ハカイジ

フロイライン

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うまい話

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「平野君

さっき柿崎が言ったように、これからの日本は医療費がどんどん跳ね上がり、貧乏人どころか、中流の人達だって気安く病院に通えなくなる時代になると思うんだ。」


「はあ…」


レンは、櫛田の話に頼りない反応をしたが、既に自分がヤバい状況にある事だけは、はっきりと認識していた。

勿論、三井も。



「大手の薬品メーカーでナース発酵薬品ていうのを、耳にしたことがあるだろう?」


櫛田は、そう言いながらパンフレットを出した。



「よく乳酸菌飲料のCMを見るだろ?

生きたまま腸に届くなんて言ってさあ。」


「ですね…」


「でも、あんなもんは出鱈目でね、胃酸にほとんど殺されてしまうって話さ。
何かの力が加わっているのか、表向きにはそういう話は一切出てこないがね。」



「そうなんですか?」



「ああ、本当の事だよ。」



「…」



「で、話を戻すんだけど、これがナース発酵薬品が開発したローチャードっていうもので、これを数滴飲めば、腸まで生きたまま届くっていう優れものさ。

それだけじゃないよ。

このローチャードは、もっとすごい効果があってね。


人間の腸っていうのは、無数のヒダがあってね
そこから栄養素を取っていくようになっているんだ。
でも、現代人の腸っていうのは、不純物が溜まりまくってて、そのヒダが埋まった状態になってるんだ。

このローチャードは、腸に侵入すると、不純物を取って体外に排出させる効果があって、腸を再び健康な状態に戻すんだ。

その過程で、下痢したり、微熱を出したりする人もいるけど、それは薬が効いてるって証拠なんだ。」


櫛田が流暢に話せば話すほど、口数がほぼ皆無になっていくレンであった。

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