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天つ通い路
朔月の赦し Ⅱ
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扉の向こうへ身体の半分を出すようにして声をかけるフルゴル。
いくつかやり取りをする相手は、マイャリスの耳が捉えた声でリュディガーだと悟る。
フルゴルが身を引いて招き入れた人物は、紛れもなくそのリュディガーだった。
彼は夕食のために着替えたのであろう礼装姿で、肩には黄金色の小さい龍が襟巻きのように乗っている。
「夕食、召し上がれましたか?」
視線があった彼は、とても難しい顔をしていて、マイャリスは大丈夫であることを伝えるため、明るく冗談めかして言って笑顔を見せた。
すると、彼の顔が一瞬驚いたものになるが、すぐにいくらか和らぐ。
「いや、まだ。そんな場合じゃなかった。クライン達には食べてもらった。もう終わった頃だろう」
「そんなに経っていましたか……」
思っていた以上の経過で、マイャリスは頬に手を添えようにして視線を落とす。
「具合は? 顔色は戻ったようだが……」
寝台へと歩み寄り、手近な椅子を寄せて座った。
「今はもう何とも。寝不足の朝のような、ぼんやりとした心地があるだけです」
「本当に?」
「はい」
そうか、と言ったリュディガーは、マイャリスの膝の上に置かれた手へ視線を落とす。
「__異変があった、とアンブラに言われて駆けつけてみれば、真っ青な顔の君が倒れていて……フルゴルがすでに処置をしていたが……君は本当に冷たかった……」
「そうでしたか……。あの、今回のこれは、ただの不調で倒れた、ということではないのですよね? 理由があるとか……」
ですよね、とフルゴルに尋ねれば、彼女は頷く。
「州都の鏡を、すげ替える儀式をしたらしい」
フルゴルが口を開くよりも先に、リュディガーが言った。
「すげ替える……?」
「ああ。私も、帝都に戻ったとき、初めて知らされたことだった。州都へ戻ったが君はすでにハイムダルに居るから、追って備えていろ、と言われて」
言いながら、リュディガーは首に巻き付いたオーリオルを軽く撫でる。
「私の任務には、所在不明の鏡の在り処を探すことと奪還だったから、寝耳に水もいいところ。しかも何がどうなるか分からないときた……。__お前たちもなんだろう? フルゴル」
フルゴルは首肯する。
「どうやら、かねてより、天帝と龍帝との間で話し合われ、実行に移されてきたことのようでした。龍室の護法神の一柱、地麟様に影身を磨かせ、この影身をもって強固な抑えにするというもの」
「地麟様というのは……あのお小さいお方」
「ああ。君もあったはずの」
矢馳せ馬の最終選考試験で、落馬した自分。そのとき、不可知の領分を覗き、さまよっていた自分の手を引いてくれた地麟。
稚い見た目であるが、上品でもあり威厳に溢れた立ち居振る舞い、そして所作の少女は、引きずるような長さの蓬莱の民族衣装を身に纏っていた。
その胸元の輝き。
あれは鏡。鏡を首から提げていた__と、マイャリスは、はっ、とした。
__では、あの鏡がそれ。
「ゆくゆくはそうする心算だったようで……そんな中で、もともとの、行方不明となってしまった影身があり、このまま万が一にも見つからなかったら、それはそれ。穴に落ちてしまっていては、見つけることは困難ですから……。月蝕が落ち着けば、魔穴もいくらか収まる。龍騎士と神官などを駆使して抑え続け、然るべき時に据える、という計画が保険として動いていた様子」
「たまたま、私が__獬豸の血胤が生きていて、影身を見つけられた」
「はい。これは僥倖だったのです。すぐに抑えられましたから。そして、既存の影身を利用いたしましたが、その上で新しい鏡をこの際据えてしまえばよりよい。__そうすることによって、起こる弊害も考慮して、マイャリス様には、遠いこの地に移っていただいた」
