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17 特殊想像生成発動と誘拐ミス!
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昨夜はドリアンと一緒に夕食を食べて、レンとレイブンも交えて談笑した。
「んーー、よく寝たぁ!
マロンおいで」
肩に飛んで来たマロンの頭を人差し指でナデナデと撫で、一緒に食堂へと来ていた。
美味しいフランスパン・野菜スープ・サラダをトレーに入れて「いただきます」と言ってサラダから食べた。
「ルルナ、肉を食え。ほら、美味いぞ」
と言って、私の空っぽのお皿にお肉を3枚も入れられている。朝からお肉はキツイよ……。
「朝からお肉は……でも1枚だけ食べるね。ドルバルありがとう」
「おう、食べてくれてありがとな」
「あとの2枚は……はい!
ドルバル食べて! あーーんは?」
フォークでお肉を刺し、それをドルバルの口の前に差し出したと同時に『あーーん』も要求した。
「へっ? いやいや、俺は……」
「お残しは駄目よ。お口を開けて?
あーーん、美味しい?」
「……とても美味です。はい!」
「もう1枚残ってる……ほら、お口開けて?
あーーんして?」
ドルバルは額に汗を浮かべ、恥ずかしいのか顔を真っ赤にし「ルルナさん、勘弁してくれぇぇぇ」と情けない声を出していた。
「お残しは駄目なのよ?
はい、あーーん!」
「とほほ……あーーん」
「ふふふ、全部食べれたね。
じゃあ今日の依頼も頑張ってね」
「ああ、ありがとう……ルルナさん……」
その様子をローランに見られ、口を押え声を殺して笑っていた。
ローランは楽しそうだね。
あの冒険者さん一度も見たことない人だ。なんか強そう。
それにしても、ガタイが良くてイカついお兄さんだなって見ていると、その相手に絡まれてしまった。
「おい、クソガキ!
テメェのようなガキがいていい場所じゃねぇんだよ!
さっさと親の元へ帰れっっ!!」
「……ひっ…(怖い、顔もヤバイけど目なんてもっとヤバイ!)」
スカートをギュッと両手で握り、目にいっぱいの涙をためて、泣くのを必死に我慢していたんどけど、ポロポロと零れる涙を手で拭い、走って部屋へと戻りベッドへダイブした。
幼子の感情のコントロールは難しい。
それに、私が泣いたりしたら……あの人、ヤバイことになるかもだし。
そうだ、鍛錬所で私も特殊想像生成の攻撃系を鍛えよう!
トタタタタタタタ…………。
と、ローランの前を走り抜け、いざ鍛錬所へ!
後ろからローランの声が聞こえたような気がしたけど、気のせいかな。
「わあぁぁ、ここが鍛錬所なんだ!
誰もいない、まあいいか。適当に攻撃してみようかな」
それじゃあ、まずは光の壁を前方に作って……雷攻撃。
「光の壁」
動く土の球に雷攻撃する方がいいかもしれない。
「土の球……動け」
動いてる球に攻撃は難易度が……いや、私なら出来る!!
「土の球を射抜け!
雷の槍
」
大きな音と地響きでみんなを驚かせてしまった私。今、パパたちに説教されてます。
「あの攻撃は駄目だろ?
もっと小さい攻撃をだな、そうだな……ここからあの木に風の刃で葉っぱを切るといい……」
あの木に風の刃かぁ。
「風の刃」
「!!」
ドゴンっ!! と、どでかい音と砂埃がまい、パパは目ん玉が飛び出そうなくらい驚いてるし、顎が外れてるのかと思ってしまうくらい大きな口をあんぐりと開けっ放しにしていた。
「……おいおいおいおい、まてまてまてまて!
風の刃だよな? 確かに風の刃だった……が、おかしいだろ!
威力が半端ないな……なぁ、ルルナさん。俺たち以外の連中には見られんようにな?」
「うん。分かった」
今のこの一時は平和だなぁ。
木の長椅子に座り、マロンと日向ぼっこを満喫中なのです。
みんなそれぞれ依頼や隠密行動、ギルドのお仕事があるから忙しいんだ。私は外に出ない限りギルドの近くのお店を見て回るか、鍛錬所で冒険者さんの鍛錬を見学して過ごしてるの。
「わあぁぁ、面白いお店……だけど、ちょっと怖いかも(鬼が出るか蛇が出るか……)」
「やあ、お嬢さん。何かお探しかな?」
「ひゃぁ……」
えっ? 人の気配はなかった気がしてたんだけど、この人はどこから現れたの?
後ろは壁だし来るとしても左右からじゃないと無理だよ?
バササッと、マロンがギルドの方角へと飛んで行った。誰かを呼びに行ってくれたんだろう。マロン、ありがとう!
それよりも、この人……怪しい!
