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第3章、俺達が出来る事。
第5話、俺達が決めたこと
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目が覚めると亜空間の草原でそのまま寝ていた。
太陽が少し顔を出しうっすらと明るくなってきている。
周りを見ると皆も寝ていた。
俺だけじゃなくて皆揃ってここで寝るなんてな……
ハクヨウだけは寝相が悪かったのか少し遠くで寝てたけど。
適度な温度に保たれていて良かった。
外だったら風邪引いてたかもなぁ。
徐々に各々起きてきて、お約束のハクヨウのゴハンコールが始まったので、無限収納から食べ物を出し皆に配る。
無限収納に入れていた食料も大分少なくなってきたな。
ガーディッシュで何件もの屋台から出来立ての料理をそのまま保管出来ていたから、いつでも温かいモノを食べれていたけど。
多少は余裕を持って収納してたけど、シルファルで補充するつもりだったから余裕はあまりない。
食い意地はった駄鳥が一番食べるし……
だからハクヨウだけ寝ながら転がってるじゃないかと思います。
何か見た目がまん丸よ?ハクヨウさん。
それでも、一晩寝て全員がスッキリした顔をしている。
食後の休憩後、これからの事を話し合った。
とりあえずは、いったんガーディッシュに戻る事にした。
シルファルが魔族に襲われて壊滅した事を報告する為とシルファル以外の町の情報が無かった事もあった。
それと何よりも優先する事が俺達の戦力アップ。
今のままだと魔族には手も足も出ない。
大森林の奥地へと行く事にしたのだ。
ガーディッシュに向け進み、マップにモンスターの反応があれば積極的に倒し、人と会えばシルファルの事を話しガーディッシュへと進んだ。
そしてシルファルへ向かった時より少し時間が掛かったが1週間後、昼過ぎにガーディッシュに戻ってきた俺達は、その足でギルドへと向かった。
ギルドへ向かいながら町の様子を見る。
モンスター襲来の前の状態に戻っている様で安心した。
俺達が襲来の後、町の人々は避難して半分以下の人口しかいなかったからな。
ちなみに避難していたのはシルファルとは真逆に位置する町「フレアード」と言う所だと聞いた。
この辺りでは最も大きい町で、人口も冒険者の数もここガーディッシュの6倍以上の規模があるらしい。(シルファルは3倍くらい)
「この町は何事も無くて安心したでゴザル」
「あぁ、本当に良かった」
だがシルファルの事を思うと胸が傷む。
「とにかくギルドに向かおう」
「分かったでゴザル」
町並みを見ながら歩いているとギルドの建物が見えてきた。
「帰って来たな……」
「そうでゴザルな」
ギルドに入る。
この時間は一番人が少ない、何人か酒を飲んでるヤツがいるくらいだ。
俺達を気にもしていない。
それでも、そう掛からず人が増えてくる時間帯になる。
受付のカウンターを見ると、そこには俺達が良く知る女性が姿勢良く座り黙々と仕事をしていた。
そのカウンターに向かう。
「レフィーさんただいま」
俺の声に気付き、顔を上げて俺の顔を見たレフィーさんは突然の訪問に驚き、目を大きく見開き固まっていた。
「え?……マサムネさん?あ、えっと、マサムネ様!」
「俺だけじゃなくて皆もいますよ」
混乱してアワアワしてるレフィーさんが落ち着くのを少し待った。
さすがのレフィーさん、すぐに落ち着きを見せた。
まぁ、まだ顔とか耳とか恥ずかしいのか真っ赤だけど。
一度咳払いしてレフィーさんが口を開く。
「それでマサムネ様、どうしました?確かシルファルに向かったハズなのでは?」
俺はレフィーさんに、この場所では話せないと話した。
レフィーさんもただ事では無い事を察し、すぐに動く。
「分かりました。ではギルドマスターに取り次ぎますので少々お待ちくださいませ」
そして数分後……
「失礼します」
俺は扉をノックをして扉の奥に居る人物に声をかける。
「おう!遠慮なく入ってくれ!」
いつもの大声を聞き、ギルドマスターの部屋に扉を開けて入った。
ギルド室に入るとソファーに座るよう言われ俺とコウが座る。
ハクヨウは背もたれにとまり、レツガはソファーの脇に座る。
「ん?ちっこいのが増えてるな?それはグランドベアーか?」
「ハイ、他のモンスターに襲われ母親が亡くなり、その後にテイムしました」
「そうか、後で従魔登録しておけよ?」
「分かりました」
「それで、シルファルに向かったはずのお前達が何故この町に戻ってきた?まさか寂しくてと言う訳ではあるまい?」
「はい。俺達はシルファルに向かい予定通りに町には着いたんですが………」
「何があった?」
「俺達がシルファルの町に着くと町は破壊され、生きている人は一人もいませんでした」
「……何だと?」
ギルドマスターから怒気が発せられた。
ギルドマスターが手をついた高そうなテーブルが、またミシミシいっている。
「どう言うことだ!町1つが消滅するなどあり得んぞ!ましてやシルファルは、この町より遥かに大きい!
