ハカイジ

フロイライン

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破壊者

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三橋とレンは昼休みが終わる時間になってもまだ、会話を続けていた。


「この施設が出来て三年

そして、選別を受けて、地下に来た人間は20人程度。」


「それって多いんですか?」



「少ないわよ、本当に。

だって、地上勤務者は、ワタシも詳しい数は知らないけど、600人くらいいるって話よ。」


「そんなに…」


「まあ、自分で言うのもアレだけど、ここにいるのは、みんなルックスが良くて、安田のお眼鏡に適った人達よ。」


「そうですね…
皆さん、美人です。

本当に女性だと思いました。」


「あなたもまだ一ヶ月だから、体もそんなに変化してないけど、すぐに女らしくなるわよ。」


「どうでしょう…

僕はそういう趣味はないので…」


「甘いわね。

自分の意思なんて関係ないわ。
無理矢理にでもそういう方向に持ってかれるわ。

それが、ここのやり方よ。

そして、それに逆らう事なく合わせていく事だけが、生き残る唯一の道。」


「あ、そうだ

二年でここを出れた人がいたって聞きましたけど、それって本当ですか?」


「ええ、事実よ。

なんで出られたか、わかる?」


「いえ…」


「安田に気に入られたからよ。

すご~くね。」


「そうだったんですか…」


「だから、ここを出られたのは事実だけど、それからどうなったかはわかんないわ。

完全に自由になれたかもしれないし、未だに辛い目に遭っているかもしれない。」


「…」


「三橋ちゃん

その辺にしときなさい。
看守がもう来るわよ。」


二人の話を隣で黙って聞いていた片山が、二人の会話に割って入ってきた。


「そうね。

レンちゃん、今度また話してあげるわ。」


三橋は、そう言うと姿勢を正して座り直した。


レンも慌てて、三橋を真似て背筋を伸ばした。


片山が言った通り、担当の男が食堂に入ってきて


「昼休みは終了だ。


各自、部屋に戻れ」

とキツめの口調で命じた。


全員が返事をして立ち上がり、食堂を出た。

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