120 / 323
破壊と和解
しおりを挟む
広野さんと久しぶりにやり取りが出来て、いつもの長い電車の中での時間も、有意義にすごす事が出来た。
お母さんと楓悟には、帰ってから部屋でゆっくり返信した。
ふう…
終わった終わった。
お母さんはあっさりとしたやり取りだったんだけど、楓悟は、何度も返信してくるもんだから、その度にワタシも返してたら、すっかり遅くなっちゃった。
そろそろお風呂に入んなきゃ。
そう、思って着替えを取ろうとした瞬間、部屋をノックする音が耳に入ってきた。
この時間帯
部屋をノック…
間違いなく、賢太だ…
あの事件以来、互いに気まずくなって、会話どころか顔を合わすのを避けているような感があった。
なのに…
「あの、ちょっといいかな」
ドアの向こうから、やはり賢太の声が聞こえてきた。
…
しゃあない
「うん。
どうぞ…」
ワタシがそう返事すると、ゆっくりドアが開き、賢太が緊張した面持ちで中に入ってきた。
「どうしたの?」
「あ、いや…」
賢太は何か話しにくそうにしてたので、ワタシが助け舟を出した。
「何か話があるから来たんでしょ?
いいよ、何でも話して。」
「あ、うん…
あの、専門学校に行くんやな?
楓悟と一緒のお菓子の。」
「うん。
そうよ。
それがどうかした?」
「いや、アイツから聞いたんだけど、ここを出て一人暮らししようと思ってんやろ?」
「楓悟が言ってた?
もう、アイツ喋りなんだから。
そうだね。一人暮らしをするつもりよ。」
「あの…俺があんな事したから…
出ていくんやろ?」
「えっ
いや、違うよ。」
「でも…」
「たしかに、アレは多少はショック受けたけど、ワタシも元々男だったワケだし、そんな事で引いて出ていくほどヤワじゃないよ。」
「それやったらええけど…」
「ワタシさあ、ホントだったら三月くらいまでこっちにお世話になって、四月からは東京に戻ろうとしてたのよ…最初はね。
でも、楓悟と付き合うようになって、こっちに居る理由が出来たってか…」
ホント、コレなんだよなあ、岡山に住み続ける理由は。
まさか彼氏が出来るとは思ってなかったわけだし、妹尾さんの言う通り、サイアクの理由でこっちに残るのです、ハイ。
この気持ちを理解してくれる人っているんだろうか…
やっぱり広野さんよね。
早く会って、いっぱいお話ししたい。
お母さんと楓悟には、帰ってから部屋でゆっくり返信した。
ふう…
終わった終わった。
お母さんはあっさりとしたやり取りだったんだけど、楓悟は、何度も返信してくるもんだから、その度にワタシも返してたら、すっかり遅くなっちゃった。
そろそろお風呂に入んなきゃ。
そう、思って着替えを取ろうとした瞬間、部屋をノックする音が耳に入ってきた。
この時間帯
部屋をノック…
間違いなく、賢太だ…
あの事件以来、互いに気まずくなって、会話どころか顔を合わすのを避けているような感があった。
なのに…
「あの、ちょっといいかな」
ドアの向こうから、やはり賢太の声が聞こえてきた。
…
しゃあない
「うん。
どうぞ…」
ワタシがそう返事すると、ゆっくりドアが開き、賢太が緊張した面持ちで中に入ってきた。
「どうしたの?」
「あ、いや…」
賢太は何か話しにくそうにしてたので、ワタシが助け舟を出した。
「何か話があるから来たんでしょ?
いいよ、何でも話して。」
「あ、うん…
あの、専門学校に行くんやな?
楓悟と一緒のお菓子の。」
「うん。
そうよ。
それがどうかした?」
「いや、アイツから聞いたんだけど、ここを出て一人暮らししようと思ってんやろ?」
「楓悟が言ってた?
もう、アイツ喋りなんだから。
そうだね。一人暮らしをするつもりよ。」
「あの…俺があんな事したから…
出ていくんやろ?」
「えっ
いや、違うよ。」
「でも…」
「たしかに、アレは多少はショック受けたけど、ワタシも元々男だったワケだし、そんな事で引いて出ていくほどヤワじゃないよ。」
「それやったらええけど…」
「ワタシさあ、ホントだったら三月くらいまでこっちにお世話になって、四月からは東京に戻ろうとしてたのよ…最初はね。
でも、楓悟と付き合うようになって、こっちに居る理由が出来たってか…」
ホント、コレなんだよなあ、岡山に住み続ける理由は。
まさか彼氏が出来るとは思ってなかったわけだし、妹尾さんの言う通り、サイアクの理由でこっちに残るのです、ハイ。
この気持ちを理解してくれる人っているんだろうか…
やっぱり広野さんよね。
早く会って、いっぱいお話ししたい。
14
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる