43 / 57
いつかの面影 Ⅰ
しおりを挟む
気持ちよく、すっきり、と目を覚ます。
二度寝したくなるような後を引く眠気もなく目が覚めて、軽く伸びをする。
見慣れない部屋は、例の庭師の家の一室__二階の部屋。
窓から見える景色は、眩しいぐらいの白銀と、抜けるような青に二分されているといっていいほど、他の色がなかった。
二階ということで、今朝は温かい空気が二階にのぼっているからだろう、春の陽気のような暖かさで、苦なく水差しの水を使って顔を洗い、身支度を済ませる。
そして下の居間へと降りていく__が、そこにリュディガーの姿はなかった。
彼は、暖炉近くにソファーを移動させて休んでいたはずだ。だが、そのソファーには彼がかけていた布団が背もたれにかけられているだけ。
人の気配はない__音があまりにもない。
テーブルには一人分の朝食があって、まさか、と弾かれるようにして暖炉そばにあるだろう彼の外套を探したが、やはりなかった。
__もう出てしまっている。
確か、屋敷の部屋にとりかかるという話だったから、屋敷へ行けばいいだろう。
キルシェは人目がないことをこれ幸いと、かきこむように食事を済ませ、外套を奪うようにとると外へと飛び出した。
案の定、まっさらな雪の中に、大きな足跡が一人分ずうっと続いている。
間違いなくリュディガーのものだ。
キルシェはそれを追った。
やや深い積雪だから、彼の足跡をなぞるように踏んでいくのだが、背丈に比例するように彼の歩幅は大きく、途中からは彼の足跡をたどりこそすれ、なぞるのを諦めた。
__いつも、合わせてくれていたのね。
改めてそうであったのだということを思いながら、その足跡をたどれば、途中足跡が分岐していた。
一方は屋敷の裏手へ、もう一方は屋敷の正面へ向かう軌跡。
__裏手には厩があるのよね、確か。
リュディガーから、大まかな敷地の配置を聞いていたキルシェ。
さらによくよくその足跡の軌跡を観察すれば、厩から戻ってきた足跡に少し重なるように屋敷の表へと向かう足跡が上から圧迫した足跡になっていることに気づいた。
__朝一番で、厩のサリックスに餌を与えにいったのね。
加えて言えば、敷地のどこかにいるらしいゾルリンゲリにも、餌を与えに行ったのだろう。であれば、この足跡の示す通り、その後屋敷を覗きに行った可能性はある。
キルシェは、屋敷の正面へと向かう足跡を辿ることにした。
屋敷は、地上二階建て。圧倒されるというほどの大きさではないが、だからといってこぢんまりとした印象を覚えるほどではない。
その屋敷の、玄関の扉の屋根の下まで足跡は続いている。さらに、屋根で雪が積もっていない扉前には、靴裏についていた雪がぽろぽろ、とこぼれて足跡になっている。
扉脇の泥落としで泥を払った後があるから、まずもって間違いない。
__ここにいる。
キルシェも彼がしたであろう、靴の泥を金具で落としてから、扉の来訪を告げるドアノックを使って叩いた。
しかしながら、返事はない。
__まぁ……広すぎるでしょうし、リュディガーが聞こえる場所にいるとは限らないわよね……。
キルシェは苦笑し、扉に手をかける。
扉は施錠されていなかった。見た目通り重くはあったが、開いた。
蝶番の音が古めかしさを際立たせる。
うっすらと開け、中を覗いた。
庭師の家よりも、圧倒されるぐらいに大きい玄関ホール。
帝都のビルネンベルクの邸宅が、ここより狭いのは、帝都内という限られた土地の中にあるから。
玄関ホールの正面には、幅の広い階段が出迎えるようにあった。
「リュディガー? 居ますか?」
キルシェは、そのままの状態で、吹き抜けの玄関ホールへ向けて、少し声を張って呼んでみる。少し、というのは、まだ他人の家という気がしてしまって、遠慮してのこと。
「__キルシェか」
するとどこかから、こもったような声であるが、リュディガーからの返答があった。
ほっ、と胸をなでおろす。
「はい、そうです」
「今、そっちへ行く」
革靴の踏みしめる音が響いて、それが玄関に向けて足早に近づいてくるのがわかった。そうしてリュディガーは階段の上に姿を現して、階段を小走りするように降りてくる。キルシェはその姿に微笑んで、扉を押し開けて中へと踏み入った。
