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みんなで恋しよう?
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「ねえ祐実、ちょっと相談に乗ってほしいことがあるんだけど放課後時間空いてる?」
「うん、大丈夫、空いてるよ」
高校2年生になってしばらく経ったある日、友達の梨絵からそう言われ、私達は放課後にバーガーショップに行くことにした。
「で、相談ってなに?」
「うん、実はね、ある男子から相談を受けたの、その……好きな女の子がいるから間を取り持ってくれないかって」
「それは、なかなか厄介そうだね」
「でしょう?それでね、私としては彼とその女の子は合わないんじゃないかなって思っててさぁ」
「ふむふむ」
「だからね、うまく断るいいわけを考えようと思って、祐実に相談に乗ってほしいんだ」
「う~ん、いいわけねぇ……ていうより合う合わないは当人次第なんだから梨絵はそのまま伝えればいいんじゃない?」
「それはダメっ!」
梨絵はブンブンと首を左右に振って言った。
「え?ダメなの?」
思わぬ答えに私は意表を突かれたようになった。
「ああ……もしかして、梨絵がその男子のことを?」
と私は勘ぐってみた。
「ううん、違う違う。その子とは家が近所で小学生の頃から知ってるってだけで、全然そういうのないから」
梨絵はまたしても首をブンブン振って否定した。
「じゃあ、どうして?」
私はだんだん訳が分からなくなってきた。
「なんていうか、その女の子に話しづらいというかなんというか……」
「その女の子が苦手なの?喧嘩してるとか?」
「違うの、苦手でもないし喧嘩もしてない。ただ、伝えづらいというかぁ……伝えたくないというかぁ……」
私は益々もって分からなくなってきた。
「じゃあさ、間は取り持てないから直接告ればって言ったらどう?」
半ば呆れながら私が言うと。
「そんなの絶対ダメぇええーーーー!」
「えぇええーーーー?」
予想外の梨絵の拒絶に私の声まで大きくなってしまい、二人して口を押さえてキョロキョロと店内を見回した。
「う~ん……そうしたらさ、その男子を騙すようでちょっと気が引けるけど……」
しばらく考えた後に私が言った。
「うんうん!」
梨絵がグッと身を乗り出してきた。
「他の女の子を、付き合ってる男子がいない女の子を紹介してみたらどう?」
「おお!」
「目当ての子は付き合ってる男子がいるみたいだし、この子のほうがきっと君にピッタリだよ、とか言って……」
「それだーー!」
「ちょっと苦しいいいわけだけどね」
私は苦笑いしながら言った。
「そんなことないよ、バッチリだよ!ありがとう、祐実!」
さっきまでとは打って変わって、梨絵は幸せいっぱいの満面の笑みになっていた。
そんなことがあってから、どういうわけか同じような相談を頻繁に受けるようになった。
女子だけでなく男子からも。
「あいつが好きな女子に告りたいっていうから、やめさせるいいわけを考えてほしいんだ」
と、内容は梨絵の場合と似通った内容だった。
なので私の答えもほぼ同じで、
「誰か別の女の子を……」
となった。
そんなこんなで学校生活が続き梅雨も明けて夏を迎えようという頃、私はあることに気がついた。
(なんか……うちのクラス、カップル率高くなってない?)
クラスの男女がみなイチャイチャしてる、というわけではないのだが、授業が終わって帰るときに男女ペアで帰る姿を見ることが多くなったように思えた。
そこで、梨絵にその辺のことを聞いてみた。
「えっ、そ、そうかなぁ……わ、私はそうは思わないけどお……ははは……」
と、理絵は何故か痛いところを突かれたように挙動不審になった。
「なんか変だよ、梨絵。私に何か隠し事してる?」
私は梨絵をジト目で見ながら言った。
「そ、そんなぁ……私が祐実に隠し事なんてするわけないじゃん」
と言いながらも脂汗たらたらの梨絵だった。
そこへ、クラスの男子のひとり、
最近梨絵と一緒に帰っている佐々くんがやってきた。
「えっと……そろそろ帰ら……」
「あ、先に帰って」
と、梨絵は佐々くんの方を見もせずに言った。
(えっ?彼氏に対してそれは無くない?)
