ハカイジ

交際

レンは、生まれて初めて女子から好きと言われた。

そして、半信半疑のまま愛果に、デートしようと言うと、二つ返事で頷いた。

レンにとって、初めて恋人が出来た瞬間であった。


愛果という学年でもトップクラスのルックスを誇る彼女が出来てしまったレンだったが、生まれてからずっと非モテ街道を進んできたため、どう接していいか、どんなデートをしていいか、さっぱりわからなかった。


しかし、愛果は、レンと一緒にいるだけで喜んでくれて、レンが必死に考えたにもかかわらず、オタクっぽいデートコースになってしまったのも、心から楽しそうにしてくれたのだった。

最初のうちは遠慮がちで、愛果に対し、腫れ物に触るように接していたレンも、段々と慣れてきて、ごく自然体で愛果と接することが出来るようになっていった。




そして、付き合い始めて半年。


レンと愛果は初めてのセックスをした。


互いに初めてということで、なかなか上手くできず、挿入は辛うじてできたが、すぐに終わってしまった。

レンは、すぐイッてしまったが、愛果が痛がった事で、ちょうどいい頃合いで終われたのだった。


愛果は、上手く出来ずに落ち込むレンを優しく抱きしめた。

レンは、愛果の大きな乳房に顔を埋めながら、付き合っているという実感を得て、気を取り直した。



その後、二人はベッドの中でイチャイチャしていたが、少し間ができたとき、愛果がポツリと話しかけた。



「ねえ、レン君。」



「えっ、どうしたの？

愛果ちゃん」



「高校出たらどうするの？」


「俺？

全然考えてないんだけど…俺って全然勉強出来ないし、就職するしかないかなって。

愛果ちゃんは大学行くんだよね？」



「ううん。
私も就職するつもり。」


「えっ、なんで？

愛果ちゃん、めっちゃ勉強出来るじゃん。」



「ウチ、父子家庭じゃない？

色々と大変なんだよね。
だから、進学はムリかなって。」


「愛果ちゃんなら、奨学金もらって大学行くのがいいんじゃない？
勿体無いよ。」


「ううん。
いいの。

私ね、早く家を出たいの。」


「えっ…」


「ねえ、レン君


レン君も就職するんだったら、一緒に東京に行かない？

二人で部屋借りて働いたら、何とかなるんじゃないかなあ。」


「えっ、えっ…」


「イヤ？」


「イヤじゃないよ、全然。

でも…

俺でいいの？」



「レン君がいいの。

私の事も理解してくれてるし、私もレン君の前なら素直な自分でいられるもの。

好きよ。」


「愛果ちゃん…

俺も大好き！」


レンは、稚拙ながらも激しいキスを愛果にした。