たとえ大量のモンスターに襲われても簡単には落ちない!ましてやお前が言う程の事が起こったら、 間違いなくここにも情報が入っているハズだ!」
部屋が震える程の声で怒りがどれ程なのか分かる。
この部屋は防音の魔道具を使っていて、部屋の外には聞こえない仕組みらしいけど、それでも耳が普通に痛い。
ハクヨウとレツガは驚きと声の大きさの被害で目を回している程だ。
動物は人より耳が良いから余計に可哀想だ。
大きい声を出して少し落ち着いて来たのか、ギルドマスターは、一度息を吐きソファーに深く座った。
それを見て俺は話を続ける。
「ギルドマスター、シルファルは大量のモンスターじゃなく、たった1体の魔族によって滅ぼされたんです」
「な!?魔族……だと!まさか!?」
「本当です、俺達はその魔族と直接、戦いました」
「何だと!?魔族と戦った!?……良く無事だったな」
「ハッキリ言って手も足も出ませんでした。正直、自分達が強いと勘違いしてました」
俺は悔しさのあまり拳を強く握りしめる。
「魔族とあった時、最初は恐怖で身体が動かなかった。それでも何とか皆で戦ったものの、結果は、何も出来ず逃げて隠れる事でした」
「そうだろうな、魔族と戦える者となるとSランクの実力が無ければ太刀打ち出来ん、それ程の存在だ【魔族】とはな」
「ギルドマスター、そもそも魔族とは、どんな存在なんですか?」
「魔族とは、魔力は人間を遥かに上回ってるし、身体能力も飛び抜けている。
まさに究極の存在だ。
そしてその魔族の頂点に立つのが、魔王と言わてれる。
魔王は、全ての魔族やモンスターを手足の様に操り、単独でも大国をも簡単に消し去るほどの力を持っている魔族の神とも言える存在だ」
「魔王………」
「しかし、本当にどうやって魔族から生き延びた?簡単に逃げれるとは思わんがな」
「ハハハ、それはテイマーの裏技を使いました」
「裏技?」
「ハイ、魔法の爆発で土煙を上げて魔族の視界を塞ぎ、その隙に亜空間に逃げ込みました。それで俺達は消滅したと思ってくれれば良いけど、と言うか俺達の事を眼中に無いかもですが」
「成るほどな、亜空間か……それに悔しがるのは良いが、あまり引きずるなよ?普通の奴なら逃げるどころか、瞬殺されているからな?生きてるだけで凄いと思っておけ。この町の英雄達よ!」
ガハハと笑うギルドマスターに苦笑いしながらも、少し気持ちが楽になった気がした。
魔族、そして魔王。
今の俺達よりも遥かに強い存在。
確かに勝てるのかって言う不安はあるけど。
でも確実に俺達の胸には強くなって次は勝つ!と言う思いも強くなっていた。
太陽が少し顔を出しうっすらと明るくなってきている。
周りを見ると皆も寝ていた。
俺だけじゃなくて皆揃ってここで寝るなんてな……
ハクヨウだけは寝相が悪かったのか少し遠くで寝てたけど。
適度な温度に保たれていて良かった。
外だったら風邪引いてたかもなぁ。
徐々に各々起きてきて、お約束のハクヨウのゴハンコールが始まったので、無限収納から食べ物を出し皆に配る。
無限収納に入れていた食料も大分少なくなってきたな。
ガーディッシュで何件もの屋台から出来立ての料理をそのまま保管出来ていたから、いつでも温かいモノを食べれていたけど。
多少は余裕を持って収納してたけど、シルファルで補充するつもりだったから余裕はあまりない。
食い意地はった駄鳥が一番食べるし……
だからハクヨウだけ寝ながら転がってるじゃないかと思います。
何か見た目がまん丸よ?ハクヨウさん。
それでも、一晩寝て全員がスッキリした顔をしている。
食後の休憩後、これからの事を話し合った。
とりあえずは、いったんガーディッシュに戻る事にした。
