヤな予感がするんだよ。」


「イヤな予感?

やめてよぉ、もう思い出したくもない過去なんだから。」


「わかってるよ。
でも、胸騒ぎがするっていうか…
みっちゃんの側にいたいんだよ。
一日でも早く」


「ありがとう、真弥君

真弥君のタイミングで来てくれたら、私はいつでもいいからね。」


「じゃあ、お言葉に甘えて、今度の休みに引越そうかな。」


「うん。
ここにあるものは何でも使ってもらって構わないし、とりあえずは、必要な服とかを持ち込んでもらって、後から優先順位の低いものを追々運べばいいし。」

「そうだね。

じゃあ、次の土曜日に引越しさせてもらうよ。
図々しいんだけど、みっちゃんも手伝いに来てくれる?」


「それは全然いいけど…

でも、真弥君て実家だよね…」


「うん。
いい機会だし、母さんに会ってもらおうかなって」


「ムリムリムリ

いつかはお会いしなきゃって思うけど、それは今じゃないって!

私の心の準備が出来てないわ。」


「この前も言ったけど、母さんにはみっちゃんの事をもう話してるし、早く会いたいって言ってるんだ。
だから、安心して。」


「私の年齢の事とか、ちゃんと言ってる?」


「勿論」


「それでも会いたいって?」


「そうだよ」


「えーっ、ウソ…」


美智香は頭が真っ白になってしまったが、いつかは必ず通らねばならない道であり…

結局は、イヤな事は先に済ませるという選択をする事にした。


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