こいちゃ![R-18]

蒼い色鉛筆

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③本編↓未工事(すごいえちえち)背後注意でお楽しみください。

燃夏くん、お仕置きです 中編

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恋人が何ヵ月も楽しみにしていた
紅茶を、誤って溢してしまった…。

「うぅう…。」

燃夏モカの胸は罪悪感でいっぱいだ。

寝室で由海広ユミヒロを待つ間もずっと、
何て言って謝ろうか…
そればかりを考えてしまう。

海さんが怒って許してくれない訳ではない。
……怒らないのだ。

一方的な暴力で躾られてきた燃夏には
たかが物だ、と簡単に許してくれる
由海広についていけない。

むしろ余計な妄想が膨らんで怯えてしまう。

…だから海さんが「お仕置きを考える」と
言ってくれた時には、素直に安心した…。

一体どんなお仕置きだろう…。

組んだ足を組み替えて、居心地悪い訳でも
ないのにもぞもぞしてしまう。

妄想を振り払おうと…
自分だったら何をするか考えてみる。

もし、彼が俺の…そうだな、
マシュマロを食べてしまったら…。

…………。
…いや、怒らないな。

一緒に買いにいけばデートの
おまけもついてきてラッキーだ。

ふと、彼もこんな気持ちなのかもしれない

そう考えたら…
ふわっと心が軽くなるのを感じた。

お仕置きに焦点を当ててみよう…。

ベッドの端に腰かけて、顎に手を当てる。
彼が来るまでじっくり考えてみた。

「んん?んー……、……。あっ。」

ぱっと顔を上げる。

つい、さっきの出来事を思い出す。
動揺してばかりで…すっかり忘れていた。

そうだ…海さんは「準備してくるね」と
言った後に、こっそり耳打ちをしたのだ。

「えっと…こんな時にごめんね。
だけどこんな時にしか出来ない、
すごいえっちなやつ考えてくるね…。」

情欲に潤んだ、とんでもなく
すけべな目で…合図を……。

……………。

逆の立場だったら、
俺も同じことをすると思う…。

「…っ、……!」

一気に興奮した胸がドクドク高鳴り、
期待に指先までぞわぞわと痺れてしまう。

俄然やる気が沸いてきた…!
ヤル気たっぷりにお仕置きを想像してみた。

彼が好きな尻叩きだろうか?
叩かれるのはあまり好きじゃないけど…。

それとも鞭か蝋燭を使ったプレイ?
虫も叩けないような海さんの
そんな姿…?想像できない…。

「……もしかして…?」

ま、まさか、それだけは…。
冷や汗が首筋を伝う。

「いつもしてくれる快感を
モカくんにお返ししてあげる…♡」
なんて囁く彼が妖艶な手つきで
俺の臀部に手を伸ばし…?

「~~~~っっ!!」

ブンブン頭を強く左右に振って、
過激に進みすぎた卑猥な妄想をかき消す。

だが、頭の片隅に
映像が…残響のように残ってしまう。

海さんが、俺を抱くなんてありえ…
ない、ことも、ない…。なくない…のか…?

混乱してきた…。

一体何が始まるのか…?
落ち着いていられなくなり、
ベッドの上でそわそわしてしまう。

背後からそっと声を掛けられた。

「モカくん…?」

「わ…っあっ!はい!!」

びくーっ!とその場で飛び上がり、
上ずった心臓を押さえて振り返った。

心配そうに小首を傾げる海さんは
扉前で濡れた髪の毛をタオルで拭っている。

お気に入りのバスローブの隙間から
見えるキスマークがえろい…。

こうして見えるようにわざと
あの場所につけたのは、いい仕事した。

俺にしか見えない優越感と
誇らしさの達成感に満足して微笑む。

しかし性的な刺激に敏感な今は、
その仕草を見るだけで勃起しそうになる。

「待たせてごめんね?」

「そ…っ、んな、気にしないで下さい…」

色っぽい恋人から目を逸らして
平静な声を装うが、明らかに声が上ずる。

一度リビングに引き返した彼は
お盆にマグカップを載せて運び、
ぴたりと密着して隣に腰掛けた。

「気分、落ち着いた?」

心地いい優しい声で尋ねて、
ココアが入ったマグカップを差し出す。

「はい…。ありがとうございます…。」

遠慮がちに受け取ったココアは、
猫舌の俺のために少し冷ましてもらってる。

感謝しながら口に含むと、甘い砂糖と
ミルキーな舌触りにホッとする。

横にいる海さんも上品な仕草で緑茶を飲む。

いつも通りの彼を見て…安堵した。

一瞬お仕置きのことを忘れてしまう…。

「……それじゃモカくん、覚悟はいい?」

「…っ、はい…!」

現実に戻り、気を引き締めて返事をする。

温かいうちにココアを飲み干して、
コップを丁寧に机の上に置いた。

「よいしょ、」

同じようにお茶を飲んだ海さんも
身を乗り出してコップを置く。

そして彼は体の影に隠していた…
手錠を取り出した。

「……っっ!」

その手錠には、すごく既視感がある。

時々彼にお仕置きをするときに使う
赤と黒のデザインをした手錠だ。

手首を痛めないように、手錠の一部は
リストバンドのような作りになっている。

「モカくん…。これ、つけるね?」

彼は無邪気な笑顔で確認をした。

「………はい。」

掠れる声で、…返事するしかない。
素直に両手を前に差し出した。





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