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煌めきの都
空ナ刻 Ⅲ
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彼女が残した便箋に、筆圧で刻まれていた文字。
彼女が感情に任せて、書きなぐったとしか思えない筆圧のそれ。
リュディガーだけが知っている、手紙と言うには憚られる文字の連なり。
その紙は銀の遺髪__否、御髪とともに、リュディガーが保管していた。
__リュディガー
__ごめんなさい
__私は、貴方に打ち明ける勇気がなかった。
__私は、
そこで切れた文字。
彼女の想い。
私を見つけて、という文字と同じ便箋に刻まれて残されていたそれら。まるで想いを発露したような__しかけたような。
__私は、間諜だった……そう伝えたかったのか? いや、だが……それは、違う……よな? 何か別の……。
否定していたが、その文字の先を想像すると恐ろしくなる。
彼女を疑ってしまっている自分が、浅ましく思えてきた。
「__間諜である、ということは飛躍した発想だと私も思う」
威厳に溢れたレナーテルの言葉に、リュディガーは思考を断ち切られて我に返る。
「ただ……この耳飾りの存在。私は、彼女が生きていることを示唆しているように思えてならない」
「……今、なんと?」
「生きている可能性がある、と言ったのだが?」
__生きて……?
全くもって予想していなかった言葉に、リュディガーはついていかない。
「彼女が戻った理由。それはご尊父__養父が、戻るよう呼びかけたからと聞く。迎えも唐突で、その養父は姿を出さず、使いの者だけ。使いの者には、非礼への詫びとこれまでの感謝ということで、かなりの額を託していた。あれだけの額、なかなか出せるものではない。__慣れた者でなければ」
彼女の養父。
リュディガーには、どうにも彼女の養父が得体の知れない存在、不信感の固まりになっていた。
「間諜であれば、偽名を使うだろう。キルシェ・ラウペンが仮に偽名だとして、その戸籍を用意できるのは、言わずもがなその州の官吏__それも上級官吏だ。あの額の金品のやり取りに慣れていることを鑑みるに、その養父が一枚噛んでいるとも思えてくる。そして、わざわざ偽の戸籍を作らせることができるような人物と関わりがあるとは、きな臭いと思って当然」
「魔物が襲ったという点は……? あれこそ偶発的な……不幸な出来事。任意で魔物を操るなど……」
「それは、不可能ではないだろうが……。それが出来ないとしても、不可解な点をあげれば、帰路わざわざ車を選んだことだ。州境で魔穴が出てしばらく経ったとは申せ、あの谷には瘴気が渦巻き、度々獰猛な魔物が現れていた話があった。そこをわざわざ通った点が、今となっては解せない」
それはたしかに、とリュディガーは内心頷いた。
「そなたが言った通り、間諜であれば祐筆の誘いを断るとは、私もビルネンベルク師も思えないのだ。だが、可能性のひとつである、と留めておかねばならないとも思う。同時にイェソドでは政変もあったばかり。急に呼び戻されたラウペンが、死を装う必要がある何かに巻き込まれているのではないか__その線も捨てきれない」
「中央は、イェソドの監視を強化していたところなのだよ、リュディガー」
とん、とビルネンベルクが肩に手を置く。
その表情はとても大らかであるが、いつになく真摯なそれ。
「そう、でしたか……」
「これが、どういった経緯でそなたの手に渡ったのかを、今日は知りたかったのだ。遺品を確認した我々には、どうしても知りたいことだからな」
__私を見つけて、か……。
あの文字は、どういった意図だったのだろう。
__生きているのなら、会いたい……。
会って確認したい。
会えば、わかるように思える。
追えば、自ずと全ての答えを知ることができるように思える。
だが、すぐにそれができなかったのは、父ローベルトの容態が芳しくなくなったから。