「すみません、寝坊をしました」
いや、と笑ってキルシェのもとまでやってきたリュディガー。
「__起こしに行ったが、よく寝ていたからそのままにした」
「そうでしたか。起こしてくれてよかったの……に……」
__ん? 待って……。起こしに……来た?
「__起こしに、とは……その……扉越しで声をかけてくださった……?」
キルシェは、ぎこちなく問う。
「ノックして応答がなかったから、声をかけて……でも応答がなかった」
「そ、そうなの。そういう__」
「__寒空を飛んだから、体調を崩していないか心配になって、確認のために中には入った」
キルシェの言葉をみなまで言わせず、リュディガーが言い放った言葉に、キルシェは顔が引きつったのがわかった。
「私……寝、て……」
「ああ、よく寝ていた」
寝顔を見られた__途端に、キルシェは顔が熱くなるのがわかった。
「何を今更。初めてのことではないだろう」
「それは__っ!」
キルシェはそこから先の言葉を発することができなかった。
幾度となく彼には見られているのは事実だからだ。
大学の寮生活の頃など、疲れ切って熟睡してしまい、部屋まで運ばれた始末。振り返ればそうした出来事は片手で収まるかどうか__少なくもなくない出来事である。
キルシェは俯いて手で顔を押さえるように覆い、顔の火照りを鎮めてからため息を小さく吐く。
「キルシェ?」
「いえ、なんでもないの」
大丈夫、と今一度大きく息を吐き出して、キルシェは顔を上げた。
「えぇっと……その……朝食、ありがとうございました」
「大したものはないから、あんなもので申し訳ないが」
「いえ、そんなことは」
リュディガーは苦笑を浮かべて肩をすくめる。
「それで、今は何をしていたの?」
「あぁ……少し、使用人部屋の様子をみていた」
「屋根裏?」
「ああ、そうだ。__ホルトハウスさん達が来るまで、内覧でもしているか?」
「いいの?」
リュディガーは笑った。
「なんで駄目なことがある。まぁ、整っている部屋というわけではないが……見てはいけないはずがないだろう」
リュディガーは言って、促すように前をしめしつつ、キルシェの背__腰のあたりに手を添えた。
「__君の家にもなるんだから」
改めて彼に言われると、気恥ずかしい。
「屋内は寒いから、外套はそのままで」
さぁ、と背中に添えられた手に押され、キルシェは玄関ホールの脇にある扉へと進まされた。
二度寝したくなるような後を引く眠気もなく目が覚めて、軽く伸びをする。
見慣れない部屋は、例の庭師の家の一室__二階の部屋。
窓から見える景色は、眩しいぐらいの白銀と、抜けるような青に二分されているといっていいほど、他の色がなかった。
二階ということで、今朝は温かい空気が二階にのぼっているからだろう、春の陽気のような暖かさで、苦なく水差しの水を使って顔を洗い、身支度を済ませる。
そして下の居間へと降りていく__が、そこにリュディガーの姿はなかった。
彼は、暖炉近くにソファーを移動させて休んでいたはずだ。だが、そのソファーには彼がかけていた布団が背もたれにかけられているだけ。
人の気配はない__音があまりにもない。
テーブルには一人分の朝食があって、まさか、と弾かれるようにして暖炉そばにあるだろう彼の外套を探したが、やはりなかった。
