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面会
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その日、俺の部屋に日本人が訪問してきた。
日本人といっても、学校関係者や大使館の人じゃない。
ここに入院してる日本人だ。
そう、本来、この人が女になる手術を受ける予定だったんだ。
広野さん…
話を聞いて訪ねてきたくれたんだって。
「失礼します」
広野さんは少しおどおどしながら部屋に入ってきた。
パジャマ姿だった。
そうか
多分、あの後にちゃんと性転換手術を受けたんだ。
「初めまして
広野といいます」
「あ、こちらこそ初めまして
酒井翔太です。」
俺はこの広野って人のことをジッと観察してみた。
俺と間違われたって言ってたけど…
そんなに似てるかなあ。
髪型は俺が長いのか、広野さんがショートなのかはわからないけど、まあ似ている。
顔は似てない
入院中で化粧をしてないから、女の人にも見えない。
でも、体つきは何となく女っぽいかな。
「この度は、ワタシと間違われて、このような事になり、何て言ったらいいのかわかりませんが…」
広野さんは申し訳なさそうに、俺とお母さんに頭を下げた。
「いえ、広野さんは別に何も悪くないし…
謝ってもらう必要なんてないですよ。
もう、性転換手術は終わられたんですか」
「あ、そうなんです。
昨日からようやく動いてもいいって言われて…」
「痛いっすよね」
「うん。めちゃくちゃ痛い」
目指すところは違う二人だけど、痛みについては分かり合えるので、二人で言って、そして、笑った。
これが広野さんと俺のファーストコンタクトだった。
まさか、この人と長い付き合いになるとは、この時の俺は夢にも思っていなかった。
日本人といっても、学校関係者や大使館の人じゃない。
ここに入院してる日本人だ。
そう、本来、この人が女になる手術を受ける予定だったんだ。
広野さん…
話を聞いて訪ねてきたくれたんだって。
「失礼します」
広野さんは少しおどおどしながら部屋に入ってきた。
パジャマ姿だった。
そうか
多分、あの後にちゃんと性転換手術を受けたんだ。
「初めまして
広野といいます」
「あ、こちらこそ初めまして
酒井翔太です。」
俺はこの広野って人のことをジッと観察してみた。
俺と間違われたって言ってたけど…
そんなに似てるかなあ。
髪型は俺が長いのか、広野さんがショートなのかはわからないけど、まあ似ている。
顔は似てない
入院中で化粧をしてないから、女の人にも見えない。
でも、体つきは何となく女っぽいかな。
「この度は、ワタシと間違われて、このような事になり、何て言ったらいいのかわかりませんが…」
広野さんは申し訳なさそうに、俺とお母さんに頭を下げた。
「いえ、広野さんは別に何も悪くないし…
謝ってもらう必要なんてないですよ。
もう、性転換手術は終わられたんですか」
「あ、そうなんです。
昨日からようやく動いてもいいって言われて…」
「痛いっすよね」
「うん。めちゃくちゃ痛い」
目指すところは違う二人だけど、痛みについては分かり合えるので、二人で言って、そして、笑った。
これが広野さんと俺のファーストコンタクトだった。
まさか、この人と長い付き合いになるとは、この時の俺は夢にも思っていなかった。
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