そして、父が身罷って喪があけてすぐ、愛龍もこの世を去った。愛龍を失った直後、自分に白羽の矢が立てられたのである。
__見つけようと……足跡を辿れば……。
文字が刻まれた便箋を遠い眼差しで眺めて__がっ、と突如その手首を掴まれ、リュディガーははっ、と我に返る。
「__また酷い歯ぎしりをしていたぞ、リュディガー」
視界には、アンブラがいた。
見える景色は、どこぞの部屋。
その作りや調度品から、イェソド州城の一角の部屋だと推察できた。
そこに自分は寝かされている状況で、これだけ安全な状況を確保できているということは、つまり事は終わりを迎えたのだろう。
投げ出された腕__アンブラが掴んでいた手首が解放され、徐にそれを持ち上げ手を見るも、案の定、見つめていたはずの便箋はなかった。
「……アンブラ、彼女は無事なのか?」
「ああ。フルゴルが言うに、すべて終わった。影身を然るべき形にしたが、そこで彼女も気力を使い果たしたらしい。今は、以前の住まいの私室で休んでいる」
そうか、と答えるものの頭に靄がかかったようで、思考がふやけるような心地がする。気持ちが悪いというほどではないが、いくらか不快でリュディガーは額を強く押さえた。
「……アンブラ、今はいつだ?」
「今は、今だ。……やはり、また行っていたか」
呆れたように言われ、リュディガーは、軽く肩をすくめる。
「あの歯軋り……よほど不快な刻を見ていたらしいな。いい加減、自分で空だと気がつくことだ。やたらに、すべて同じ刻の言葉を使うからこうなる。我々と契約して、我々の言の葉からの派生として、より簡単に理解し使えるようになったからといって、安全ではない、と言った。気を抜けば、常に__」
「わかっている。寝ていたから……気が緩んだんだ。寝ている間も気を張るなんてできないだろう」
「だが、気を抜くな。わかっただろう。あれはヒトの身に余る言葉。我々でさえ、滅多に使わないのだ」
「……ああ」
リュディガーは、額を押さえていた手を滑らし、顔を擦るように拭う。
「目覚めたのであれば、フォンゼル団長を呼ぶ。通すぞ」
こくり、と頷き、身を起こす。
倦怠感はかなりあるが、動けないほどではない。
残穢は祓ったようだ。
怪我の痛みがないのは、アンブラのお陰か__。
「なあ、アンブラ」
扉へ向かう背に声をかけると、アンブラは静かに振り返った。
「……彼女は、生きていたな。それに間諜でもなかった」
アンブラは目を細める。
「……確証があったのだろう? __お前が見た刻から、それを導き出し、そう信じていたのだろう?」
「まぁ……そうだな……」
「揺るぎなく信じることは、正しい。__だが、二度と見ないことだ。常に希望ばかりを見るのではないからな」
「あぁ……わかっている」
アンブラはしばしリュディガーを見てから、扉へ向かい、部屋を去った。
残されたリュディガーは、ふぅ、とため息を零して、窓の外を見る。
外はまだ夜の帳が降りているものの、最後に見た空とは打って変わって、星が瞬く空になっていた。
__生きている……。私も、彼女も……。
じんわり、と温かいものがこみ上げてくる。目頭が、熱いのは気のせいだろう。何せ喜と楽という表情は欠けていて、そちらの感情も乾いてしまっているのだから。
そうして暫くすると、彼はフォンゼルを伴って戻ってくる。
「__ナハトリンデン。ご苦労だった。動けるな?」
「はい」
「では、鎧を着用しろ。非常時だ。人手が欲しい。持って来させてある」
「……はい」
端的に発せられる命令には、異論は許さない、という意思が隠すことなくにじみ出ていた。
「龍騎士の甲冑なら、『氷の騎士』だと気付かれ、これまでの怨みつらみをぶつける輩もおらん。病み上がりだろうが、身支度を終えたら、私の補佐に回れ。__人でなしだと罵ってもらって構わん。慣れている」
「ぎょ、御意……」
団長直々に指示を受けるのは、この間諜の任務を打診された時以来。上官である元帥にも、こうした物言いだった。
それを数年ぶりに面と向かってされ、たじろぐリュディガー。
しかしながら、いよいよ龍帝従騎士団へ戻るための洗礼のように感じられ、こそばゆさを覚えるのだった。
彼女が感情に任せて、書きなぐったとしか思えない筆圧のそれ。
リュディガーだけが知っている、手紙と言うには憚られる文字の連なり。
その紙は銀の遺髪__否、御髪とともに、リュディガーが保管していた。
__リュディガー
__ごめんなさい
__私は、貴方に打ち明ける勇気がなかった。
__私は、
そこで切れた文字。
彼女の想い。
私を見つけて、という文字と同じ便箋に刻まれて残されていたそれら。まるで想いを発露したような__しかけたような。
__私は、間諜だった……そう伝えたかったのか? いや、だが……それは、違う……よな? 何か別の……。
否定していたが、その文字の先を想像すると恐ろしくなる。
彼女を疑ってしまっている自分が、浅ましく思えてきた。
「__間諜である、ということは飛躍した発想だと私も思う」
威厳に溢れたレナーテルの言葉に、リュディガーは思考を断ち切られて我に返る。
「ただ……この耳飾りの存在。私は、彼女が生きていることを示唆しているように思えてならない」
「……今、なんと?」
「生きている可能性がある、と言ったのだが?」
__生きて……?
全くもって予想していなかった言葉に、リュディガーはついていかない。
「彼女が戻った理由。それはご尊父__養父が、戻るよう呼びかけたからと聞く。迎えも唐突で、その養父は姿を出さず、使いの者だけ。使いの者には、非礼への詫びとこれまでの感謝ということで、かなりの額を託していた。あれだけの額、なかなか出せるものではない。__慣れた者でなければ」
彼女の養父。
リュディガーには、どうにも彼女の養父が得体の知れない存在、不信感の固まりになっていた。
「間諜であれば、偽名を使うだろう。キルシェ・ラウペンが仮に偽名だとして、その戸籍を用意できるのは、言わずもがなその州の官吏__それも上級官吏だ。あの額の金品のやり取りに慣れていることを鑑みるに、その養父が一枚噛んでいるとも思えてくる。そして、わざわざ偽の戸籍を作らせることができるような人物と関わりがあるとは、きな臭いと思って当然」
「魔物が襲ったという点は……? あれこそ偶発的な……不幸な出来事。任意で魔物を操るなど……」
「それは、不可能ではないだろうが……。それが出来ないとしても、不可解な点をあげれば、帰路わざわざ車を選んだことだ。州境で魔穴が出てしばらく経ったとは申せ、あの谷には瘴気が渦巻き、度々獰猛な魔物が現れていた話があった。そこをわざわざ通った点が、今となっては解せない」
それはたしかに、とリュディガーは内心頷いた。
「そなたが言った通り、間諜であれば祐筆の誘いを断るとは、私もビルネンベルク師も思えないのだ。だが、可能性のひとつである、と留めておかねばならないとも思う。同時にイェソドでは政変もあったばかり。急に呼び戻されたラウペンが、死を装う必要がある何かに巻き込まれているのではないか__その線も捨てきれない」
「中央は、イェソドの監視を強化していたところなのだよ、リュディガー」
とん、とビルネンベルクが肩に手を置く。
その表情はとても大らかであるが、いつになく真摯なそれ。
「そう、でしたか……」
「これが、どういった経緯でそなたの手に渡ったのかを、今日は知りたかったのだ。遺品を確認した我々には、どうしても知りたいことだからな」
__私を見つけて、か……。
あの文字は、どういった意図だったのだろう。
__生きているのなら、会いたい……。
会って確認したい。
会えば、わかるように思える。
追えば、自ずと全ての答えを知ることができるように思える。
だが、すぐにそれができなかったのは、父ローベルトの容態が芳しくなくなったから。
そして、父が身罷って喪があけてすぐ、愛龍もこの世を去った。愛龍を失った直後、自分に白羽の矢が立てられたのである。
