どんぐり

フロイライン

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ハードル

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海里は、男に戻ったヒロトとでもヤレるとハッキリ言った。


しかし、少し冷静になると、やっぱり無理であるということがわかってきて、急激に冷めていった。


ヒロトも、そんな海里の様子を見て、彼がどういう心理状況にあるのかを理解した。



「ねえ、海里」



「えっ、何?」



「さっきはできるって言ったけど、やっぱり男とはヤレないでしょ?」


「まあ、それはたしかに…」



「わかるよ、その気持ち。

ゲイでもないかぎり、やっぱ、フツーの男とするなんてゾッとするよね。」



「いや、そこまでは…


ごめん…」



「謝らないで。


でも、ワタシ、不安で不安で仕方がないの。


ねえ、手を握ってくれる?


それならいいでしょ…」



ヒロトの言葉に、海里は小さく頷くと、その手を握った。


体は男子に戻ってしまったヒロトだったが、その手は女子のように柔らかだった。



海里は、不安で怯えるヒロトを励ましながら、時を過ごすのだった。
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