売られた姉妹

カウラ

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孕まされた菊

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 ザワザワ ガヤガヤ
『こいつか』
『奴隷女の癖に・・良い度胸してるぜ』
『この暑いのにめんどくせぇ! さっさと誰がお相手の色男野郎の名前を吐かせるぞ』
『おい誰か懲罰用の道具を持って来い。それとこの太っちょが気絶したら起こせるように海水入りのバケツもな』
『へへっ・・さっさと口を割らせてやろうぜ。この奴隷は妙に色っぽい身体をしてやがるからムラムラして来たぜ』
『まあ待てよ、今回の取り調べは船長自ら参加するって話だぜ』
『マジかよ! ならこの太っちょはもうお終いだな。地獄の責め苦に悶え苦しんだ挙げ句最後は自分から殺して下さいって懇願するだろうぜ』
『ひひっ! こいつの妹は特等席に座らせておけよ』
『おら大好きなお姉ちゃんが目の前に居るぞ! さっさとここに座れ!』
『やっ・・離して・・っ! お姉ちゃん・・お姉ちゃん! 大丈夫なの!? お願い返事して!』

(ううぅ・・何・・? 遥か遠くで凛の声が聞こえる・・。ここは・・何処? ・・そうだ・・私は・・)
『お姉ちゃん! お姉ちゃん!』
『うるせぇ黙れ!』
 バシッ!
『きゃあっ!』
(凛・・!? 何? 何が起きているの・・!?)

 少しずつだが菊の意識がハッキリする程に彼女の全身がズキズキと痛み出した。
 まるでずっと同じ姿勢で寝ていたように身体が硬い。
 彼女は覚醒しようと務めるが依然として頭はボーッとしている。
 そして何故か目を開こうとしても菊の視界は真っ暗のままだ。
(私は・・船倉で強姦魔に首を絞められて・・それで・・気を失ったんだわ)
 菊は満足に回らない頭を必死に回転させて状況を把握しようと務める。
(それで・・その後・・どうしたんだっけ・・?)
 船倉で彼女が記憶しているのはそこまでだった。
 だが嫌という程味わった灼熱の甲板が正座させられている菊の足をジリジリと焼き、嗅ぎ慣れた海の香が彼女の鼻腔をくすぐる。
 少なくともここは奴隷船の甲板であってあの世ではないだろう、菊はそう思った。

(うぅ・・腕が痛い・・何? 腕が硬いもので顔の近くに固定されて全然動かない。・・それに・・前が真っ暗・・これは・・目が開かないんじゃない・・顔の感触からして私は・・私はきっと・・目隠しをされているんだ・・!)
 ぼんやりとだが菊にも状態が掴めてきた。
 まず自分は死んでいない、そこは確実だ。
 そして自身の状況だが、波の音や身体を撫でる暖かな海風から自分は奴隷船の甲板に居るのだろう。
 周りには大勢の男が立っている気配と、恐らく正面には泣きながら自分の名を呼んでいる凛が座っている気配がする。
「ここは・・うぐっ!?」
 不意に身体を動かそうとするが反対側にガクンと首が引っ張られた。
(首が・・水平にした板か何かが首と腕が固定されてる? しかも私はそれで柱か何かに繋がってる?)
 そこで初めて菊は自分が首も拘束され、視界と四肢、そして行動の自由の一切が奪われていた状態であることを察した。
(どうなってるの・・? 凛? 凛は無事なの・・?)

 この時の菊は全裸の状態で正座させられ、主に懲罰に用いる木の一枚板で拘束されていた。
 これは首と手首の合計3個の穴が開いた物でありパカリと前後に分割される仕組みだ。
 哀れな犠牲者は首と手首を一枚板で挟み込んで南京錠式の鍵で固定されると、手は顔のすぐ横で固定され上半身の自由は完全に奪われてしまうのだ。
 更に板の後部には鎖やロープを繋げる鉄のリングも備えており、船の柱などに連結させれば犠牲者はその場からまともに動けなくなる。
 主に下級船乗りの折檻用の道具だが、現在の菊は目隠しされた状態でこの一枚板を装着させられているのだ。