__見つけようと……足跡を辿れば……。
文字が刻まれた便箋を遠い眼差しで眺めて__がっ、と突如その手首を掴まれ、リュディガーははっ、と我に返る。
「__また酷い歯ぎしりをしていたぞ、リュディガー」
視界には、アンブラがいた。
見える景色は、どこぞの部屋。
その作りや調度品から、イェソド州城の一角の部屋だと推察できた。
そこに自分は寝かされている状況で、これだけ安全な状況を確保できているということは、つまり事は終わりを迎えたのだろう。
投げ出された腕__アンブラが掴んでいた手首が解放され、徐にそれを持ち上げ手を見るも、案の定、見つめていたはずの便箋はなかった。
「……アンブラ、彼女は無事なのか?」
「ああ。フルゴルが言うに、すべて終わった。影身を然るべき形にしたが、そこで彼女も気力を使い果たしたらしい。今は、以前の住まいの私室で休んでいる」
そうか、と答えるものの頭に靄がかかったようで、思考がふやけるような心地がする。気持ちが悪いというほどではないが、いくらか不快でリュディガーは額を強く押さえた。
「……アンブラ、今はいつだ?」
「今は、今だ。……やはり、また行っていたか」
呆れたように言われ、リュディガーは、軽く肩をすくめる。
「あの歯軋り……よほど不快な刻を見ていたらしいな。いい加減、自分で空だと気がつくことだ。やたらに、すべて同じ刻の言葉を使うからこうなる。我々と契約して、我々の言の葉からの派生として、より簡単に理解し使えるようになったからといって、安全ではない、と言った。気を抜けば、常に__」
「わかっている。寝ていたから……気が緩んだんだ。寝ている間も気を張るなんてできないだろう」
「だが、気を抜くな。わかっただろう。あれはヒトの身に余る言葉。我々でさえ、滅多に使わないのだ」
「……ああ」
リュディガーは、額を押さえていた手を滑らし、顔を擦るように拭う。
「目覚めたのであれば、フォンゼル団長を呼ぶ。通すぞ」
こくり、と頷き、身を起こす。
倦怠感はかなりあるが、動けないほどではない。
残穢は祓ったようだ。
怪我の痛みがないのは、アンブラのお陰か__。
「なあ、アンブラ」
扉へ向かう背に声をかけると、アンブラは静かに振り返った。
「……彼女は、生きていたな。それに間諜でもなかった」
アンブラは目を細める。
「……確証があったのだろう? __お前が見た刻から、それを導き出し、そう信じていたのだろう?」
「まぁ……そうだな……」
「揺るぎなく信じることは、正しい。__だが、二度と見ないことだ。常に希望ばかりを見るのではないからな」
「あぁ……わかっている」
アンブラはしばしリュディガーを見てから、扉へ向かい、部屋を去った。
残されたリュディガーは、ふぅ、とため息を零して、窓の外を見る。
外はまだ夜の帳が降りているものの、最後に見た空とは打って変わって、星が瞬く空になっていた。
__生きている……。私も、彼女も……。
じんわり、と温かいものがこみ上げてくる。目頭が、熱いのは気のせいだろう。何せ喜と楽という表情は欠けていて、そちらの感情も乾いてしまっているのだから。
そうして暫くすると、彼はフォンゼルを伴って戻ってくる。
「__ナハトリンデン。ご苦労だった。動けるな?」
「はい」
「では、鎧を着用しろ。非常時だ。人手が欲しい。持って来させてある」
「……はい」
端的に発せられる命令には、異論は許さない、という意思が隠すことなくにじみ出ていた。
「龍騎士の甲冑なら、『氷の騎士』だと気付かれ、これまでの怨みつらみをぶつける輩もおらん。病み上がりだろうが、身支度を終えたら、私の補佐に回れ。__人でなしだと罵ってもらって構わん。慣れている」
「ぎょ、御意……」
団長直々に指示を受けるのは、この間諜の任務を打診された時以来。上官である元帥にも、こうした物言いだった。
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