どんぐり

フロイライン

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実験失敗

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「うーん…」


晃は、難しい顔で、腕組みをしたまま固まってしまった。


「叔父さん…

どうなの?」



「最悪の事態になってしまったようだ。」


「えっ!」


ヒロトと海里は、思わず声を揃えてしまった。


晃は、焦る二人を尻目に、割と冷静な口調で


「お前たちの言った通りだ。

脳が戻りきっていない…

いや、戻りきってないというより、全く戻っていない。」


「えーっ!!」


ヒロトは、真っ青になり、その場に立ち尽くした。


「叔父さん、どうしたらいいの?」


「正直言って、解決策はない。」



「うそ…」



「心配するなとは言いにくいが、これから解決策を見つけ出すために努力はする。

とりあえず、夏休みの間は耐えてくれ。」


「叔父さん

本当に夏休み中に解決策を見つけられるの?」



「わからん。

だが、それに賭けるしかない


そういう状況だ。」



結局、その日は何も進展はなく、ヒロトは肩を落とし、海里を伴って自宅に帰ってきた。



「ヒロト

きっと、何とかなるって。

そんなに思い詰めんなよ。」



海里は、落ち込むヒロトに言葉をかけたが


「戻れなかったらどうすんのよ!

ワタシ、こんな中途半端な感じで生きてなんていけないわ!」


ヒロトは、感情的になり、泣いて海里の胸に顏をうずめた。


男の姿に戻ってはいるが、中身がすっかり女になってしまったヒロトは、海里に甘えるような仕草で、抱擁を求めた。


海里は、戸惑いがあったが、セックスをした間柄でもあり、強いシンパシーが湧いてきて、ヒロトを抱きしめ、背中を摩った。
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