 コツ・・コツ・・
(だめだ・・とてもじゃないけど逃げられない・・どうしよう・・)
 遠くから足音が聞こえる。
 菊にはあまり聞き馴染みのない高価なブーツの足音である。
(だ・・誰・・?)
「ふむ、此奴が例の誰の子種か判らぬ不義の仔を孕んだ奴隷女か」
「はい! 一週間前に強姦を働いた船乗りに絞殺されかけましたが元より身体が頑丈なようで、簡易な処置のみで拷問に足る体力を取り戻したと船医より報告を受けました!」
「ほう、それは重畳。ゆっくりこの娘の身体に質問が出来るな。ああそう言えば強姦した船乗りは指示した通りの刑罰を執行したか」
「はい! その男は船長の指示通りに両目を刳り貫き舌と鼻を削ぎ落とした後に足から徐々に全身の皮を剥ぎ、その後海水の充満した樽に漬け込んで3日目に絶命したので海に捨てました」
「よろしい。しかしこの奴隷娘と関係を結んだ男にはより厳しい刑罰を下さねばならんな」
(・・え!? は、孕ん・・だ・・? 誰が? え、嘘・・私のこと!? し、しかも・・も、もしかして船長に・・それが知れて・・。ど、どういう事・・な、何で・・!? ビロードは絶対にバレないって言ってたのに!)
 物静かな紳士を思わせる声の主は菊を前にして船員と話している。
 しかしその穏やかな口調からは考えられないあまりに衝撃的な内容に、思わず菊の頭が真っ白になった。
(孕ん・・え・・妊娠・・誰の子を・・決まっている・・私とビロードとの子だわ・・。し・・しかもそれが・・バレてる・・何で・・どうして・・!?)
 もはや菊の脳内で許容できる情報量ではなかった。
 彼女は口をパクパクさせながらただ困惑していた。

 ***

 船倉で少女が強姦された夜。
 菊は勇敢にも甲板で警備する船員に大声で助けを求めた。
 少女は強姦され処女を散らされはしたものの、彼女の被害はそれだけで済んだ。
 しかし悪事が露見し最早処刑は免れないと破れかぶれとなり逆上した強姦魔は菊に襲いかかり、馬乗りになって彼女の首を絞め上げて絶命寸前の状態に追い込んだ。
「死ねっ! 死ねぇえええ!」
「いやああぁっ! お姉ちゃん! やめてええぇっ!」 
「ぁ・・かはっ・・」
 あと数秒もあれば菊の命は尽きていただろう。
 しかしそんな彼女を救ったのは・・。
「やめろおおおっ!」
「ぐあっ!」
「が・・かはっ! かはっ・・げほっ・・げほっ」
「痛ぇ! な、なんだテメェ! 畜生! ビロードてめぇも俺の邪魔をするのか」
「はぁ・・はぁ・・! だ、大丈夫かい菊!? ・・ああ良かった呼吸している。ふぅ、危なかった。本当に危なかったよ」
 強姦魔が菊を絞め殺す寸前、騒ぎを聞きつけ嫌な予感がしたビロードは我先にと船倉に突撃すると菊に馬乗りになる強姦魔を蹴り飛ばし彼女を救い出したのだ。
 ビロードは菊が意識を完全に喪失しているものの呼吸はしており脈もあることを確認すると安堵の息を漏らした。