「弊害があるのはわかりますが……どうして、私が遠くに移されたのです?」
「影響とは、限定的。__君に現れることが予想できたんだ」
「私に……」
「マイャリス様の御身に流れる血。あれに一族に課せられた使命のようなものが、深く刻まれているのです。影身をすげ替えるのであれば、必ず影響があるのは明白でした。ですから、少しでも意識しないで済むよう、物理的に距離を取っていただいたのです。そうすれば、月蝕同様、遠く離れれば余波は少ない」
月蝕の一番の被害があった州都。
そこから離れればはなれるほど被害は少なくなっていき、この地域にいたっては何事もなかった。それを道中見かけたマイャリスには、とても印象的だった景色だった。
「屋敷を引き払う、というのは、まさか……口実だったのですか?」
「引き払いはする。だが口実でもあった」
「遠ざけて、影身を意識させない為には、ちょうどよい口実だったのです。意識してしまうだけでも、途端に繋がりがはっきりとしてすげ替える際の影響はより強く出てしまいますから」
「影身をすげ替えるということ事態、団長閣下にのみ知らされていて、直前になって我々に通達されたんだ。備えいたのに……。すまなかった」
リュディガーは眉間に深い皺を寄せて、頭を垂れた。膝に置かれた彼の両手が、強く握りしめられている。
「この日が、都合がよかったのです。月蝕から最初の、朔月である今日が。仕立てるのには、うってつけの日。我々も、万が一に備えるには都合がよかった。本来ならば、違和感だとか……その程度で済むはずでした」
「予想以上の余波だった?」
「はい……。まさか、魂が希薄になるほどとは……。影身の破壊の条件を鑑みるに、死ぬことはないとは思いましたが……」
希薄、という言葉をマイャリスは内心反芻した。
あの倒れる直前の心地。思い返せば、死に向かっている状態とは、あの心地のことではないだろうか。
「獬豸族にもらった助言通りに実行したとは申せ、当たり前のようにあったものを、無理やり剥ぎ取られるようなやり方と同義だった、ということだったのでしょう」
マイャリスは、膝に置いていた手をやや強く結び、そして開く。
違和感はない。
本当に今は、寝不足の朝の寝起きのそれの心地としか言いようがない。あの恐怖すら覚える心地は嘘のように。
「今は、もう繋がりはございません」
「そう、ですか……」
もともとあったらしい繋がりの意識も、皆無。そして、剥がされた、断たれた、という心地も皆無。
自分の身に降り掛かっていたらしいことが、一切実感ない。
__いえ、違うわ……。
よくよく自身の深いところに、なにかぽっかりと空虚な感覚がある。
これまでもあったと言えばあったかもしれないが、なかったと言えばなかったように思うそれ。それが、確かに今はある、とわかる。
__空虚がある……とは、なんとも可笑しいことだけれど。
「マイャリス様は、その大任を果たされたのです。そして、天帝の赦し__お教えがあって、解き放たれた。__影身に縛られることはもはやないのです」
「それは……私が、監視役でなくなった、ということですか? 強大な力を持つ龍帝陛下の__帝国の動向如何によって、影身を砕く役目」
「はい」
「……」
なんだろう。
どこか、ほっ、と胸を撫で下ろしている自分がいる。
帝国の敵になりうる可能性があった自分が、そうならずに済んだからだろうか。
実感がないままの使命があった自分。
いつ何時、その使命に目覚めたのだろう。
どのようにして目覚めさせられたのだろう。
それに素直に従ったのだろうか。
ずっとそれを、抱えて生きていくことになっていたのだ。
自分は帝国民のひとりで、帝国はとても好きな国である。それに弓を引かずに済んだというのは、安心しないはずがない。
__大切な人たちを、殺していたかもしれないのだもの。
そう、この目の前のリュディガーも。
「私の処遇は……」
見つめるリュディガーの顔が、滲んでいく。
リュディガーが、徐にマイャリスの手を握る。
ああ、そうだ、とマイャリスは気がついた。