そう思って、私は梨絵に言った。
「私のことはいいから彼氏と帰って」
友達の恋路の邪魔などしたくないので、私は努めて明るい調子で言い、佐々くんにもニッコリと笑いかけた。
佐々くんは長身でカッコいい男子だが、口数は少なく、はにかみ屋さんの印象があって、今もやや顔を赤らめて黙り込んでしまった。
(あ~あ、梨絵が素気なくするもんだからドギマギして顔が赤くなっちゃってるよ……)
ここは私がなんとかフォローしなきゃ、と思っていたところに梨絵が、
「べ、別に佐々くんは彼氏というわけじゃ……って佐々くん、何、顔を赤くしてるの!」
梨絵はにわかに慌てた様子になった。
「じゃ、祐実また明日ね!」
梨絵はバッと立ち上がり佐々くんの腕を強引に掴み、彼を引き摺るようにして教室を出て行ってしまった。
私はわけが分からず呆気にとられてしまったが、梨絵と佐々くんが出ていくと、それを待っていたかのように周りにいたクラスメイトが一斉に動き出した……ような気がした。
(おかしい……絶対に何かある!)
私が周囲を見回したとき、茉美と目があった。
茉美は2年になってから同じクラスになったマンガアニメ大好き少女だ。
私もマンガとアニメが大好きなのですぐに仲良くなった。
「ねえ、茉美はなにか知ってる?最近のクラスの雰囲気が何やら変な気がするんだけど……?」
私はワザと声を低くして凄みを効かせてみた。もちろん本気ではなくていつもの遊び半分の冗談のつもりで。
「え、えと……わ、私は何も……」
と茉美が予想通りの反応をしているところへ、またもや別の男子、最近茉美と一緒に帰るようになった村下くんがやってきた。
「ほおぉ、またもや彼氏の登場ね」
私はふざけて悪女風の言い回しをしてみた。
「違うの、祐実ちゃん、村下くんは……」
「俺、茉美ちゃんの彼氏ってわけじゃないよ、ホントは俺、祐実ちゃんとつき……」
とそこまで言ったところで周囲にいた数名の男子がワッと群がってきて村下くんを抑え込んだ。
「村下てめぇええ!抜け駆けするんじゃねえぇええ!」
「そうだぞこの野郎!俺だってなぁ――」
と男子が罵声を浴びせると、周囲にいた女子も群がってきた。
「そうよ、私達の祐実様になんてことを言うの!」
「図々しいったらないんだから!」
(私達の祐実さま?なにそれ?)
「女子うるせえぇええ!俺たちの恋路を邪魔するなぁああ!」
「なによ、獣男子どもは消え去りなさい!」
いつの間にか、さっき帰ったはずの梨絵も戻ってきて騒ぎに加わっていた。
もう、何がなんだかワケワカメになってきた……。
「ちょっとみんな、静かにして!どういうことか私に説明して!!」
「「……」」
私の叫び声でやっと静かになった。
「で、どういうことなの?」
私は梨絵や茉美を始め周りのクラスメイトを見回して言った。
要はこういうことらしい。
クラスの殆どの男子が私に告白したがっていたが、女子はそれに大反対した。
そこで妥協案として、男女を無理やりペアにして付き合ってる風を装った、ということらしい。
うちのクラスは男子19名、女子20名の39名。
進級と同時に男子が一人転校したため女子が一人多くなった。
「で、私が一人余ったボッチということね」
ため息をつきながら私は言った。
私は自分が特に可愛いとも思ってないし、家族からも、
「可もなく不可もない10人並みの顔」
と言われていて、私もそれに全く異論はない。
特定の彼氏が欲しいとも思っていない。
女子はもちろんのこと、男子とも一緒にワイワイ賑やかに楽しくできるのが一番だと思っている。
一部の女子が言う『私たちの祐実様』には、一抹の不安を感じるけれど……。
「今の私は恋とか考えられないから。とにかく、みんな仲良く楽しくね!」
私がそう言うと、不承不承といった顔もチラホラあったが、多くはホッとした表情になって頷いてくれた。
そして翌日、ひとり少なかった男子の席に転校生がやってきた。
「アメリカの高校から転校してきた小谷君だ。お父さんの仕事の関係でアメリカにいたそうだ」
先生に紹介されると小谷君が快活に挨拶した。
「小谷翔太です、野球をやってます。よろしく!」
(あ……やばい……)
昨日、『恋とか考えられない』なんて言った舌の根も乾かぬうちに私は恋に落ちてしまったようだ。
周りを見るとほぼ女子全員の目がハートになっている。
(こうなったら何とか上手いいいわけをひねり出さないと……いえ、ひねり出してみせる!)