「クソが! テメェも殺・・ぐぁ!」
 強姦魔がビロードと菊に掴みかかろうとしたところで甲板にいた屈強な船乗り達が船倉に次々と押し入り、男を取り押さえると逃げられないようぐるりと取り囲んでから容赦無く殴る蹴るの暴力を浴びせた。
「やめ・・ぎゃっ! うがぁっ! ぐあっ! ぐあぁ! ぐぇっ! ぐふぅ! ぎ、ぎゃああっ!」
 激しい殴打音や骨折音が船倉に響き渡る。
 そして暫く袋叩きが続き男がぐったりして指一本動かせなくなった後に船員たちは強姦魔を船倉から外に連行した。
(ああ、彼はもう完全に終わりだな。・・いやそれはどうでもいい、それよりも菊だ! ・・ダメだ意識を取り戻さない! 早く・・早く医務室に連れて行かなければ!)
 ビロードは頬を叩いて呼びかけても意識を取り戻さない菊を心配し、腕と腰に力を込めて彼女を抱きかかえると医務室へ連れて行くことにした。
「あ・・ああ・・。お姉ちゃん・・お姉ちゃん・・」
(彼女は確か、菊がよく話していた妹の凛だな。可哀想に・・唯一の肉親が目の前で縊り殺されそうになったんだ、さぞや怖かったろうね)
 ビロードはピクリとも動かない菊に縋り付いて啜り泣く凛の頭をそっと撫でると足早に船尾楼1階の医務室へと菊を運んだ。

 ***

「ふぅ・・! ふぅ・・! はぁ・・はぁ・・!」
「なっ、何だい君は!? 下級の船乗りの分際でこんな真夜中に突然入ってくるだなんて無礼にもほどがあるぞ!」
 バタンと扉を蹴り開けて菊を抱えたビロードが医務室に入った。
 そして彼は肩で息をしながらも空いている治療用のベッドを見つけるとそこに菊をそっと寝かせた。
「しかも奴隷を運んできただと!? 一体君は何を考えているんだ! 船長や上級航海士が使うために造られたこの神聖な医務室に黄色い奴隷女を連れて来るなど前代未聞だぞ!? 治療がお望みなら船倉なり甲板に呼んでくれたまえ!」
 確かに、この奴隷船には医務室と専属の船医も存在する。
 しかしそこで手厚い治療を受けられるのは船長かあるいは船旅に必須の航海士のみであり、奴隷である菊は勿論のこと下級の船乗りであるビロードさえもまともに医務室には入れずベッドを使うなど到底許可されていなかった。
「わかってます! ・・け、けど船医様お願いします! 菊の治療をして下さい! 彼女は・・彼女は・・」
「は、放し給え! 高価な服が汚れるだろう!」
 ビロードは船医の足元で跪くと彼の足に縋って懇願する。
「彼女は・・特別なんです! 知っていますか!? 彼女は我々と同じ国の言葉を話せて! それで知的で! しかもとても優しいんです! 菊は我々が考えているような野蛮な未開人ではありません! 現に今だって・・今だって彼女は船倉で自らの命を顧みずに見ず知らずの奴隷仲間を助けたんです!」
「だ、だから何だというのだ!? 私の知ったことではない!」
「きっと彼女はこんな劣悪な奴隷船で命を落として良い女性では無いんです! ですから・・お願いします! 彼女を・・菊を助けてください! ま、まだ生きてるけど・・ほら見る見る内に顔色が悪くなって来たんです! もしかしたら何処か悪いのかも・・! お願いします! 助けてください!」
「知らん! 奴隷が一人や二人死のうが私には何の関係もない! 船倉で寝かして死んでいたら海に捨ててしまえ!」
「そ、そんな・・!」
「おい! だれか近くに船員は居ないのか!? この不埒な船乗りと汚い奴隷女をさっさと医務室からつまみ出せ!」
「お願いします! な、何でも・・何でもします! そ、そうだ! 僕が港に着いたら貰える予定の報酬も全て! 全て船医様に渡します!」
「・・んん! ほう、それは本当かね? 確かに君は最下級の新人船乗りだがこの長旅でそれなりの額は貰えるだろう。それを残らず私に譲るというのかね?」
 船医はビロードの言葉に惹かれると、意地汚い商売人の表情を見せる。
「はい! だからお願いします! 今すぐに彼女を診てやって下さい」
「ふむ! よろしい! それでは早速この契約書にその旨を記入しサインしたまえ。・・勿論だが治療の結果この奴隷女が死んでも障害が残っても私は一切の責任を負わんし報酬は受け取るぞ」
「わ、わかってます!」
 ビロードは大慌てで契約書にサインすると彼に渡した。
「良いだろう。それでは早速診て進ぜよう。・・ふむふむ、どうやら一時的なショックと呼吸停止で全身の血の巡りが悪くなっているようだ。この程度なら教会で祝福された聖水を飲ませてから身体を清め、医務室のような清潔な空間で寝かせれば7日で治癒するだろう。・・しかしまあ異教徒に我らの神の恩寵があるか、それはわからんがな」
「7日・・その間の菊は寝たきりってことですか? それじゃ船倉に居なくて問題になるんじゃ・・」
「まあ特別に奴隷女を診ている件は私から懇意の上級船員に伝えておこう。暫くは船倉から一人欠けても騒ぎにはさせんよ」
「あ、ありがとうございます!」

 当時は医療も未発達であり船医とは言え簡単な打撲や骨折の治療程度はこなせてもそれ以上の怪我病気となると神頼みとなる時代であった。
 その上、この黒鯨号に乗っていた船医は特に信心深い男であり、ありとあらゆる病気に教会の祝福された聖水が治療効果を発揮すると信じて疑っていなかったのだ。
 だが幸いにも今回の菊の症状は一時的な昏睡であり、彼女は船医が診立てたように清潔なベッドで安静にして寝かせていれば治癒する程度だったのだ。

「よ、良かった・・治るんですね! 先生! 是非お願いします!」
「ふん任せ給えよ。ああ君はもう下がり給え治療の邪魔だ。・・当然だが契約は忘れんようにな。まあ港に着いてから君が何処へ逃げようが私は船長から直接君の報酬を受け取るから逃げても無駄だからな」
「わかってます・・。では失礼します。・・あの、菊をよろしくお願いします」
「さっさと持ち場に戻り給え」
 こうして、意識を喪った菊は医務室でその汚物まみれの身体を清拭してもらい、聖水と呼ばれるただの水を口に含まされた。
 それから寝たきりとなった彼女は医務室の隅の床にブランケット一枚で放置され、時折船医が用意した病人用のオートミール粥を漏斗で荒っぽく胃に流される生活を送ったのだ。

 そして治療の最終日・・。
「すぅ・・すぅ・・」
(さて今日で奴隷女を船倉に戻す予定だが・・ひひっ、私も男だ。全裸の豊満な少女がずっと部屋に居て興奮しないわけがない。・・なぁに、これも敬虔な教徒である私への神からの思召だろう。コイツは黄色い異教徒だしどれだけ姦淫した所で私が天国に行くのは変わらん。むしろ折角の機会だ、この女も私の逸物で突き上げて天国に送ってやろうか。・・よし、鍵を閉めてカーテンをして・・)
 厳格な態度を取りつつも彼の内心は下心に満ちていた。
 そしてすぅすぅと静かな寝息を立てる菊を眺め続けたことで彼なりに抑えていたどす黒い性欲が溢れ出してしまったのだ。
 そして彼女が気絶しているのを良いことに、昏睡状態で無抵抗の少女と性行為に及ぼうと考えたのである。
(きひひっ! さあ私の神聖なペニスでこの奴隷の汚れたヴァギナを浄化して・・おおっと! 忘れる所だっ、ある程度はマンコを濡らさんと流石のコイツも痛みで起きるかも知れんな。どれ、私の神の中指で快楽地獄を味あわせてやろう)
 ちゅぷ・・じゅぷぷぷっ・・!
「すぅ・・すぅ・・ん・・ぁ・・?」
「きひひひっ!」
 船医の指が菊の膣に侵入する。
 突然の異物感に、寝たままの彼女が眉を顰めた。
 しかしそれでも目を覚まさないと気を良くした船医は指を更に膣奥へと侵入させる。
 じゅぷぷ・・ズブッ・・
(ほお、随分とスンナリ指を受け入れるな・・。確か・・コイツを含めて奴隷女は乗船前に全員の処女膜を検査して未貫通の奴隷のみ選別して乗せていたはずだが・・おかしい・・これではまるで非処女ではないか)

