【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します！

アホな王子とドラゴンの攻撃

　叔父さん達と最後の記念に！　と言って、行ったテーマパークの記憶が蘇り、あの時の悲しみと今会えた嬉しさがごっちゃ混ぜになり、泣いてしまった。

「大丈夫だよ、もうあんな悲しみになんてさせないよ。
　可愛いお姫様」

　叔父さんが背後から抱きしめてくれ、頭にキスをくれた。

　そして、私は頷く事しか出来なかった。

　叔母さんとアリアは見守ってくれていた。

　「うん、お義父さん」

　私は笑顔で言うと、今度は叔父さんが泣き出した。

　叔母さんとアリアは見守っていたのだが、今度は逆に叔父さんが泣き出したのを見て、クスクスと笑っていた。

　実は私も少しだけ笑ってしまったんだよね。

　王宮の広場に降りると、私とアリアはドラゴンに「ありがとう」と伝えながら撫でていると、喉を鳴らされながら、頬を舐められてていた。

　それが珍しかったのか、王宮内の貴族や騎士、兵士が集まっており『あんな少女に懐くって事は、自分らもドラゴンに触れるんじゃないのか？』と言う間違った考えで近付こうとした者がいた。

　この王族で一番の問題のある男であり、自分優先で命令して言う事を聞かない者を、何人も死刑にしてきた、第２王子である『ジミー様』がこちらへ走り寄って来た時にドラゴンが唸り尻尾で攻撃しようとしている。

「グガアァァッ！！」

「来ちゃ駄目！　危ない！！」

　私はとっさに第２王子を押して尻餅を突かせて庇ったが、ドラゴンの尻尾が私の背中に当たり、王宮の壁に激突した。

　ダアアアァァーーーーンッッッ！！　「ガハッッ！！」

「いやぁぁっ！　ミオ、ミオ！！」

　アリアは悲鳴をあげ、駆け寄って来た。

　叔父さんと叔母さんも駆け寄っている。

「治癒師を呼べ！　早くしろっっっ！！」

　怒鳴った叔父さんは初めて聞いたよ。

「……叔父さん……大丈夫、ゴフッ！
　グハァッッッ！！」

　私は吐血をし、気を失ってしまった。

　叔母さんは急いで、レオに今直ぐに来い！　って手紙を書き、飛ばしたと同時にドラゴンに「レオを連れて来て」と頼んだ。

「この女！　この俺様に尻餅をつかせた愚か者だ！！
　地下牢へ入れて鞭打ちの刑を死ぬまでしろ！！」

　ジミー王子は、私を虫ケラを潰すような目で見ている。

　叔父さん、叔母さんとアリアは激怒している。

「ミオはお前を守ったのよ！
　王様からも決してドラゴンに近付くなと言われていたでしょ！
　私の可愛いミ～ちゃんに死ぬまで鞭打ちですって？　この子は馬鹿なお前を守ったのよ！
　私達はこの国を出て行こうと思えば、いつでも出て行けるのよっ！！」


　アビーネスのギルドでは、私の話を聞き第２王子であるジミー様に激怒していた。

　私が王子を庇ってドラゴンの攻撃を受け重症な時に「牢に入れて、死ぬまで鞭打ちをしろ！！」と言う言葉が特に怒り心頭らしいです。

　あのメンバー『ダン（パパ）、バズ、ゼクス、ルシア、ボブさん、リリーさん』特にルシアは、皆が話しかけれないほど激怒なんだとか。

　優しい人程、怒らせると怖いってマジでした。

　

　目を覚ました私は、周りを見たが、大きな部屋って思ったよ。

　私、あのアホそうな男性を庇ってドラゴンに攻撃されたんだっけ？

　きっとドラゴンは私の事を気にしてるはず。

　私は大丈夫だよって安心させてあげないと。