私は固く決意した。
「うん、大丈夫、空いてるよ」
高校2年生になってしばらく経ったある日、友達の梨絵からそう言われ、私達は放課後にバーガーショップに行くことにした。
「で、相談ってなに?」
「うん、実はね、ある男子から相談を受けたの、その……好きな女の子がいるから間を取り持ってくれないかって」
「それは、なかなか厄介そうだね」
「でしょう?それでね、私としては彼とその女の子は合わないんじゃないかなって思っててさぁ」
「ふむふむ」
「だからね、うまく断るいいわけを考えようと思って、祐実に相談に乗ってほしいんだ」
「う~ん、いいわけねぇ……ていうより合う合わないは当人次第なんだから梨絵はそのまま伝えればいいんじゃない?」
「それはダメっ!」
梨絵はブンブンと首を左右に振って言った。
「え?ダメなの?」
思わぬ答えに私は意表を突かれたようになった。
「ああ……もしかして、梨絵がその男子のことを?」
と私は勘ぐってみた。
「ううん、違う違う。その子とは家が近所で小学生の頃から知ってるってだけで、全然そういうのないから」
梨絵はまたしても首をブンブン振って否定した。
「じゃあ、どうして?」
私はだんだん訳が分からなくなってきた。
「なんていうか、その女の子に話しづらいというかなんというか……」
「その女の子が苦手なの?喧嘩してるとか?」
「違うの、苦手でもないし喧嘩もしてない。ただ、伝えづらいというかぁ……伝えたくないというかぁ……」
私は益々もって分からなくなってきた。
「じゃあさ、間は取り持てないから直接告ればって言ったらどう?」
半ば呆れながら私が言うと。
「そんなの絶対ダメぇええーーーー!」
「えぇええーーーー?」
予想外の梨絵の拒絶に私の声まで大きくなってしまい、二人して口を押さえてキョロキョロと店内を見回した。
「う~ん……そうしたらさ、その男子を騙すようでちょっと気が引けるけど……」
しばらく考えた後に私が言った。
「うんうん!」
梨絵がグッと身を乗り出してきた。
「他の女の子を、付き合ってる男子がいない女の子を紹介してみたらどう?」
「おお!」
「目当ての子は付き合ってる男子がいるみたいだし、この子のほうがきっと君にピッタリだよ、とか言って……」
「それだーー!」
「ちょっと苦しいいいわけだけどね」
私は苦笑いしながら言った。
「そんなことないよ、バッチリだよ!ありがとう、祐実!」
さっきまでとは打って変わって、梨絵は幸せいっぱいの満面の笑みになっていた。
そんなことがあってから、どういうわけか同じような相談を頻繁に受けるようになった。
女子だけでなく男子からも。
「あいつが好きな女子に告りたいっていうから、やめさせるいいわけを考えてほしいんだ」
と、内容は梨絵の場合と似通った内容だった。
なので私の答えもほぼ同じで、
「誰か別の女の子を……」
となった。
そんなこんなで学校生活が続き梅雨も明けて夏を迎えようという頃、私はあることに気がついた。
(なんか……うちのクラス、カップル率高くなってない?)
クラスの男女がみなイチャイチャしてる、というわけではないのだが、授業が終わって帰るときに男女ペアで帰る姿を見ることが多くなったように思えた。
そこで、梨絵にその辺のことを聞いてみた。
「えっ、そ、そうかなぁ……わ、私はそうは思わないけどお……ははは……」
と、理絵は何故か痛いところを突かれたように挙動不審になった。
「なんか変だよ、梨絵。私に何か隠し事してる?」
私は梨絵をジト目で見ながら言った。
「そ、そんなぁ……私が祐実に隠し事なんてするわけないじゃん」
と言いながらも脂汗たらたらの梨絵だった。
そこへ、クラスの男子のひとり、
最近梨絵と一緒に帰っている佐々くんがやってきた。
「えっと……そろそろ帰ら……」
「あ、先に帰って」
と、梨絵は佐々くんの方を見もせずに言った。
(えっ?彼氏に対してそれは無くない?)