__もう出てしまっている。
確か、屋敷の部屋にとりかかるという話だったから、屋敷へ行けばいいだろう。
キルシェは人目がないことをこれ幸いと、かきこむように食事を済ませ、外套を奪うようにとると外へと飛び出した。
案の定、まっさらな雪の中に、大きな足跡が一人分ずうっと続いている。
間違いなくリュディガーのものだ。
キルシェはそれを追った。
やや深い積雪だから、彼の足跡をなぞるように踏んでいくのだが、背丈に比例するように彼の歩幅は大きく、途中からは彼の足跡をたどりこそすれ、なぞるのを諦めた。
__いつも、合わせてくれていたのね。
改めてそうであったのだということを思いながら、その足跡をたどれば、途中足跡が分岐していた。
一方は屋敷の裏手へ、もう一方は屋敷の正面へ向かう軌跡。
__裏手には厩があるのよね、確か。
リュディガーから、大まかな敷地の配置を聞いていたキルシェ。
さらによくよくその足跡の軌跡を観察すれば、厩から戻ってきた足跡に少し重なるように屋敷の表へと向かう足跡が上から圧迫した足跡になっていることに気づいた。
__朝一番で、厩のサリックスに餌を与えにいったのね。
加えて言えば、敷地のどこかにいるらしいゾルリンゲリにも、餌を与えに行ったのだろう。であれば、この足跡の示す通り、その後屋敷を覗きに行った可能性はある。
キルシェは、屋敷の正面へと向かう足跡を辿ることにした。
屋敷は、地上二階建て。圧倒されるというほどの大きさではないが、だからといってこぢんまりとした印象を覚えるほどではない。
その屋敷の、玄関の扉の屋根の下まで足跡は続いている。さらに、屋根で雪が積もっていない扉前には、靴裏についていた雪がぽろぽろ、とこぼれて足跡になっている。
扉脇の泥落としで泥を払った後があるから、まずもって間違いない。
__ここにいる。
キルシェも彼がしたであろう、靴の泥を金具で落としてから、扉の来訪を告げるドアノックを使って叩いた。
しかしながら、返事はない。
__まぁ……広すぎるでしょうし、リュディガーが聞こえる場所にいるとは限らないわよね……。
キルシェは苦笑し、扉に手をかける。
扉は施錠されていなかった。見た目通り重くはあったが、開いた。
蝶番の音が古めかしさを際立たせる。
うっすらと開け、中を覗いた。
庭師の家よりも、圧倒されるぐらいに大きい玄関ホール。
帝都のビルネンベルクの邸宅が、ここより狭いのは、帝都内という限られた土地の中にあるから。
玄関ホールの正面には、幅の広い階段が出迎えるようにあった。
「リュディガー? 居ますか?」
キルシェは、そのままの状態で、吹き抜けの玄関ホールへ向けて、少し声を張って呼んでみる。少し、というのは、まだ他人の家という気がしてしまって、遠慮してのこと。
「__キルシェか」
するとどこかから、こもったような声であるが、リュディガーからの返答があった。
ほっ、と胸をなでおろす。
「はい、そうです」
「今、そっちへ行く」
革靴の踏みしめる音が響いて、それが玄関に向けて足早に近づいてくるのがわかった。そうしてリュディガーは階段の上に姿を現して、階段を小走りするように降りてくる。キルシェはその姿に微笑んで、扉を押し開けて中へと踏み入った。
