8 / 88
捌きと裁き
しおりを挟む
「睾丸の摘出をしました。
今後は恒久的に女性ホルモンの投与を行い、女性的な体型になるよう処置を施していきます。」
麻酔から醒めて、呆然とするレンに、坂本は淡々と語った。
「何故こんな事を…」
「あなたが選択されたからですよ。
地上勤務ではなく、地下での生活を。」
「いや、それは…」
「ここで生活されるなら、この処置はマストです。」
「…」
それ以上、レンは質問をしなかった。
勿論、坂本もそれ以上の説明をせず、しばらく休ませた後、レンを部屋に帰した。
睾丸の摘出?
女性ホルモン?
自分の体が何故そのようにされたか、レンには見当もつかなかったが、理由を教えてくれる者もおらず、術後の痛みに苦しみながら、一人での生活が続いた。
坂本の言っていた通り、程なくして、女性ホルモン剤の投与が始まり、レンは、定期的に注射を打たなくてはならなくなった。
それが一ヶ月ほど続いた、ある日の朝
いつものように部屋で朝食を食べていたレンの元に、係官が入ってきて
「平野、これを着て外に出ろ」
と、袋を手渡し、指示を出してきた。
袋の中身を見てみると、中にはジャージの上下が入っていた。
「何ですか?」
「今、お前が受けているホルモン注射は太りやすいということでな、一ヶ月を経過した者から運動をさせる事になっている。」
「運動…」
レンは、言っている意味がわからなかったが、ジャージに着替え、係官に付いて、建物の外に出た。
外に出てみると、広大な敷地を誇るだけに、広々としたグランドが広がっていた。
一ヶ月ぶりの日の光を浴び、眩しそうな顔をするレンだったが、係官は前方を指差し
「あそこに何人かいるだろう?
お前も合流して、しばらく待っていろ。」
と、言い、去っていった。
たしかに、何人かの人間が自分と同じようにジャージ姿で立っている。
レンは言われた通り、集団に近づいていった。
しかし、遠くからはよくわからなかったが、近づいていくと、その集団が女性である事に気付いた。
見たところ、自分より少し年上の人間が多い。
そのうちの一人、一番手前にいた髪の長い女性がレンに気付き、軽く会釈をした。
レンも慌てて頭を深く下げたのだが、すぐにある事に気付いてしまった。
何故なら、その髪の長い女性が喋ったからである。
「おはよう」
と。
野太い男声で。
今後は恒久的に女性ホルモンの投与を行い、女性的な体型になるよう処置を施していきます。」
麻酔から醒めて、呆然とするレンに、坂本は淡々と語った。
「何故こんな事を…」
「あなたが選択されたからですよ。
地上勤務ではなく、地下での生活を。」
「いや、それは…」
「ここで生活されるなら、この処置はマストです。」
「…」
それ以上、レンは質問をしなかった。
勿論、坂本もそれ以上の説明をせず、しばらく休ませた後、レンを部屋に帰した。
睾丸の摘出?
女性ホルモン?
自分の体が何故そのようにされたか、レンには見当もつかなかったが、理由を教えてくれる者もおらず、術後の痛みに苦しみながら、一人での生活が続いた。
坂本の言っていた通り、程なくして、女性ホルモン剤の投与が始まり、レンは、定期的に注射を打たなくてはならなくなった。
それが一ヶ月ほど続いた、ある日の朝
いつものように部屋で朝食を食べていたレンの元に、係官が入ってきて
「平野、これを着て外に出ろ」
と、袋を手渡し、指示を出してきた。
袋の中身を見てみると、中にはジャージの上下が入っていた。
「何ですか?」
「今、お前が受けているホルモン注射は太りやすいということでな、一ヶ月を経過した者から運動をさせる事になっている。」
「運動…」
レンは、言っている意味がわからなかったが、ジャージに着替え、係官に付いて、建物の外に出た。
外に出てみると、広大な敷地を誇るだけに、広々としたグランドが広がっていた。
一ヶ月ぶりの日の光を浴び、眩しそうな顔をするレンだったが、係官は前方を指差し
「あそこに何人かいるだろう?
お前も合流して、しばらく待っていろ。」
と、言い、去っていった。
たしかに、何人かの人間が自分と同じようにジャージ姿で立っている。
レンは言われた通り、集団に近づいていった。
しかし、遠くからはよくわからなかったが、近づいていくと、その集団が女性である事に気付いた。
見たところ、自分より少し年上の人間が多い。
そのうちの一人、一番手前にいた髪の長い女性がレンに気付き、軽く会釈をした。
レンも慌てて頭を深く下げたのだが、すぐにある事に気付いてしまった。
何故なら、その髪の長い女性が喋ったからである。
「おはよう」
と。
野太い男声で。
3
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる