感情喪失少女

紗霧 鈴

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夢李の過去

誰かが書いてた“しんゆう”の種類。

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……そう言えば誰かが書いてたっけ。
私は授業中に雲ひとつない外を見つめながら思い出した。
一時期女子が小学の時皆に配ってるからとかって渡してきた紙。
なんか親友と言っても“しんゆう”にも種類があるとかなんとかって、紙に書いて渡してきた。もう捨てちゃったけど……
確か内容は……
“新しい友達…新友
 親しい友達…親友
 信じ合える友達…信友
 心から愛せる友達…心友
 神のような存在の友達…神友
 深い絆で結ばれた友達…深友
 本当の友達…真友

さて、貴方はどれでしょうw?”
だった気がする……
確か私は“どれにも入らぬ審友”って書かれてた。
意味は不審で変な人って意味らしい。
だったらなんで友って言葉を付けたんだか…
不審で変な人って思ってるなら普通に審人で良いじゃない。
今考えたら変だけど。
それでも友達と認めてくれてると思ってたから。
だからこんなに鮮明に覚えてるんだ。
満面の笑みで渡してきた彼女の事を。
まぁ、今思い出せば背筋が凍るくらい気味が悪い子だけれど……ね……
でも、私にだって“友達”は居る…
でも彼女は……ちらりと視線を移す。
彼女は私と似てる。
彼女も虐められっ子。
登校時はヘッドホンと本を持ってる。
そっくりなのに…彼女は感情がある。
違う所はそれだけ。
でも彼女が虐められる理由は分からない。
普通に可愛いと思うのだ。
女子の嫉妬とかが多分虐めの理由だろう。
そんなことを考えていると、
耳障りな音が授業終了の合図を告げるのだった…

~中二の春~
中一があっという間に終わり、中二になった。
後輩が私の近くに寄ってきて先輩先輩と喧しいので正直中一のままで良かった気がする。
ため息をつきながら道を歩いていると一つの学校から何か聞こえた。
ドサッ……
何か物が倒れる音。
「うっ……うあっ……あっ……うう…」
呻き声が聞こえてくる。
気味が悪いなと思いつつ通り過ぎようとしたが私の本能はそれを許さなかったようで、何故かそのままその学校に入っていった。
あぁ、バカだな。
また変なことにちょっかい出して。
また傷付くのなんて目に見えてるのに…
馬鹿みたいな自分に呆れながらも声のする方へ小走りで行き始めた……
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