どんぐり

フロイライン

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「叔父さん

あれからどうなの?」


叔父と二人になると、ヒロトはすぐに質問した。


「ん…

まだ、進んではいない。」


晃は、申し訳なさそうに言い、視線を逸らした。


ヒロトは、ため息をつきつつも、予想通りの回答に、達観した表情で小さく頷いた。


「ワタシ

このままだとどうなってしまうのかなあ。

オネエとして生きてかなきゃなんないの?」



「ヒロト

やはり、恋愛対象は男か?」


「うん。

女子には全く興味ない。

男の人しか好きになれないよ、今は。

あれだけ女好きのエロ男としてクラスでも有名だったのに…」


「もし、元に戻す方法が発見されなかった場合

もう一度女になるか?」



「うーん…

もうお母さんも姉ちゃんも帰ってきちゃってるしなあ。

どうやって説明したらいいんだろう…」



「それについては、俺からも説明するよ。」


晃の言葉は、ヒロトの気持ちを堕とすのに十分すぎるくらいであった。


何故なら、晃は、すごい自信家で、こんな弱気な事を言う人間ではなかった。

少なくとも、今回の薬については特に。

ヒロトは、元に戻れない可能性が高い事を肌で感じながら、叔父の言葉に耳を傾けていた。


「叔父さん

この前ここに一緒来てた子がいたでしょ?

あの子を今から呼んでもいい?」


「別にかまわんが…」


晃がそう答えると、ヒロトは海里に電話をかけた。

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