絶対に変な人だ、少し距離を置い…えっ?
「おっと、驚かせてしまったかな?
お嬢さんのお名前は……ルルナ…だよねぇ。クックック……やっと見つけた…」
抱き上げられ、ナイフをチラつかせるフードを深く被った男に……殺られ…ないよ!
(私の身体を守れ!
防壁)
ナイフを持つ手を首筋目掛けて振り上げ、勢いよく振り下ろした……ガキンッッ!!
が、防壁のおかげで攻撃が出来なかったようだ。
「がはぁぁぁ……」
フワッと体が浮き、ドリアンに抱きとめられた私は無事確保されていた。
一方、あの怪しい男はレンにボコボコのフルボッコにされ、縄でぐるぐる巻きにされていた。この人は大丈夫かな? 顔がボコボコに腫れているし、さっきの人とは思えないくらいだよ。まあ、自業自得だけど。
マロンが肩に止まり「マロン、ありがとう」と一言お礼を言った。
「ルルナ、俺たちが来るまでよく頑張ったな。偉かったぞ。
ドリアン、この街も安全ではなくなったようだ。
俺はコイツを衛兵に連れて行く。
悪いがルルナをギルドへ避難させてくれ」
「ええ、分かったわ!」
小さな手をレンに向けて必死に伸ばし、レンは大丈夫なの? と聞くつもりだったが、上手く言葉に出来なくて……。
その手を握り返してくれたレンは私に、微笑みと一緒に安心する言葉をくれた。
「ルルナ、俺は大丈夫だ。
ギルドでドリアンと待っててくれ」
コクリとうなずきギルドへ戻った。
ギルドへ戻ると突進して来る勢いでパパが私を抱き上げ、怪我がないかを確認したあと、ギュッと抱きしめてくれた。
「ギルド近くの店は安全と言った俺は馬鹿野郎だ!
怖かったよな、本当に悪かった。
ルルナ、ごめんな」
「私は大丈夫だよ。だって私は最強なんだもん!
だから自分を責めないでよ」
「あぁ、確かにアレは最強だよな。
ルルナには窮屈になってしまうが、ギルド内にいてくれよ?」
「ギルド内ならどこにいてもいい?」
パパは大きくうなずき、笑ってくれた。
「あぁ、ギルド内でならみんなが見てるし、俺がいるからな。
だか、知らない人にはついて行くんじゃねぇぞ?」
「うん、分かった」
そう約束したのだが、ギルド内にいるある相手の方が上手のようだった。
「んーー、よく寝たぁ!
マロンおいで」
肩に飛んで来たマロンの頭を人差し指でナデナデと撫で、一緒に食堂へと来ていた。
美味しいフランスパン・野菜スープ・サラダをトレーに入れて「いただきます」と言ってサラダから食べた。
「ルルナ、肉を食え。ほら、美味いぞ」
と言って、私の空っぽのお皿にお肉を3枚も入れられている。朝からお肉はキツイよ……。
「朝からお肉は……でも1枚だけ食べるね。ドルバルありがとう」
「おう、食べてくれてありがとな」
「あとの2枚は……はい!
ドルバル食べて! あーーんは?」
フォークでお肉を刺し、それをドルバルの口の前に差し出したと同時に『あーーん』も要求した。
「へっ? いやいや、俺は……」
「お残しは駄目よ。お口を開けて?
あーーん、美味しい?」
「……とても美味です。はい!」
「もう1枚残ってる……ほら、お口開けて?
あーーんして?」
ドルバルは額に汗を浮かべ、恥ずかしいのか顔を真っ赤にし「ルルナさん、勘弁してくれぇぇぇ」と情けない声を出していた。
「お残しは駄目なのよ?
はい、あーーん!」
「とほほ……あーーん」
「ふふふ、全部食べれたね。
じゃあ今日の依頼も頑張ってね」
「ああ、ありがとう……ルルナさん……」
その様子をローランに見られ、口を押え声を殺して笑っていた。
ローランは楽しそうだね。
あの冒険者さん一度も見たことない人だ。なんか強そう。
それにしても、ガタイが良くてイカついお兄さんだなって見ていると、その相手に絡まれてしまった。
「おい、クソガキ!
テメェのようなガキがいていい場所じゃねぇんだよ!
さっさと親の元へ帰れっっ!!」
「……ひっ…(怖い、顔もヤバイけど目なんてもっとヤバイ!)」
スカートをギュッと両手で握り、目にいっぱいの涙をためて、泣くのを必死に我慢していたんどけど、ポロポロと零れる涙を手で拭い、走って部屋へと戻りベッドへダイブした。
幼子の感情のコントロールは難しい。
それに、私が泣いたりしたら……あの人、ヤバイことになるかもだし。
そうだ、鍛錬所で私も特殊想像生成の攻撃系を鍛えよう!
トタタタタタタタ…………。
と、ローランの前を走り抜け、いざ鍛錬所へ!
後ろからローランの声が聞こえたような気がしたけど、気のせいかな。
「わあぁぁ、ここが鍛錬所なんだ!
誰もいない、まあいいか。適当に攻撃してみようかな」
それじゃあ、まずは光の壁を前方に作って……雷攻撃。
「光の壁」
動く土の球に雷攻撃する方がいいかもしれない。
「土の球……動け」
動いてる球に攻撃は難易度が……いや、私なら出来る!!
「土の球を射抜け!
雷の槍
」
大きな音と地響きでみんなを驚かせてしまった私。今、パパたちに説教されてます。
「あの攻撃は駄目だろ?
もっと小さい攻撃をだな、そうだな……ここからあの木に風の刃で葉っぱを切るといい……」
あの木に風の刃かぁ。
「風の刃」
「!!」
ドゴンっ!! と、どでかい音と砂埃がまい、パパは目ん玉が飛び出そうなくらい驚いてるし、顎が外れてるのかと思ってしまうくらい大きな口をあんぐりと開けっ放しにしていた。
「……おいおいおいおい、まてまてまてまて!
風の刃だよな? 確かに風の刃だった……が、おかしいだろ!
威力が半端ないな……なぁ、ルルナさん。俺たち以外の連中には見られんようにな?」
「うん。分かった」
今のこの一時は平和だなぁ。
木の長椅子に座り、マロンと日向ぼっこを満喫中なのです。
みんなそれぞれ依頼や隠密行動、ギルドのお仕事があるから忙しいんだ。私は外に出ない限りギルドの近くのお店を見て回るか、鍛錬所で冒険者さんの鍛錬を見学して過ごしてるの。
「わあぁぁ、面白いお店……だけど、ちょっと怖いかも(鬼が出るか蛇が出るか……)」
「やあ、お嬢さん。何かお探しかな?」
「ひゃぁ……」
えっ? 人の気配はなかった気がしてたんだけど、この人はどこから現れたの?
後ろは壁だし来るとしても左右からじゃないと無理だよ?
バササッと、マロンがギルドの方角へと飛んで行った。誰かを呼びに行ってくれたんだろう。マロン、ありがとう!
それよりも、この人……怪しい!
絶対に変な人だ、少し距離を置い…えっ?
「おっと、驚かせてしまったかな?
お嬢さんのお名前は……ルルナ…だよねぇ。クックック……やっと見つけた…」
抱き上げられ、ナイフをチラつかせるフードを深く被った男に……殺られ…ないよ!
(私の身体を守れ!
防壁)
ナイフを持つ手を首筋目掛けて振り上げ、勢いよく振り下ろした……ガキンッッ!!
が、防壁のおかげで攻撃が出来なかったようだ。
「がはぁぁぁ……」
フワッと体が浮き、ドリアンに抱きとめられた私は無事確保されていた。
一方、あの怪しい男はレンにボコボコのフルボッコにされ、縄でぐるぐる巻きにされていた。この人は大丈夫かな? 顔がボコボコに腫れているし、さっきの人とは思えないくらいだよ。まあ、自業自得だけど。
マロンが肩に止まり「マロン、ありがとう」と一言お礼を言った。
「ルルナ、俺たちが来るまでよく頑張ったな。偉かったぞ。
ドリアン、この街も安全ではなくなったようだ。
俺はコイツを衛兵に連れて行く。
悪いがルルナをギルドへ避難させてくれ」
「ええ、分かったわ!」
小さな手をレンに向けて必死に伸ばし、レンは大丈夫なの? と聞くつもりだったが、上手く言葉に出来なくて……。
その手を握り返してくれたレンは私に、微笑みと一緒に安心する言葉をくれた。
「ルルナ、俺は大丈夫だ。
ギルドでドリアンと待っててくれ」
コクリとうなずきギルドへ戻った。
ギルドへ戻ると突進して来る勢いでパパが私を抱き上げ、怪我がないかを確認したあと、ギュッと抱きしめてくれた。
「ギルド近くの店は安全と言った俺は馬鹿野郎だ!
怖かったよな、本当に悪かった。
ルルナ、ごめんな」
「私は大丈夫だよ。だって私は最強なんだもん!
だから自分を責めないでよ」
「あぁ、確かにアレは最強だよな。
ルルナには窮屈になってしまうが、ギルド内にいてくれよ?」
「ギルド内ならどこにいてもいい?」
パパは大きくうなずき、笑ってくれた。
「あぁ、ギルド内でならみんなが見てるし、俺がいるからな。
だか、知らない人にはついて行くんじゃねぇぞ?」
「うん、分かった」
そう約束したのだが、ギルド内にいるある相手の方が上手のようだった。
応援ありがとうございます!
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