 菊と凛、そして他の奴隷少女たちは皆、この船に乗せられる前に連行先の港町で処女検査を強制的に受けさせられていた。
 この検査は少女達にとって大変屈辱的なものであった。
 泣き叫ぶ彼女達は屈強な男によって左右から強引に開脚させられた上で、今まさに菊の膣を弄り回しているこの下劣な船医がいやらしい手付きで腟鏡を挿れて腟内を舐めるように見て処女膜を確認するのだ。
 男に性器を見られる事さえ未経験の少女達にとってそれは拷問とさえ感じる恥辱と苦痛に塗れた検査だったのだ。

 ぐちゅ! ぐぽっ! ぐぷぷっ! ぐぽぐぽっ! じゅぷぷぷっ!
「ぁ・・ぅぁ・・!?」
(何故だ・・やはり処女膜が無い!? いやそれどころかこの拡がり具合と柔らかさ・・これでは処女どころか、つい最近まで連日のように性行為をした淫乱娘の膣としか思えん!」
「ん・・あっ・・ぅ・・ぁ・・?」
 この時点で船医は菊が誰かと不貞行為に及んでいると確信していた。
「はっ! ・・ま、まさか・・いや、念のため確認せねば)
 その上で更に嫌な予感がした彼は指をより奥、つまり菊の子宮口へと伸ばした。
 くちゅ・・くちゅ・・
「ぁぁ・・んぁ・・!?」
(や、やはり! やはりこの奴隷女の子宮頸部がコリコリと肥大して特有の硬さに変わっている。・・やはりこの奴隷女は誰かと性交ししかも孕んで・・これは一大事だ!)
 じゅぽんっ!
「んぁ・・!?」
 船医は血相を変えて自身の愛液塗れの指を菊の膣から抜き取るとタオルで念入りに拭き取り、それから未だ夢の中の菊の下腹部を撫で回し確信を強めた。
「間違いない! ・・この奴隷女は孕んでいる! 妊娠中だ! ・・この大きさだどおよそ4ヶ月か・・いや待て計算が合わん! もしや・・いやそれしか考えられん! これは急いで船長に伝えねば!」

 黒鯨号が出港してからこの日で丁度5ヶ月目だった。
 仮に菊が日本に居た時にその子宮に雄種を撒かれたとしたら、今現在が4ヶ月の膨らみでは到底説明が付かない。

(誰が犯人だ? ・・そう言えば前に薬品棚から芸香(ヘンルーダ)や柘榴のエキスを抽出した高価な緊急避妊薬が盗まれた事件もあったな。もしやそれも今回の奴隷女の妊娠と関係しているのか?)
 船医の中で疑問は確信に変わっていた。
 最早疑いの余地は無い。
 この菊とか言う奴隷女は卑しくもこの黒鯨号で何者かと性行為をした上に身分を弁えず身重となったのだ。

 船長の子ではない。
 仮に船長が気に入って犯したとしたらその後は船倉には置かず船長室で飼うだろう。
 そうなると種は船乗りの誰かだ。

(あのビロードとか言った若造か? いやアイツ以外にも奴隷に手を出しそうな輩は山程いる。これは船長に伝えて事の真相を追求せねば)
 船医はひどく下品で嗜虐的な目付きで下腹部が微かにだがぽっこりと膨らんだ全裸の菊の見下ろした。
(そのためには・・ひひっ! この娘の身体に訊くのが一番手っ取り早いな・・。だが船長の責め苛烈だぞ? 下等な日本人の奴隷女よ覚悟は良いか? ひひっ!)
「おい! 誰か居ないか! 早く船長をこの医務室へ! 火急の用である! 大至急伝えたい事がある! この船の管理に関わる重大な事件だ!」

 こうして菊の不貞行為とその結果としてのビロードとの間の子の妊娠は船長にも知られる事となった。
 船医からの報告を受けて激昂した船長は寝ていた菊に拘束板と目隠しをした上で甲板に連れて行けと命じた。
 更に別の部下には妹である凛も甲板に上げて菊の目の前に座らせろと指示したのである。

 そして船長本人は船長室に戻るとご自慢の拷問具めいた調教道具を一式用意して、どのような責め苦を与えてやろうか思案しつつ菊が拘束されている甲板へと向かったのである。
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