「すみません、寝坊をしました」
いや、と笑ってキルシェのもとまでやってきたリュディガー。
「__起こしに行ったが、よく寝ていたからそのままにした」
「そうでしたか。起こしてくれてよかったの……に……」
__ん? 待って……。起こしに……来た?
「__起こしに、とは……その……扉越しで声をかけてくださった……?」
キルシェは、ぎこちなく問う。
「ノックして応答がなかったから、声をかけて……でも応答がなかった」
「そ、そうなの。そういう__」
「__寒空を飛んだから、体調を崩していないか心配になって、確認のために中には入った」
キルシェの言葉をみなまで言わせず、リュディガーが言い放った言葉に、キルシェは顔が引きつったのがわかった。
「私……寝、て……」
「ああ、よく寝ていた」
寝顔を見られた__途端に、キルシェは顔が熱くなるのがわかった。
「何を今更。初めてのことではないだろう」
「それは__っ!」
キルシェはそこから先の言葉を発することができなかった。
幾度となく彼には見られているのは事実だからだ。
大学の寮生活の頃など、疲れ切って熟睡してしまい、部屋まで運ばれた始末。振り返ればそうした出来事は片手で収まるかどうか__少なくもなくない出来事である。
キルシェは俯いて手で顔を押さえるように覆い、顔の火照りを鎮めてからため息を小さく吐く。
「キルシェ?」
「いえ、なんでもないの」
大丈夫、と今一度大きく息を吐き出して、キルシェは顔を上げた。
「えぇっと……その……朝食、ありがとうございました」
「大したものはないから、あんなもので申し訳ないが」
「いえ、そんなことは」
リュディガーは苦笑を浮かべて肩をすくめる。
「それで、今は何をしていたの?」
「あぁ……少し、使用人部屋の様子をみていた」
「屋根裏?」
「ああ、そうだ。__ホルトハウスさん達が来るまで、内覧でもしているか?」
「いいの?」
リュディガーは笑った。
「なんで駄目なことがある。まぁ、整っている部屋というわけではないが……見てはいけないはずがないだろう」
リュディガーは言って、促すように前をしめしつつ、キルシェの背__腰のあたりに手を添えた。
「__君の家にもなるんだから」
改めて彼に言われると、気恥ずかしい。
「屋内は寒いから、外套はそのままで」
さぁ、と背中に添えられた手に押され、キルシェは玄関ホールの脇にある扉へと進まされた。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
【完結】公爵令嬢は勇者への恩返しを試みる〜サブヒロインとして頑張ります〜
マロン株式
恋愛
公爵令嬢ユウフェには、ひとつだけ秘密がある。
――この世界が“小説の中”だと知っていること。
ユウフェはただの“サブヒロイン”で、物語の結末では魔王のもとへ嫁ぐ運命にある……はずだった。
けれどーー
勇者の仲間、聖女、そして魔王が現れ、〝物語どおり〟には進まない恋の三角関係(いや、四角関係?)が動き出す。
サブヒロインの恩返しから始まる、ほのぼの甘くて、少し切ない恋愛ファンタジー。
◇◇◇
※注意事項※
・序盤ほのぼのめ
・勇者 ✖ サブヒロイン ✖ 魔王 ✖ 巫女(?)の恋愛模様
・基本はザマァなし
・過去作のため、気になる部分あればすみません
・他サイトと並行改稿中のため、内容に差異が出る可能性があります
・設定ゆるめ
・恋愛 × ファンタジー
二年後、可愛かった彼の変貌に興ざめ(偽者でしょう?)
岬 空弥
恋愛
二歳年下のユーレットに人目惚れした侯爵家の一人娘エリシア。自分の気持ちを素直に伝えてくる彼女に戸惑いながらも、次第に彼女に好意を持つようになって行くユーレット。しかし大人になりきれない不器用な彼の言動は周りに誤解を与えるようなものばかりだった。ある日、そんなユーレットの態度を誤解した幼馴染のリーシャによって二人の関係は壊されてしまう。
エリシアの卒業式の日、意を決したユーレットは言った。「俺が卒業したら絶対迎えに行く。だから待っていてほしい」
二年の時は、彼らを成長させたはずなのだが・・・。
何もしない公爵夫人ですが、なぜか屋敷がうまく回っています
鷹 綾
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスの妻となったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、屋敷を仕切ることも、改革を行うことも、声高に意見を述べることもしなかった。
指示を出さない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
「何もしない夫人」として、ただ静かにそこにいるだけ。
それなのに――
いつの間にか屋敷は落ち着き、
使用人たちは迷わなくなり、
人は出入りし、戻り、また進んでいくようになる。
誰かに依存しない。
誰かを支配しない。
それでも確かに“安心できる場所”は、彼女の周りに残っていた。
必要とされなくてもいい。
役に立たなくてもいい。
それでも、ここにいていい。
これは、
「何もしない」ことで壊れなかった関係と、
「奪わない」ことで続いていった日常を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる