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wild thing
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「へえ、もっと汚くしてると思ってた。」
海里は、ヒロトの部屋を見回しながら呟いた。
「俺は元々キレイ好きなんだよ
飲み物何にする?
コーラ?」
「お茶でいいよ。」
「てか、俺の部屋で食う事もねえな。
こんな狭くて食いにくいとこで。
下で食おう。」
ヒロトは、海里を一階のダイニングに案内した。
「誰かと飯食うの久しぶりだよ。」
ヒロトは、スプーンを口に運ぶと、海里を見て笑った。
「そうだよなあ。
お前も受験生なのに大変だなぁ。」
「まあ、こればっかはしゃあないよ。
姉ちゃんが病気なんだし、そっちが優先だよ。
俺は別に受験に失敗しても命がどうのこうのになるわけじゃないし。」
「ヒロト」
「ん?」
「お前、なんか変わったな。」
「えっ、何が?」
「なんか、落ち着いたっていうか…
お前って、めっちゃガサツで落ち着きないし、エロいし、酷かったじゃん。」
「えーっ、そんな事ねえよ。
ただ、このままだとヤバイって思ったから、心を入れ替えただけさ。」
「心を入れ替えたか…
それだけでこうも変わるものなのか。」
海里は、ヒロトをじっと見つめると、すぐに視線を切り、ご飯を掻き込んだ。
ヒロトも、そんな海里の様子を見ていたが、少しバツが悪そうな表情を浮かべ、オムライスを口にした。
二人は、それから無言となり、食べ終わるまで一言も喋らなかった。
だが、食べ終わり、しばらくの沈黙の後…
ヒロトは、徐に呟くように言った。
「藤田…」
「えっ?」
「誰にも言わないって約束できるか?」
「えっ、あっ…
おう、出来るよ。」
「わかった。
俺の秘密をお前だけに言っとく。」
ヒロトは、そう言うと、少し顔を海里に近づけた。
海里は、緊張気味にヒロトの目を見つめていたが、耐えきれなくなったのか、すぐに逸らしてしまった。
ヒロトは、海里にかまわず話を続けた。
「実は、俺の叔父さんていうのが或る研究をしていてな。
俺は、その研究の被験者になったんだ。
その影響があって、俺の様子が変わったってお前は思ったのかもしれない。」
「被験者?
なんだ、それ…」
「本当に内緒だぞ。」
「あ、ああ。」
ヒロトは一呼吸置くと、海里を見つめて真相を話した。
「俺、今さあ…
ちんちんが無えんだよ。」
「はあ?」
「俺の余りある性欲が受験勉強の邪魔をしてる事を叔父さんに相談したら、注射でちんちんを無くしてくれたんだ。」
「…
ヒロト…
お前、何言ってんの?」
「だよなあ。
こんな話聞いても信じられるわけねえよな。
当事者の俺だって、いまだに信じられない思いでいるよ。」
ヒロトが真剣な表情でそう言うと、海里は、何も言葉を返せなくなってしまった。
海里は、ヒロトの部屋を見回しながら呟いた。
「俺は元々キレイ好きなんだよ
飲み物何にする?
コーラ?」
「お茶でいいよ。」
「てか、俺の部屋で食う事もねえな。
こんな狭くて食いにくいとこで。
下で食おう。」
ヒロトは、海里を一階のダイニングに案内した。
「誰かと飯食うの久しぶりだよ。」
ヒロトは、スプーンを口に運ぶと、海里を見て笑った。
「そうだよなあ。
お前も受験生なのに大変だなぁ。」
「まあ、こればっかはしゃあないよ。
姉ちゃんが病気なんだし、そっちが優先だよ。
俺は別に受験に失敗しても命がどうのこうのになるわけじゃないし。」
「ヒロト」
「ん?」
「お前、なんか変わったな。」
「えっ、何が?」
「なんか、落ち着いたっていうか…
お前って、めっちゃガサツで落ち着きないし、エロいし、酷かったじゃん。」
「えーっ、そんな事ねえよ。
ただ、このままだとヤバイって思ったから、心を入れ替えただけさ。」
「心を入れ替えたか…
それだけでこうも変わるものなのか。」
海里は、ヒロトをじっと見つめると、すぐに視線を切り、ご飯を掻き込んだ。
ヒロトも、そんな海里の様子を見ていたが、少しバツが悪そうな表情を浮かべ、オムライスを口にした。
二人は、それから無言となり、食べ終わるまで一言も喋らなかった。
だが、食べ終わり、しばらくの沈黙の後…
ヒロトは、徐に呟くように言った。
「藤田…」
「えっ?」
「誰にも言わないって約束できるか?」
「えっ、あっ…
おう、出来るよ。」
「わかった。
俺の秘密をお前だけに言っとく。」
ヒロトは、そう言うと、少し顔を海里に近づけた。
海里は、緊張気味にヒロトの目を見つめていたが、耐えきれなくなったのか、すぐに逸らしてしまった。
ヒロトは、海里にかまわず話を続けた。
「実は、俺の叔父さんていうのが或る研究をしていてな。
俺は、その研究の被験者になったんだ。
その影響があって、俺の様子が変わったってお前は思ったのかもしれない。」
「被験者?
なんだ、それ…」
「本当に内緒だぞ。」
「あ、ああ。」
ヒロトは一呼吸置くと、海里を見つめて真相を話した。
「俺、今さあ…
ちんちんが無えんだよ。」
「はあ?」
「俺の余りある性欲が受験勉強の邪魔をしてる事を叔父さんに相談したら、注射でちんちんを無くしてくれたんだ。」
「…
ヒロト…
お前、何言ってんの?」
「だよなあ。
こんな話聞いても信じられるわけねえよな。
当事者の俺だって、いまだに信じられない思いでいるよ。」
ヒロトが真剣な表情でそう言うと、海里は、何も言葉を返せなくなってしまった。
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