異世界聖女召喚(仮)

如月 桜

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10.少し自重をおぼえます。

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 ぐいっとノアの手を引き歩き始めると、ノアは盛大にため息を吐き出し、私の後に続いてくれた。
 道の隅にひっそりと隠れるようにして店を開いていたそこは、誰もが胡散臭そうに遠めに見ていた。
「いらっしゃい」
 聞こえるか聞こえないかの声でそういったおばあさん。
 私はおばあさんの出している品物を一つ一つ鑑定をしていく。
 あった、あったよっ!!
 胡椒がっ!!!
 これがあれば、ノアが持っている材料でも、かなりおいしぃ料理ができるようになるんだよねぇ。
 あ、でも、こっちの世界って、昔の日本みたいに胡椒って高いのかなぁ・・・・・・。ノア、ぽんぽんお金出してくれてるけど、買ってくれるかなぁ・・・・・・。
「おや、珍しいね」
 しばし品物を見ながら悩んでいると、おばあさんが小さな声でつぶやいた。
「おまえさん――――――」
【ご婦人、騒ぎにしたくないので、それ以上は勘弁願いたい】
 ノアのわずかにとがった声音に顔を上げる。
 もちろん、フードでその大半の視界は隠れているが、ノアの目が鋭くなっているのがかろうじてわかった。
「―――――だろうね・・・・・・。私も騒ぎにしたくないからね・・・・・・お嬢ちゃん、何がほしいんだい」
 私と同じように目深くフードをかぶったおばあさんがそう聞いてきて、私はとりあえず、胡椒の入っている袋を指さした。
「変わったものが好きだねぇ・・・・・・どれ、久々に売れるから値引いてやろうか。銀貨5枚でいいよ」
【通常はいくらしている】
「―――――7枚だよ」
【これでいいか。彼女の口止め料もだ】
 懐から金色のコインを取り出し聞いたノアに、おばあさんは盛大なため息をついた。
「口止め料にしても多すぎだよ。じゃぁ、お嬢ちゃんにこれを上げようか」
 そういって、敷物の上にあった髪飾りを差し出してきた。
 長い髪をまとめるものがほしいと思っていたから願ってもないが、いいのだろうか。
 ノアへと聞こうとすれば、ノアはあっさりとおばあさんの手からそれを受け取り、私へと渡してきた。そして、胡椒のはいった袋はさっさとアイテムボックスの中へと消してた。
「少しは助けになるだろうよ」
【ありがとう】
 それだけ言うと、ノアは私を立たせて、にぎやかなほうへと歩き始めた。

―――――ノア?

 もくもくと歩くノアの背中を見上げ声をかけると、ノアはまた、ため息をついた。

――――もう少し慎重になれ・・・・・・

 ため息とともに言われ言葉に、首をかしげると、ノアはさらに息を吐いた。

――――先ほどの老婆はエルフの血が入っている

―――――エルフの血?って、エルフじゃないの?

――――昔、あの老婆の何代か前のものがエルフとの間の子なのだろ。

―――――珍しいの?

――――何代か前のエルフの血が外見にまで出てくるのは珍しいな。そういうものはたいてい魔力が高いから、お前が人でないということを見抜いてしまう

―――――見抜かれてたんだ・・・・・・それで、口止め料、だったんだね・・・・・・

 ごめん、というと、ノアは空いているほうの手で、頭を撫でてきた。

――――いいものはあったか?

―――――うん・・・・・・。

――――よかったな

―――――うん・・・・・・
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