ハカイジ

思惑通り

全身汗だくになりながら、必死に頑張るレンと愛果だったが、結局、レンの股間は全く反応せず、時間切れとなった。


最後まで見届けた安田は、椅子から立ち上がり、落ち込む二人に

「いいものを見せてもらったよ。」

と、笑みを浮かべながら声をかけた。


「ごめんなさい…うっ…」


レンは、自分のために辱めを受けながら頑張った愛果に泣きながら謝った。

愛果は、暫し茫然としていたが、ようやく立ち上がり、床に落ちていた服を着始めた。


もう、自分の裸を安田のような人間の目に触れさせたくなかったからだ。


「残念だが、ワシとの約束は、果たされなかったな。

刑期短縮の話はナシだ。


奥さん、色々楽しませてくれてありがとう。

もう帰ってもらっていいよ。」


安田の言葉に、愛果は一切の反応を示さなかったが、言われた通り、その場から去っていった。

もう、レンの方を見る事もなく…


さっきまでは、レンとヨリを戻そうと、強い気持ちで臨んでいた。

だからこそ、安田の前で裸を晒し、恥ずかしい行為をすることも厭わなかった。

だが、夫はもう男ではなく、ほとんど女になっていた。

肉体も中身も。


見捨てるのか、まだ希望を捨てないのか

自分でもどうしていいかわからない愛果だったが、今はここから出ていきたい。
そんな思いに包まれ、逃げるようにして去っていったのである。