ハカイジ

堕ちる

「きっかけはキミにプレゼントを買おうとして作った借金かもしれない。

でも、その後については全て自分が悪いんだ。

借金が増えていき、キミは、そんな僕に愛想を尽かせて出ていった。

それからの僕は、自暴自棄になり、ギャンブルで借金を取り戻そうなんて甘い考えにハマり、益々負債が増えていった。

そして、あまり評判のよくないところからも借金をしてしまい、それらの債権は別の会社に移り、僕はここに連れてこられた。」



「でも、レン君

だからって、なんでそんな体にされたのよ！」



「それは…

さっきの安田って人がそういう趣味で、自分が気に入った男を女性化させて弄んでるんだ。

僕は、特に気に入られたようで…」



「そんな…
いつここを出られるの？」



「わからないよ。

でも、元々言われてたのは、ほぼ一生出られない計算だって…」


「そんなのめちゃくちゃじゃない！

違法行為よ！」





「違法ではないよ。」


激昂している愛果の背後から、安田が入ってきて言った。


「違法じゃないですか！

こんなところに監禁して。」



「お嬢さん

どう考えても、おたくの元旦那が悪いだろう？

借金する奴はクズだよ。

社会の底辺、ゴミ、どうしようもない社会弱者だ。

我々は、それ以上借金を増やさないように救ってやってるんだ。

わかるかね？」



「わかるわけないでしょう！

あなた達がやっていることは明らかに犯罪です！」


安田と愛果は、交じることのない議論を続けた。