シルファルが魔族に襲われて壊滅した事を報告する為とシルファル以外の町の情報が無かった事もあった。
それと何よりも優先する事が俺達の戦力アップ。
今のままだと魔族には手も足も出ない。
大森林の奥地へと行く事にしたのだ。
ガーディッシュに向け進み、マップにモンスターの反応があれば積極的に倒し、人と会えばシルファルの事を話しガーディッシュへと進んだ。
そしてシルファルへ向かった時より少し時間が掛かったが1週間後、昼過ぎにガーディッシュに戻ってきた俺達は、その足でギルドへと向かった。
ギルドへ向かいながら町の様子を見る。
モンスター襲来の前の状態に戻っている様で安心した。
俺達が襲来の後、町の人々は避難して半分以下の人口しかいなかったからな。
ちなみに避難していたのはシルファルとは真逆に位置する町「フレアード」と言う所だと聞いた。
この辺りでは最も大きい町で、人口も冒険者の数もここガーディッシュの6倍以上の規模があるらしい。(シルファルは3倍くらい)
「この町は何事も無くて安心したでゴザル」
「あぁ、本当に良かった」
だがシルファルの事を思うと胸が傷む。
「とにかくギルドに向かおう」
「分かったでゴザル」
町並みを見ながら歩いているとギルドの建物が見えてきた。
「帰って来たな……」
「そうでゴザルな」
ギルドに入る。
この時間は一番人が少ない、何人か酒を飲んでるヤツがいるくらいだ。
俺達を気にもしていない。
それでも、そう掛からず人が増えてくる時間帯になる。
受付のカウンターを見ると、そこには俺達が良く知る女性が姿勢良く座り黙々と仕事をしていた。
そのカウンターに向かう。
「レフィーさんただいま」
俺の声に気付き、顔を上げて俺の顔を見たレフィーさんは突然の訪問に驚き、目を大きく見開き固まっていた。
「え?……マサムネさん?あ、えっと、マサムネ様!」
「俺だけじゃなくて皆もいますよ」
混乱してアワアワしてるレフィーさんが落ち着くのを少し待った。
さすがのレフィーさん、すぐに落ち着きを見せた。
まぁ、まだ顔とか耳とか恥ずかしいのか真っ赤だけど。
一度咳払いしてレフィーさんが口を開く。
「それでマサムネ様、どうしました?確かシルファルに向かったハズなのでは?」
俺はレフィーさんに、この場所では話せないと話した。
レフィーさんもただ事では無い事を察し、すぐに動く。
「分かりました。ではギルドマスターに取り次ぎますので少々お待ちくださいませ」
そして数分後……
「失礼します」
俺は扉をノックをして扉の奥に居る人物に声をかける。
「おう!遠慮なく入ってくれ!」
いつもの大声を聞き、ギルドマスターの部屋に扉を開けて入った。
ギルド室に入るとソファーに座るよう言われ俺とコウが座る。
ハクヨウは背もたれにとまり、レツガはソファーの脇に座る。
「ん?ちっこいのが増えてるな?それはグランドベアーか?」
「ハイ、他のモンスターに襲われ母親が亡くなり、その後にテイムしました」
「そうか、後で従魔登録しておけよ?」
「分かりました」
「それで、シルファルに向かったはずのお前達が何故この町に戻ってきた?まさか寂しくてと言う訳ではあるまい?」
「はい。俺達はシルファルに向かい予定通りに町には着いたんですが………」
「何があった?」
「俺達がシルファルの町に着くと町は破壊され、生きている人は一人もいませんでした」
「……何だと?」
ギルドマスターから怒気が発せられた。
ギルドマスターが手をついた高そうなテーブルが、またミシミシいっている。
「どう言うことだ!町1つが消滅するなどあり得んぞ!ましてやシルファルは、この町より遥かに大きい!