そう思って、私は梨絵に言った。
「私のことはいいから彼氏と帰って」
友達の恋路の邪魔などしたくないので、私は努めて明るい調子で言い、佐々くんにもニッコリと笑いかけた。
佐々くんは長身でカッコいい男子だが、口数は少なく、はにかみ屋さんの印象があって、今もやや顔を赤らめて黙り込んでしまった。
(あ~あ、梨絵が素気なくするもんだからドギマギして顔が赤くなっちゃってるよ……)
ここは私がなんとかフォローしなきゃ、と思っていたところに梨絵が、
「べ、別に佐々くんは彼氏というわけじゃ……って佐々くん、何、顔を赤くしてるの!」
梨絵はにわかに慌てた様子になった。
「じゃ、祐実また明日ね!」
梨絵はバッと立ち上がり佐々くんの腕を強引に掴み、彼を引き摺るようにして教室を出て行ってしまった。
私はわけが分からず呆気にとられてしまったが、梨絵と佐々くんが出ていくと、それを待っていたかのように周りにいたクラスメイトが一斉に動き出した……ような気がした。
(おかしい……絶対に何かある!)
私が周囲を見回したとき、茉美と目があった。
茉美は2年になってから同じクラスになったマンガアニメ大好き少女だ。
私もマンガとアニメが大好きなのですぐに仲良くなった。
「ねえ、茉美はなにか知ってる?最近のクラスの雰囲気が何やら変な気がするんだけど……?」
私はワザと声を低くして凄みを効かせてみた。もちろん本気ではなくていつもの遊び半分の冗談のつもりで。
「え、えと……わ、私は何も……」
と茉美が予想通りの反応をしているところへ、またもや別の男子、最近茉美と一緒に帰るようになった村下くんがやってきた。
「ほおぉ、またもや彼氏の登場ね」
私はふざけて悪女風の言い回しをしてみた。
「違うの、祐実ちゃん、村下くんは……」
「俺、茉美ちゃんの彼氏ってわけじゃないよ、ホントは俺、祐実ちゃんとつき……」
とそこまで言ったところで周囲にいた数名の男子がワッと群がってきて村下くんを抑え込んだ。
「村下てめぇええ!抜け駆けするんじゃねえぇええ!」
「そうだぞこの野郎!俺だってなぁ――」
と男子が罵声を浴びせると、周囲にいた女子も群がってきた。
「そうよ、私達の祐実様になんてことを言うの!」
「図々しいったらないんだから!」
(私達の祐実さま?なにそれ?)
「女子うるせえぇええ!俺たちの恋路を邪魔するなぁああ!」
「なによ、獣男子どもは消え去りなさい!」
いつの間にか、さっき帰ったはずの梨絵も戻ってきて騒ぎに加わっていた。
もう、何がなんだかワケワカメになってきた……。
「ちょっとみんな、静かにして!どういうことか私に説明して!!」
「「……」」
私の叫び声でやっと静かになった。
「で、どういうことなの?」
私は梨絵や茉美を始め周りのクラスメイトを見回して言った。
要はこういうことらしい。
クラスの殆どの男子が私に告白したがっていたが、女子はそれに大反対した。
そこで妥協案として、男女を無理やりペアにして付き合ってる風を装った、ということらしい。
うちのクラスは男子19名、女子20名の39名。
進級と同時に男子が一人転校したため女子が一人多くなった。
「で、私が一人余ったボッチということね」
ため息をつきながら私は言った。
私は自分が特に可愛いとも思ってないし、家族からも、
「可もなく不可もない10人並みの顔」
と言われていて、私もそれに全く異論はない。
特定の彼氏が欲しいとも思っていない。
女子はもちろんのこと、男子とも一緒にワイワイ賑やかに楽しくできるのが一番だと思っている。
一部の女子が言う『私たちの祐実様』には、一抹の不安を感じるけれど……。
「今の私は恋とか考えられないから。とにかく、みんな仲良く楽しくね!」
私がそう言うと、不承不承といった顔もチラホラあったが、多くはホッとした表情になって頷いてくれた。
そして翌日、ひとり少なかった男子の席に転校生がやってきた。
「アメリカの高校から転校してきた小谷君だ。お父さんの仕事の関係でアメリカにいたそうだ」
先生に紹介されると小谷君が快活に挨拶した。
「小谷翔太です、野球をやってます。よろしく!」
(あ……やばい……)
昨日、『恋とか考えられない』なんて言った舌の根も乾かぬうちに私は恋に落ちてしまったようだ。
周りを見るとほぼ女子全員の目がハートになっている。
(こうなったら何とか上手いいいわけをひねり出さないと……いえ、ひねり出してみせる!)
私は固く決意した。
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