どんぐり

フロイライン

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煩悩

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自分の成績不振は、やはり性欲過多によるものだった。

八月に入る頃、ヒロトは、はっきりと自覚した。

それが証拠に、男性器を失くしてからのヒロトはまさに別人のようで、ひたすら勉強に集中出来たのだった。




「叔父さん

おかげで勉強に集中できるようになったよ。」


ヒロトは、晃の研究室に来て礼を述べた。



「それは、よかったな。

役に立てて何よりだよ。」


「叔父さん、この調子なら受験の時までこの体でも大丈夫なんじゃないかな。」


「おいおい、学校はマズイだろ」


「でも、元に戻ったらまた俺は…」


「気持ちはわからんでもないが、三ヶ月以上その体でいることは、危険だと言わざるを得ない。」


「えっ、そうなの?」



「いや、わかってないんだよ。
まだ、何も。

これまでの実験と、経験則から、夏休み期間くらいは大丈夫だと判断できたが、それ以上だと、何が起きるかわからん。」


「えーっ、怖いなあ。」


ヒロトは、少し不安そうに言った。


「夏休みの四十日間は大丈夫だよ。

さあ、そこに寝なさい。

一応検査しとくから。」


「うん。」


ヒロトは、診察用のベッドに乗り、仰向けに寝た。


「よし、パンツを下ろして。」



「恥ずかしいなあ…」


「私は医療従事者であり、科学者だ。

何も恥ずかしがることはない。」



晃は、ヒロトの女性器を食い入るように見た。


「何か問題はないか?」


「うん。

オシッコも慣れてきたし、そんなに問題はないよ。」


「そうか。

まあ、何も異常はない。


よし、ついでに他も診ておこうか。

シャツを捲って。」


ヒロトは、晃に言われるままに、上半身をさらけ出した。


「…」


晃の顔つきが微妙に変化するのを、ヒロトは見逃さなかった。


「ちょっと、何?

何か異常があるの?」


ヒロトが慌てふためいて質問する中、晃は黙ったままでいたが…

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