__この手が、あの夢の中で掴んだ無骨な手だわ……。
「__君は、自由だ」
獬豸の血胤としての使命もない自分。
どうやらそれが、処遇らしい。
いくつかやり取りをする相手は、マイャリスの耳が捉えた声でリュディガーだと悟る。
フルゴルが身を引いて招き入れた人物は、紛れもなくそのリュディガーだった。
彼は夕食のために着替えたのであろう礼装姿で、肩には黄金色の小さい龍が襟巻きのように乗っている。
「夕食、召し上がれましたか?」
視線があった彼は、とても難しい顔をしていて、マイャリスは大丈夫であることを伝えるため、明るく冗談めかして言って笑顔を見せた。
すると、彼の顔が一瞬驚いたものになるが、すぐにいくらか和らぐ。
「いや、まだ。そんな場合じゃなかった。クライン達には食べてもらった。もう終わった頃だろう」
「そんなに経っていましたか……」
思っていた以上の経過で、マイャリスは頬に手を添えようにして視線を落とす。
「具合は? 顔色は戻ったようだが……」
寝台へと歩み寄り、手近な椅子を寄せて座った。
「今はもう何とも。寝不足の朝のような、ぼんやりとした心地があるだけです」
「本当に?」
「はい」
そうか、と言ったリュディガーは、マイャリスの膝の上に置かれた手へ視線を落とす。
「__異変があった、とアンブラに言われて駆けつけてみれば、真っ青な顔の君が倒れていて……フルゴルがすでに処置をしていたが……君は本当に冷たかった……」
「そうでしたか……。あの、今回のこれは、ただの不調で倒れた、ということではないのですよね? 理由があるとか……」
ですよね、とフルゴルに尋ねれば、彼女は頷く。
「州都の鏡を、すげ替える儀式をしたらしい」
フルゴルが口を開くよりも先に、リュディガーが言った。
「すげ替える……?」
「ああ。私も、帝都に戻ったとき、初めて知らされたことだった。州都へ戻ったが君はすでにハイムダルに居るから、追って備えていろ、と言われて」
言いながら、リュディガーは首に巻き付いたオーリオルを軽く撫でる。
「私の任務には、所在不明の鏡の在り処を探すことと奪還だったから、寝耳に水もいいところ。しかも何がどうなるか分からないときた……。__お前たちもなんだろう? フルゴル」
フルゴルは首肯する。
「どうやら、かねてより、天帝と龍帝との間で話し合われ、実行に移されてきたことのようでした。龍室の護法神の一柱、地麟様に影身を磨かせ、この影身をもって強固な抑えにするというもの」
「地麟様というのは……あのお小さいお方」
「ああ。君もあったはずの」
矢馳せ馬の最終選考試験で、落馬した自分。そのとき、不可知の領分を覗き、さまよっていた自分の手を引いてくれた地麟。
稚い見た目であるが、上品でもあり威厳に溢れた立ち居振る舞い、そして所作の少女は、引きずるような長さの蓬莱の民族衣装を身に纏っていた。
その胸元の輝き。
あれは鏡。鏡を首から提げていた__と、マイャリスは、はっ、とした。
__では、あの鏡がそれ。
「ゆくゆくはそうする心算だったようで……そんな中で、もともとの、行方不明となってしまった影身があり、このまま万が一にも見つからなかったら、それはそれ。穴に落ちてしまっていては、見つけることは困難ですから……。月蝕が落ち着けば、魔穴もいくらか収まる。龍騎士と神官などを駆使して抑え続け、然るべき時に据える、という計画が保険として動いていた様子」
「たまたま、私が__獬豸の血胤が生きていて、影身を見つけられた」
「はい。これは僥倖だったのです。すぐに抑えられましたから。そして、既存の影身を利用いたしましたが、その上で新しい鏡をこの際据えてしまえばよりよい。__そうすることによって、起こる弊害も考慮して、マイャリス様には、遠いこの地に移っていただいた」
「弊害があるのはわかりますが……どうして、私が遠くに移されたのです?」
「影響とは、限定的。__君に現れることが予想できたんだ」
「私に……」