たとえ大量のモンスターに襲われても簡単には落ちない!ましてやお前が言う程の事が起こったら、 間違いなくここにも情報が入っているハズだ!」
部屋が震える程の声で怒りがどれ程なのか分かる。
この部屋は防音の魔道具を使っていて、部屋の外には聞こえない仕組みらしいけど、それでも耳が普通に痛い。
ハクヨウとレツガは驚きと声の大きさの被害で目を回している程だ。
動物は人より耳が良いから余計に可哀想だ。
大きい声を出して少し落ち着いて来たのか、ギルドマスターは、一度息を吐きソファーに深く座った。
それを見て俺は話を続ける。
「ギルドマスター、シルファルは大量のモンスターじゃなく、たった1体の魔族によって滅ぼされたんです」
「な!?魔族……だと!まさか!?」
「本当です、俺達はその魔族と直接、戦いました」
「何だと!?魔族と戦った!?……良く無事だったな」
「ハッキリ言って手も足も出ませんでした。正直、自分達が強いと勘違いしてました」
俺は悔しさのあまり拳を強く握りしめる。
「魔族とあった時、最初は恐怖で身体が動かなかった。それでも何とか皆で戦ったものの、結果は、何も出来ず逃げて隠れる事でした」
「そうだろうな、魔族と戦える者となるとSランクの実力が無ければ太刀打ち出来ん、それ程の存在だ【魔族】とはな」
「ギルドマスター、そもそも魔族とは、どんな存在なんですか?」
「魔族とは、魔力は人間を遥かに上回ってるし、身体能力も飛び抜けている。
まさに究極の存在だ。
そしてその魔族の頂点に立つのが、魔王と言わてれる。
魔王は、全ての魔族やモンスターを手足の様に操り、単独でも大国をも簡単に消し去るほどの力を持っている魔族の神とも言える存在だ」
「魔王………」
「しかし、本当にどうやって魔族から生き延びた?簡単に逃げれるとは思わんがな」
「ハハハ、それはテイマーの裏技を使いました」
「裏技?」
「ハイ、魔法の爆発で土煙を上げて魔族の視界を塞ぎ、その隙に亜空間に逃げ込みました。それで俺達は消滅したと思ってくれれば良いけど、と言うか俺達の事を眼中に無いかもですが」
「成るほどな、亜空間か……それに悔しがるのは良いが、あまり引きずるなよ?普通の奴なら逃げるどころか、瞬殺されているからな?生きてるだけで凄いと思っておけ。この町の英雄達よ!」
ガハハと笑うギルドマスターに苦笑いしながらも、少し気持ちが楽になった気がした。
魔族、そして魔王。
今の俺達よりも遥かに強い存在。
確かに勝てるのかって言う不安はあるけど。
でも確実に俺達の胸には強くなって次は勝つ!と言う思いも強くなっていた。
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