どんぐり

フロイライン

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外に出たヒロトと海里は、二人並んで歩きながら言葉を交わした。


「ヒロト

本当にいいのか?

女になっても。」


「うん。

だって脳が女性化してるんだし、その方がラクだわ。
気持ちも…」


「まあ、そうだな。

でも、なんで俺をここに呼んだんだ?」


「それは…

海里は、ワタシの事心配してくれてたし、あのとき女になる事を選択して欲しいって言ったじゃん。

もう一度確認したかったの。」


「そっか。


ところで、お前

受験はもう諦めたのか?」



「うん。
諦めた。

もし、このままの状態で大学通うのも気持ちがしんどいし、女になったとしたら、それはそれで色々と大変じゃん。

戸籍の問題とか、色々出てくると思うし、女子として認めてもらえるかわかんないし。


それに、夏休みから今まで全く勉強してないし、もうムリなんだよ、どちらにしても。」


「まあ、しゃあないか。

俺は鍼灸の専門学校に進むし、お前もそういうのとか、とりあえずバイトしてみるとか、何をやるか考えてみるといいと思うよ。

それどころじゃねえだろうけど。」



「うん。ありがとう

あとは、帰ってきてるお母さんと姉貴になんて言うかだなあ。

進路変更については、なんとか言えそうだけど、それ以外の事については、まずは信じてもらえないだろうからなあ。

そのときは叔父さんに一緒に来てもらって話してもらうよ。」


ヒロトはそう言うと、少しだけ笑った。

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