「マイャリス様の御身に流れる血。あれに一族に課せられた使命のようなものが、深く刻まれているのです。影身をすげ替えるのであれば、必ず影響があるのは明白でした。ですから、少しでも意識しないで済むよう、物理的に距離を取っていただいたのです。そうすれば、月蝕同様、遠く離れれば余波は少ない」
月蝕の一番の被害があった州都。
そこから離れればはなれるほど被害は少なくなっていき、この地域にいたっては何事もなかった。それを道中見かけたマイャリスには、とても印象的だった景色だった。
「屋敷を引き払う、というのは、まさか……口実だったのですか?」
「引き払いはする。だが口実でもあった」
「遠ざけて、影身を意識させない為には、ちょうどよい口実だったのです。意識してしまうだけでも、途端に繋がりがはっきりとしてすげ替える際の影響はより強く出てしまいますから」
「影身をすげ替えるということ事態、団長閣下にのみ知らされていて、直前になって我々に通達されたんだ。備えいたのに……。すまなかった」
リュディガーは眉間に深い皺を寄せて、頭を垂れた。膝に置かれた彼の両手が、強く握りしめられている。
「この日が、都合がよかったのです。月蝕から最初の、朔月である今日が。仕立てるのには、うってつけの日。我々も、万が一に備えるには都合がよかった。本来ならば、違和感だとか……その程度で済むはずでした」
「予想以上の余波だった?」
「はい……。まさか、魂が希薄になるほどとは……。影身の破壊の条件を鑑みるに、死ぬことはないとは思いましたが……」
希薄、という言葉をマイャリスは内心反芻した。
あの倒れる直前の心地。思い返せば、死に向かっている状態とは、あの心地のことではないだろうか。
「獬豸族にもらった助言通りに実行したとは申せ、当たり前のようにあったものを、無理やり剥ぎ取られるようなやり方と同義だった、ということだったのでしょう」
マイャリスは、膝に置いていた手をやや強く結び、そして開く。
違和感はない。
本当に今は、寝不足の朝の寝起きのそれの心地としか言いようがない。あの恐怖すら覚える心地は嘘のように。
「今は、もう繋がりはございません」
「そう、ですか……」
もともとあったらしい繋がりの意識も、皆無。そして、剥がされた、断たれた、という心地も皆無。
自分の身に降り掛かっていたらしいことが、一切実感ない。
__いえ、違うわ……。
よくよく自身の深いところに、なにかぽっかりと空虚な感覚がある。
これまでもあったと言えばあったかもしれないが、なかったと言えばなかったように思うそれ。それが、確かに今はある、とわかる。
__空虚がある……とは、なんとも可笑しいことだけれど。
「マイャリス様は、その大任を果たされたのです。そして、天帝の赦し__お教えがあって、解き放たれた。__影身に縛られることはもはやないのです」
「それは……私が、監視役でなくなった、ということですか? 強大な力を持つ龍帝陛下の__帝国の動向如何によって、影身を砕く役目」
「はい」
「……」
なんだろう。
どこか、ほっ、と胸を撫で下ろしている自分がいる。
帝国の敵になりうる可能性があった自分が、そうならずに済んだからだろうか。
実感がないままの使命があった自分。
いつ何時、その使命に目覚めたのだろう。
どのようにして目覚めさせられたのだろう。
それに素直に従ったのだろうか。
ずっとそれを、抱えて生きていくことになっていたのだ。
自分は帝国民のひとりで、帝国はとても好きな国である。それに弓を引かずに済んだというのは、安心しないはずがない。
__大切な人たちを、殺していたかもしれないのだもの。
そう、この目の前のリュディガーも。
「私の処遇は……」
見つめるリュディガーの顔が、滲んでいく。
リュディガーが、徐にマイャリスの手を握る。
ああ、そうだ、とマイャリスは気がついた。
__この手が、あの夢の中で掴んだ無骨な手だわ……。
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